新規事業開発の本質とは

こんにちは!

本気ファクトリー広報noteチームです。

長く続いたコロナ禍がようやく落ち着いてきたものの、物価高や人手不足のあおりを受けて、業績が改善されないとお悩みの企業様も多いかと思います。

そのなかで新規事業を立ち上げ、業績の改善を目指す企業様が増加傾向にあります。

事実、弊社では新規事業開発支援をメイン事業にしておりますが、この新規事業開発に関する相談が以前よりも増えてきました。

今回のnoteでは新規事業開発の本質について、代表である畠山にインタビューしてみました!!

代表の畠山は今までさまざまな企業様の新規事業開発の支援を行っており、多くの成功例、失敗例を見てきています。

新規事業の成功確率が「千三つ(1000件に対して上手くいくのが3件)」と言われるなか、どうすれば新規事業開発が上手くいくのかを詳しくまとめていますので、興味がある方はぜひ最後までお読みください。何かしらのヒントが得られるかと思います!

- 早速本題ですが新規事業開発の本質について教えてください。

結論から言うと
「顧客をよく観察し顧客がお金を払ってでも解決したいと思っている課題の解決方法を提供する。」
この一言に尽きます。

新規事業開発の初期で上手くいかない場合は顧客を見ていないケースがほとんどですね。

- 当たり前のように感じますが意外とできてない会社が多いのですね。

そうなんです。

これはモテる人とモテない人で例えると分かりやすくて

モテる人は相手が何をして欲しいのか、何をしたら喜ぶのか、どうしたら楽しんでくれるのかを常に考えて行動しています。

逆に、自分中心の考えで自慢話ばかりをしたり、自分が面白いと思うことを相手に押し付けたりする人はまずモテない。

この理論を理解しつつも実行出来る人が少ないのです。笑

だから、モテる人も新規事業で成功する会社も少ないのです。


- なぜ、相手を見る事ができないのでしょうか?

この答えは簡単で
みんな結局は自分のことが一番好きだからです。笑

集合写真を見る時に探すのはまず自分、次に自分の仲良いやつか自分の好きな子を探します。

基本的に人というのは常に自分視点で物事を考えるものなのです。

新規事業開発において、サービスアイデアは自分の分身です。顧客はそれを受け入れたり、受け入れなかったり、問題を指摘したりする存在です。少し大げさに言えば、嫌なことを言ってくるやつなわけです。そういう嫌な人のこと見よう、考えようとする人はちょっと普通じゃないですね。「顧客のことを徹底的に考えよう」と言うと一見、至極普通のことを言っているように聞こえますが、実際に自分が開発する側に立つと、「普通に顧客のことを考える」なんてことはできません。大抵の人は意識してトレーニングしないと、できるようにはなりません。

- なるほど。わかりやすいです。笑
話が変わりますが、新規事業開発の成功率は低いものなのですか?

「新規事業開発の成功」をどう定義するかによるというのが正しい答えだと思います。

「新規事業開発の成功」をどう定義するかによる、というのが正しい答えだと思います。

大企業での新規事業開発は、その企業において事業として残すための売上・収益規模のハードルが高いので、成功率は低くなります。

リクルートの例を見てみると、新規事業プログラムである「Ring」を1982年からの35年間続けています。
Ringでは全応募のなかから事業化フェーズに進むのはわずか2%で、そのうち黒字化に到達するのは15%と言われています。

1000件の応募があった場合、事業化フェーズに至るのは20件、さらに黒字化に至るのはたったの3件。文字通り「千三つ(1000件に対してうまくいくのは3件。0.3%)」といった数字が出ています。

ただ、この数字は「単に応募されたアイデア数」を母数として、「大企業で存続する意義のある黒字化事業」の割合を算出したものです。この母数には応募者が本気で取り組む気のないアイデアも多数混ざっていますし、「黒字化はできたが、リクルートの中で存続させるには規模が小さすぎる」といったものは「黒字化」に入りません。

