265 季節的なこと? 犬の異常行動
夜にうろうろしはじめた
きっかけは恐らく雷なのである。以前なら、近くの雷ならビビるだけだったのだが、いまはその「けはい」にもビビるようになった。さらにマンションなのでどこからか、静かな夜というのに生活音が妙に響くことがある。引き戸の車がゴロゴロする、イスを引く、踵が床に当たるような音などなど。それだけで犬は過敏にビビりはじめてしまった。
6月に8歳になった愛犬だが、まだ痴呆には早すぎる。ネットで見ると、似たような症状の子(犬のことを子を呼ぶ)がいるようだ。
妻は雷のときは抱っこをしてあげる。体重3.4キロと小さい部類ながらも、長時間抱くのはなかなかキツイ。そこでソファーに座って抱く。ここまでは犬もなんとか落ち着こうとしてくれている。しかし、寝ることはない。
私たちが寝ると、うろうろしてしまう。
正しい犬の飼い方として、まず、一緒に寝てはいけない。サークルやクレートなど落ち着く場所を固定してあげること。これが常識とされている。
ただ我が家では歴代の子たちは、一緒に寝ていた。だから、いまの子も同様にしている。
しばらく犬が歩くのに付き合ってみたのだが、廊下の端までいき、そこで固まっている時間がある。あー、これは認知症っぽいな。しかしまた歩き始める。さらに、こっちにすり寄ってきて「なんとかしてくれ」と言ってくる。それでいて、抱き上げようとすると嫌がる。私ではダメで、抱いていいのは妻だけである。
それだけ妻の負担が大きくなっていく。ほぼ眠れない夜がこの数日続いた。
そしてある日、私の足元に粗相してしまった。
実はかなり前にも粗相したことがあって、それから敷き布団とシーツの間に介護用のパッドを敷いていた。そのおかげで敷き布団はセーフだったのだが、たまたまかけていたタオルケットなどは濡れてしまった。
そこで夜はおむつをつけることにした。
昼間はぐっすり眠っているようだ
夜、うろつくため、昼間はぐっすり眠っているようだ。私は仕事場へ行ってしまうから見ていないけれど、妻によると「ガーガー寝ている」らしい。
幸いなのは、おむつを嫌がらないことだろう。いまのところ、おむつをしても平気だ。朝、外してあげると喜ぶものの、つけることに抵抗はない。どうやら、犬もそれで少し安心を得ているのではないかと思える。
以前から、いまの子は、上半身と下半身で性格が違うのではないかと感じていた。さらに右半分と左半分でも性格が違うようだ。たとえば、気が立っているとき、抱っこを受け渡すとき、左からだと激しく抵抗するのに、右からならいい子ですんなりいく。また、下半身で起きることを、上半身はびっくりしている。おならもするのだが、自分で驚いている。
また、巨大食道症の症状はいまほとんどなくなったとはいえ、先天性だった点から獣医さんから「神経になにかある可能性は高いよ」と言われていた。いま、夜にうろつくのも、妙に音に過敏になっているからで、それも神経の伝達になにか異常が起きているのかもしれない。
犬の寿命は私の知る限りかなり延びている。とはいえ8歳の小型犬なら人間の40代相当と言われている。中年だ。これまでと違うことが起きても不思議ではない。
問題は飼い主側の年齢である。こっちはかなり年になってくると、なにをやっても昔のようにはいかない。
いまの異常な気象によって、首都圏も雷の発生確率が高くなっている気がしていて、これからどうなってしまうのか。慣れてくれるのか。さらに悪化するのか。私たちはちゃんと対応できるだろうか。
そんな不安をこのところ日々、感じている。