血圧ってどうやって上下しているの?ホルモンとの関係は?Part2
こんにちは。理学療法とWeb3に力を入れているREI(@honma.rei1008)です。
僕は、患者さんとの会話の中でなぜ血圧は上下するのか?という疑問を持ちました。
学校では、絶対に習っていたはずなのに数値だけに目をむけ現象を無視し続けた結果、血圧が上下する原因を忘れてしまっていました。
今回は、血圧の上下を調整している機能5つのうち残りの3つを解説していきます。
Part1をまだ学んでいない方はまずはPart1をご覧ください。
>>Part1はこちら
簡単にPart1の復習
血圧を上下に調整する機能は全部で5つあり
・筋原性
・液性因子
・自律神経
・腎臓
・代謝需要による血流の再分配 でした。
その中で前回は
・筋原性
・液性因子 について触れました。
筋原性反応による血圧の上下調整
血管平滑筋は、伸びると縮むという機能が備わっており、それらの機能は自動で調節されます。
この自動調節機能は、脳などの血圧を常に一定に保っておく必要がある器官で発達していました。
液性因子による血圧の上下調整
液性因子とは
・代謝産物
・ホルモン
・内皮細胞 の3つがありましたね。
代謝産物は、血管を拡張させる酸性のものが多く、これにより「代謝性アシドーシス」になり息が上がるというサイクルでしたね
血圧を上下に調整するホルモンは3つ
アドレナリン、レニン、バソプレシンがありました。(それぞれの作用はPart1を振り返ってください)
内皮細胞は、拡張作用・収縮作用されぞれ2つの物質を解説していきました。
高血圧症の大半を占める本態性高血圧症は一酸化窒素の障害で起きるんでしたね。
血圧の上下調整:今回の内容
復習はこの辺にして、残りの3つ
・自律神経
・腎臓
・代謝需要による血流の再分配 を解説していきます。
自律神経による血圧の上下調整
・交感神経による血圧の上下調整
血圧を上下に調整するすべ手の役割の中でこの「自律神経」による調整が最も重要です。
大部分の血管は「交感神経」によって支配されており血管を支配している交感神経を交感神経性血管収縮神経と呼びます。
この、交感神経性血管収縮神経は延髄の支配を受け、ノルアドレナリンが伝達物質として働いています。
この、交感神経性血管収縮神経は常にインパルスを送り続けており、血管を適度に収縮している状態を保っています。
インパルスの頻度が増加すれば血管は収縮、インパルスの頻度が低下すれば血管は拡張します。
また、交感神経性血管収縮神経は動脈において分布が多く認められていますが、静脈にも分布しており、静脈血管の収縮状態もコントロールしています。
・受容器による血圧の上下調整
血圧の上下を感知する受容器は2つ存在し頸動脈付近にある「頸動脈洞」、および「大動脈弓」です。
これら2つの受容器は血圧の上昇を感知しており、血圧の上昇を感知すると血管を拡張させます。
血圧上昇を感知した頸動脈洞は、舌咽神経を介し延髄の血管運動中枢・心臓抑制中枢へ情報を送ります。また、同じく血圧上昇を感知した大動脈弓は迷走神経を介して延髄の同中枢へ情報を伝達します。
延髄で受け取った情報は、血管運動中枢では、交感神経性血管収縮神経を抑制してインパルスの頻度を減少させて血管を拡張させます。
心臓抑制中枢では、迷走神経を介して心臓の動きを抑制し心拍数を下げ、心拍出量を減少させます。
血圧は【心拍出量×末梢血管抵抗】で決定するので、心拍出量が減少すれば血圧は低下します。
これらのような、血圧を減少させる反射経路を「減圧反射」と言います。
腎臓機能による血圧の上下調整
腎臓は循環血液量の調整をおこなっています。
循環血液量(体内の血液量)が多い→心臓に戻る血液量が増える→戻ってきた分出ていくので心拍出量も増える→血圧上昇ということになります。
体内の水分量が多ければ、当然末梢血管抵抗も増加し血圧の上昇につながります。
そこで、腎臓は尿を生成し体内の水分を排出することで、血圧のコントロールを行います。
ですので、腎機能が低下すると→ナトリウムの排泄が阻害や水分の貯留→血圧の上昇につながります。
代謝需要による血流の再分配
走っている時を想像してみてください。
徐々に筋肉が疲れてきて、ゼーハーゼーハー息切れしてきますよね。
運動をすることで、骨格筋が使われます。骨格筋が使われれば当然エネルギーも消費され酸素が必要になります。
酸素を骨格筋に送るのはなんですか?
ヘモグロビン(血液)ですよね。酸素を欲している筋肉に釣り合うように血流も増加させる必要があるんです。
そのためには血管を拡張し、スペースを広げて血流を増やそうとします。しかし、それだけでは血圧が低下するだけで血流量は思ったようには増えません。
そこで、交感神経性血管収縮神経が胃や腸、肝臓などの血管を収縮させ腹部内臓を流れていた血液を骨格筋への血液分配に充てます。
そうすることで、内臓の機能を抑制し骨格筋の酸素需要に似合った酸素供給を行うことができるんです。
運動中に「お腹減ったな」「トイレ行きたいな」とはならないですよね。(内臓機能は抑制されていますので)
また、交感神経の活動による心臓の活動の促進(心拍数増加→心拍出量増加)や、代謝産物(Part1参照)の蓄積による血管拡張も血流増加に貢献しています。
まとめ
血圧の上下を調整する機能は5つあり、今回は
・自律神経
・腎臓
・代謝需要による血液の分配 の3つの機能について解説していきました。
血圧の上下の調整の大半は「自律神経」で行われており頸動脈洞と大動脈弓が延髄に情報を伝えていましたね。
また、運動の時にトイレに行きたくならないのは内臓の血流が減少し機能が抑制され。骨格筋の血流に充てられるからでしたね。
血圧の上下を調整する機能を知ることができたので目の前にいる患者さんはどの機能が落ちて血圧が変動しているのか実際に評価してみてくださいね。
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