一方で、独立・起業し、事業の継続ができたケースを成功とみなす場合、成功率はもっと高いと言えます。

本気で独立した起業家の事業が数年後に存続している割合で見ると、創業5年後でも8割以上の企業が存続しています。

画像2

出典:2017年「中小企業白書」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

国際比較でいうと、日本の企業生存率は突出しています。
あまりイメージがないかと思いますが、日本は中小企業に対する保護がとても手厚く、国際的に見ても独立しやすい国と言えるでしょう。

ただし、これはあくまで「事業継続しやすいか」という観点であり、「スタートアップとして大きな成長をしやすいか」と言うと、また違った結論にはなるかと思います。また、当然のことですが、「経営者がどこまで(経営ではなく)起業に知見があるか」という要素が大きく影響してきます。

何のノウハウもなく起業した人が、5年後に80%の確率で事業継続できているかといえば、それは厳しいと思います。

ですので、企業内であっても独立であっても、起業の成功確率を高めるためには、新規事業開発の知見を身に着けておくことが必要です。

- どのようにして成功確率を高めていくのでしょうか?

基本を忠実に実行することです。

新規事業開発の基本は
この4つのプロセスに沿って進めていきます。
①Ideation
②CPF
③PSF
④PMF

- 難しい言葉が並びますね。笑
それぞれ詳しく教えてください。

① Ideationとは文字通り、アイディエーションです。ビジネスのアイデアをぼわっと全体感を考えるフェーズです。顧客やサービスのことを深く考えるというよりは、マーケットがどのあたりか、とか顧客やサービスがこんな感じじゃないかなと考えるフェーズですね。このフェーズでよく使われるのはLean Camvas (リーンキャンバス)です。

リーンキャンバスとはビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるフレームワークで、新しいビジネスモデルを企画する際に最適な手法です。

このような図です。

図1

新規事業を0から考える際、この図が非常に便利なのでぜひ使ってみてください。

まずはこの図を埋める事から始めてみましょう。

ーその次のCPFとはどういう意味でしょうか?

②CPFとはCustomer Problem Fit(カスタマープロブラムフィット)です。

日本語で言うと
「どういった顧客のどういった課題を対象にビジネスをするか?」です。

ビジネスでは顧客の課題が一番重要です。

自分視点になりがちな新規事業開発は、ここが抜け落ちてることが多いものです。
ですのでCPFは入念に行ってください。

CPFでは顧客の抱えている課題がどのようなものか、そしてその課題がどれだけ深い課題なのかを検証します。

- CPFはどのように進めればいいのでしょうか?

様々な手法がありますが、一番一般的なのは「デプスインタビュー」という手法です。
デプスインタビューとはマーケティング調査の手法のひとつで、“1対1”でインタビューする調査手法です。

デプスは(depth)とは「深さ」を表す言葉であり、深く掘り下げてインタビューしていくので本人も意識していなかったニーズや要望が知れるというメリットがあります。

ーデプスインタビューで聞くべきことはありますか?

絶対に確認することが3つあります。

1.顧客がその課題に対して強い感情を持っているか?
2.その課題を解決するための行動をしているかどうか?
3.そしてその課題がまだ解決しきれていないか?

この3つは必ず確認してください。

ーまずは想定している顧客に会ってインタビューして課題の深掘りをしていくことが大事なのですね。
その次のPSFについて教えてください。

③PSFとはProblem Solution Fit(プロブラムソリューションフィット)です。
日本語で言うと「課題に対して解決策はふさわしいか?」です。

顧客の課題を見つけたら解決策を検証していきましょう。
これもすぐには最適な解決策は出ないので、あらゆる解説策を検証していくのが望ましいです。

ここで一番大事であるのは、顧客がお金を払っても良いと思えるくらいの深い課題を解決できているかどうかです。
お金を払ってもらえなければビジネスにはならないというのは当たり前のことですが、課題を解決しているのであれば、お金を払うほど深い課題ではないということがわかります。CPFの時点では深い課題だと認識していても、「ソリューションを提供してみたら意外と深くなかった」と分かる場合も少なくありません。その場合はCPFに戻るべきです。次回以降のフェーズでは、本格的にサービスを提供しながら検証していくことになります。ここをないがしろにして次以降のステップに進んでしまうと、問題が大きくなりすぎて対処しきれず、事業開発が頓挫してしまう可能性が極めて高くなります。CPFとPSFを確度高く検証できたという確信を持ってから次のフェーズに進むようにしてください。


ー最後のPMFとはどういう意味なのでしょうか?

