【地味〜な記事😆】情報はどこまで真偽を確認すべきか?
私は著作などで、情報は
・自分から取りに行って
・真偽を確認して
・自分の頭で考えて
・自分で結論を下す
ことが大事だと言っている。
この中で、問題になるのは「真偽の確認」だ。
情報を発信する際に、大抵は「一次情報」と「そこから言えること」がセットで発信され、場合によってはその片方だけが発信される。
問題になるのは「そこから言えること」が単独で発信される場合だ。
毎回必ず「一次情報」とセットで発信されればいいが、それでは情報量が多くなり過ぎるし、「一次情報」を読み解くのが一般人には難しいケースもある。
文章が長く煩雑になるのを避けるために、「そこから言えること」だけを発信する場合があり、その場合に、こちらで裏を取るかどうかが問題になる。
裏を取らなくても良いと考えられるケース
1.取ろうと思えば誰でも取れるデータ
例えば、「THE REAL ANTHONY FAUCI 人類を裏切った男(下)」の29ページに「その遅れた数十年の間に、連邦政府は5000億ドルを優に超える額をエイズにつぎ込んだ。」とある。
これが本当かどうかを確認するには、連邦政府の数十年間に渡る予算の実績データを探り当て、エイズに振り分けられた金額の合計額を出す必要がある。
これは特に日本人にとっては至難の業だ。
このような、公式のデータがどこかに存在し、確認しようと思えば誰でも確認でき、誰が見ても同じ数字になるものに関しては、嘘をついてもすぐにバレるので事実だろうと判断し、敢えてこちらが確認する必要はないと考える。
もちろん、確認した方がいいのは当然だが、データが嘘である可能性と、確認に取られる時間を天秤に掛けて、確認は不要と判断する。
2.中立で公正だと思われる第三者機関による実験や調査のデータ
特定の企業や営利団体、国家など、お金の絡む組織からの資金提供を受けていない、中立で公正な第三者機関(個人を含む)が出す、実験や調査結果のデータだ。
もちろん、実験や調査のやり方がまずければ結果は信用できないが、それを言うと全てのデータを1から確認しなくてはならなくなり、使えるものがなくなってしまうので、私の場合はこれらは正しいものとして扱っている。
裏を取るべきケース
1.一次情報のありかが分からないケース
以下の記事をご覧頂きたい。
「放射性物質から身を守るタイベックススーツと人工呼吸器(酸素マスクの間違い?)を着用し…」とあるが、この写真ではタイベックススーツを着ていない。別のシーンでのことを言っているのだろう。
となると、タイベックススーツで作業をする写真を確認する必要がある。それを見るまではこの話をそのまま信用する訳にはいかない。
2.前提条件が不明な場合
シミュレーション結果、世論調査、実験結果、これらは前提条件を変えると全く異なった結果が得られる。
これらは、実施者が得たい結果があらかじめある場合、前提条件、すなわちシミュレーションであればパラメータ(変数)、世論調査であれば調査対象の母集団に年齢構成や男女比率などと質問の仕方、実験結果であれば実験条件を見ないと、信用していいものかどうかが分からない。
これらを見る場合は基本的には前提条件の確認が必要だ。
これを確認するためには、元データである報告書を入手する必要があり、困難な場合も多い。入手できない場合は、実施主体の信頼度、結果の妥当性などから、信頼できるものかを推定するしかない。断定は困難だ。
3.特定の意図を持っていそうな組織の出した情報
この図を見て欲しい。
コロナワクチンの接種回数ごとの、人口10万人あたりの感染者数のグラフだ。
点線より左側を見ると、未接種者が最も感染者数が多く、多く接種すえうほど感染者数が減っている。
何も知らない人が見れば、国の出したデータだし、特に確認すべき点もないと思うだろう。
ところが、この結果は海外のデータと真逆なのを私は知っていた。海外ではワクチンを打てば打つほど感染しやすくなることがデータで分かっているのだ。
そこで「未接種者」の定義を確認したところ、何と未接種者の中に、「接種歴不明の接種者」が含まれていたのだ!
