能登半島地震で志賀原発に起きたこと
能登半島地震で志賀原発の変圧器に被害があり、一部の外部電源が使えなくなった。外部電源の完全復旧には半年掛るとの報道があった。
外部電源を喪失したらどうなるかは福島第一原発で分かっているので、変圧器の損傷状況を詳細に伝えないマスコミと北陸電力に不信感を持っていたところ、詳細の情報を伝えるジャーナリストによる記事を見付けたのでご紹介する。
それによれば、3系統ある外部電源のうちの2系統の3つの変圧器がやられ、機能しなくなったとのこと。
私が感じた問題点は、
1.変圧器には格納容器や冷却装置などの主要部ほどの高い耐震性が求められていないこと。
2.規制庁が「平たい言葉で言えば、油が漏れて、主変圧器が想定される機能を満足しない、これを壊れたと言えば壊れたと言えるかもしれませんが」と、事故を小さく見せたがる姿勢を見せたこと。
1.に関しては、変圧器が壊れたのでは外部電源の電力を使えなくなり、外部電源喪失と同じことになるわけなので、原子炉と同等の耐震性を持たせるべきだろう。
それをやろうとしない電力会社も原子力規制委員会も職務怠慢としか言いようがない。事は、日本国民の命が架かっているのだ!
2.に関して、規制庁の言い分は、責任を取りたがらない役人らしく、事故を小さく見せようとする意識がはっきりと見える。
問題があれば出来るだけ早く騒いで、必要な支援を仰ぎ、被害を最小限に留めるべきであるのにも関わらず、恐らく電力会社も規制委員会も出来るだけ問題がないかのように取り繕おうとする。
この姿勢は国民の被害を拡大させる方向にしか働かないので、意識改革が必須だ。
この記事を読んで、日本の原発はたまたまラッキーで、あるいは何者かに守られている(私はこちらだと思っている)ために大惨事になっていないだけで、実は成り立っていないと思っている。
志賀原発は停止中だったから良かったものの、稼働中に今回の地震があったら、制御棒の挿入が間に合わず、原子炉が暴走していたとの解析記事を読んだ。
地震大国の日本において、原発は成立しない技術なのだ。
今、我々が日本に暮らせているのは奇跡だと思った方がいい。
原発の再稼働は有り得ない。
全ての原発は今すぐ止めるべきだ。