④PMFとはProduct Market Fit(プロダクトマーケットフィット)です。
日本語で説明すると顧客の課題を満足させる製品(プロダクト、サービス)を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態のことを言います。

まず顧客の課題を発見し解決策を検証していく。そしてそのサービス、製品が広がっていく市場があるかどうか検証していく。

この順番で新規事業開発を行ってみてください。

PMFまで出来ると新規事業成功が見えたといっても良いと言われています。

ーこの4つの手順も畠山さんが最初に言っていた
「顧客をよく観察し、顧客の課題を解決するものを提供する。」につながっているのですね。

そうです。
結局基本が一番大事ということです。

他のことと同じで新規事業開発においても基本的なことを着実に行っていくことが王道パターンです。
新規事業開発と言うと、「他の人が考えつかないような素晴らしいアイデアと奇抜な方法でトリッキーにやらないと成功しない」と思っている方が大多数ですが、奇策は必ずしも必要ありません。

ーその他にも新規事業開発に大事なことはありますか?

繰り返しになってしまいますが、一番大事なことは徹底的に仮説検証をやり切れるかどうかです。

徹底的に仮説検証をやり切れないというのはダイエットに似ていて
今、YouTubeやネットなどで検索すれば痩せられる方法というのはいくらでも出てきます。

でも、ライザップなどのパーソナルジムが流行っていますよね。
これはやり方が分からないのではなく、徹底的にやり切れていないというのがダイエット失敗の原因になっているからです。

新規事業も「どうしたらよいのか」というノウハウは書籍でもメディアでもたくさん見つけられますが、成功するかどうかは徹底的に仮説検証をやり切れるかどうかにかかっています。

また、企業の中で新規事業を行う場合は、撤退ラインを予め決めておくことが重要です。

新しいことを始めるときに、だめだった場合を考えるのは、これも「普通ではやらない」ことです。しかし、これがないとうまくいかない事業をずるずると検討し続けて、結局何も起こらないということになりがちです。
既存事業の場合、「失敗は許されない」という空気が強い会社が多いかと思いますが、これを新規事業にそのまま持ってきてしまって「ゾンビ事業部」になっているケースを多く見かけます。新規事業は仮説ですから、外れるのは普通のことです。仮説が外れたらまたやり直せばよいだけです。

例えばサイバーエージェントは2四半期連続で減収減益になったら撤退、もしくは事業責任者の交代といった撤退基準を明確化しています。

こういったルールは「チャレンジには失敗がつきもの、失敗したらまたやり直せば良い」という新規事業開発に合った文化が背景にあるように思います。(失敗は許されないので)いつまでもずるずると事業開発を続けられる企業よりも、撤退ラインを最初から決めていて何度でもチャレンジできる会社の方が新規事業開発がうまくいくのは当然のことかと思いおます。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか?

新規事業開発の本質は
顧客の課題を適切に見つけ、その課題に対する適切な解決策を提供していくこと。
そして仮説検証を徹底的にやり切ることなんです。

弊社はBtoBやシェアリングエコノミーの新規事業支援を得意としています。

これから新規事業を開発したい方や今まさに新規事業を行っているものの、なかなかうまくいかないという方はいつでもご相談ください。

新規事業のライザップ的な立ち位置として撤退的にやり切るサポートをさせて頂きます!


今回のnoteは以上になります!
最後までお読み頂きありがとうございました!!

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