これはどう考えてもデータの捏造であり、まともな部署であればこのような集計を許さないので、通常であればこのグラフの裏を取る必要はない。しかし、国はコロナワクチン接種を強硬に進めている。ワクチンによる死者が10人出ようが100人出ようが1000人出ようが一向に止める気がない。
そのような組織が出してきた、ワクチン接種を後押しするようなデータは、その信頼性を詳細にチェックする必要がある。
4.一次情報やその在り処が示されずにまとめた結果だけが述べられたもの
事例1. 各国の食品添加物の認可数
このような数字を見たことはないだろうか?
「日本は桁違いに多いじゃん!」と思ってしまいがちだ。しかし、データの出典が示されていない。この手のことは実に多い。
実態は以下のサイトにある通りで、各国で添加物の定義が異なる上に、上の表のまとめ方が無茶苦茶で、欧州各国はとんでもない低い数字になっている。
事例2. 新型コロナのPCR検査キットは10数種類のウイルスを検出している?
このような噂も広く出回り、私が調べて火消しして回ったが、実態は以下の通りだ。
11種類のウイルスを検出する検査キットは1種類のみで、大半は新型コロナウイルスのみを検出する。
5.画像
画像データに関しては、技術が発達して真偽の見分けが難しいので慎重な判断が求められる。
事例1. 「日本財団は支配者側組織だから寄付するな」との投稿に貼られていた図
上段中央の一つ目ピラミッドが日本財団のマスコットキャラクターだとの主張のようだが、この図では確認できない。
日本財団のサイトに行ってみると、このようなマスコットキャラクターは見当たらない。
事例2. 安倍総理(当時)が台風の避難者の慰問に行ったとのニュースは嘘だとする写真
下の写真はそれっぽく見えるが、パッと見て気付くことがある。スタジオの背景の茶色い壁の高さが、頭を下げた安倍総理をカメラに収めるのにギリギリの高さしかないということだ。
常識的に考えればこのような大道具の作り方はしない。もっと余裕を持って大きく作るはずだ。
なぜこうなったかと考えると、基にしたニュースの写真がこのサイズで切り取られていたからだろう。下の写真を作った人間が、壁を上に伸ばす技術を持っていなかったのだろう。
上のニュース映像と下のスタジオでの2人の姿が全く同じ瞬間であることも偶然ではあり得ない。
もう1点考えるべきは、スタジオ撮影をする必要性、目的だ。実際は被災地に行っていないとして、それを行ったことにすることにどれほどの意味があるというのだろう?この観点は常に頭に置いておいた方がいい。
また、この日のことはニュースになっており、安倍総理の姿が色々な場所で撮られているのだ。つまり現地に入っているということだ。
事例3. 「富士山に巨大なものが積まれている!」
写真を拡大して見て欲しい。
「巨大なものがかなりの距離に渡って積まれている!」と言って騒いでいる人がいた。
何のことはない、これだったようだ。🤣
騒ぐ前に、取れる情報を取る努力をしよう。確認が取れなければ「保留」にするのが賢明だ。
裏を取るべきかどうかの判断基準はこれ以外にもあると思うが、私の場合はその時々で個別に判断している。
それでも時々、確実ではない情報を先入観で「正しいだろう」と判断して記事を書き、後で後悔することがある。
最近の例を挙げると以下のものだ。
・車のアルミホイールは普通の火災では溶け出すことはない。
・住宅街で家だけ焼けて、すぐそばの木だけ焼け残ることはない。
この2つは根拠となるデータの提示がなかったので、「裏を取るべき情報」の1に相当する。
そこで「アルミニウムの溶解温度」「火災の温度」「火災で緑の木は燃えるのか?」を調べたところ、両方の主張とも間違い、あるいは怪しいことが判明した。
多くの人が同じ主張をしていると、つい本当だろうと思いがちだが、「多数=正解」ではないので、多数意見に流されずに、「本当だろうか?」と思ったら裏を取ることを心がけて欲しい。
まとめ
入手した情報を信用していいのか、疑ってかかった方がいいのか、いちいち判断する癖を付けて欲しい。
すべての情報の裏を取るのが本来は正しい姿だが、実際は時間が有限であるため、それぞれの情報について、裏を取るべきか取らずに信用するかの判断をしなければならない。
裏を取るべきかの判断基準をいくつか書いたが、実際にはもっと様々なケースがあるので、自分で経験を積んで判断基準を作り上げていくしかないだろう。
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