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まんまんちゃん、あん。

祖父母の家に遊びに行った時には、親は最初に必ず、
「まんまんちゃんしてきぃ」
と言いました。
初めてお聞きになる方もいらしゃるかと思いますが、これは『お仏壇に手を合わせる事』をいいます。

お仏壇の前へ行き、手を合わせ、
ご先祖様に日頃の無事を感謝します。
感謝が終わったら最後に「あん。」です。
「あん。」と言うか言わないかはその子次第でした。
私は言わない派でした。
でも親に「あん。って言うたか?」と指摘されて慌ててお仏壇の前へ戻って
「あん。」だけ付け加えるとそれを見ていた親に「あん、だけかいな。」とツッコまれたりもしましたので、「まんまんちゃん、あん。」のフルトークが必須だったという事なのでしょう。

主に関西地方の方言のようですね。
「まんまんちゃん」とは「仏様」の事を指すのだそうです。
東京に来てからそれが方言だった事を知り、同僚たちに話しましたらバカウケしていました。 特に「あん。」が謎だったようです。
多くの方は「まんまんちゃんもだけど、あん。って何?」
と聞かれます。
これについては、分かりません。
なんまいだぶ、なんまいだぶと言って、終わりの「ハイ、終わり!」的なモノだと認識していますが、分かりません。
調べると出て来ると思いますが、明らかにならない方が良い事もあります。
私は曖昧にしておきたいので、懐かしい想い出としてこのままにしておきたいと思います。

そんなこんなで儀式が終わりますと、晴れてフリータイムです。
お菓子を食べに行ったり
ワンコと戯れたり
扇風機にマジックで落書きしたり(あの超キケンな遊びです)
栗を獲りに行ったり
川に遊びに行ったり
魚釣りに行ったり
壺の小銭つかみ取りを祖母にせがんだり。。

本当はテレビも見たかったのですが、あまり見なかったと思います。
テレビもあって電波も届いておりちゃんと映るのですが、番組表が無かったのです。
当時は1970年代後半~80年代初め。昭和の後期とはいえ、そこはとんでもない山奥でしたので、新聞は夜にならないと届きませんでした。
つまりテレビの番組表を目にする頃には、番組が終わっているという状況です。あれは流石に不便でしたね。

今は父母方両家の祖父母は亡くなりましたが、親族が交代で家屋の管理をしています。先祖代々の思いを大切に、これからも「まんまんちゃん、あん。」を引き継いでいきたいと思います。

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