見出し画像

原発に頼らず、脱炭素社会の実現を!

 脱炭素社会の実現が世界的な課題となっていますが、原発はその解決策ではありません。

 政府は8月24日、「原発7基の追加再稼働」をはじめ、「運転期間の延長」「次世代革新炉の建設」を検討する方針を示しました。ウクライナ危機などによって電力需給が逼迫し、政府は「エネルギーの安定供給の再構築」のためだと言っています。

 しかし今回の需給逼迫は、一年で最も需要が多い季節に起こったのではなく、一日のうち需要のピークの数時間の需給調整をどうするかという問題です。その数時間のために出力調整できない原発を活用することは非合理的です。世界ではすでに「ベースロード」という考え方は時代遅れであり、変動性再エネを大幅に増やしていくうえで、需給バランスを維持するための「フレキシビリティ(柔軟性)」が重要だという考え方に変わっています。
(参考:「電力需給ひっ迫「注意報」で注意すべきこと」(京都大学大学院経済学研究科 特任教授・安田 陽 ほか)

 先日、事故後の福島第一原発で作業員として働いた後に白血病を発症した「あらかぶさん」のお話を伺い、胸が痛みました。あらかぶさんは現在、東京電力などを相手に損害賠償請求の裁判をたたかっています。原発は事故を起こさなくても、常に原発労働者は被ばくのリスクがあり、労働者を使い捨てにする前提の発電です。このような非倫理的な発電をこれ以上続けていいはずがありません。また、核のゴミを将来世代へ押しつけるという倫理的な問題もあります。
(参考:あらかぶさんを支える会(福島原発被ばく労災 損害賠償裁判を支える会)

 ウクライナ危機では原発が攻撃対象になることが改めて認識されました。それにもかかわらず、福島原発事故を経験した日本政府が原発回帰へ方針転換しようとしていることは許されません。

 福岡市は国より10年早い、2040年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げていますが、実現するための具体的施策はほとんどありません。「原発頼み」「新技術頼み」の計画しか作れていません。しかし、自治体から取り組める政策はいろいろとあります。
(参考:「地域から気候危機を止めるための政策提言リーフレット」(発行:気候危機・自治体議員の会))

 福岡市から、脱原発&脱炭素社会の実現をめざしていきましょう!

※本稿は9月末に「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の会報用に書いた原稿をもとに、一部加筆修正してアップしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?