「人類を裏切った男~THE REAL ANTHONY FAUCI(下巻) 」④ ポイント抜き出し 4/6~第11章 伝染病は虚偽ーオオカミが来るぞ!
2021年11月9日に米国で発売された本書は、書店に置かれず、様々な妨害を受けながらもミリオンセラーとなり、この日本語版も販売妨害を避けるためか、当初はAmazonでは流通させず、経営科学出版からの直売のみになっていたが、現在はAmazonで買うことができるようになっている。
日本語版は1000ページを超えるために3巻に分けられた。
本書はその下巻「ビル・ゲイツの正体と医療植民地プロジェクト」だ。
極めて重要な情報が満載で、要旨を紹介して終わりでは余りにも勿体ないので、お伝えしたい内容を列記する。
今回は第11章「伝染病は虚偽ーオオカミが来るぞ!」。
一言で言うと、二人の詐欺師、ファウチ&ゲイツにより何度も何度も繰り返される感染症詐欺の歴史だ。
・2005年、鳥インフルエンザ
・2009年、豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)
・2014年、ジカ熱
・2016年、デング熱
この延長線上にあるのが新型コロナ、COVID-19だ。
以下、抜き出し。
1906年、アメリカでは年間死亡者数の3分の1を感染症が占め、10万人中800~1000人が感染症によって亡くなった。
ところが、1976年になると感染症で死亡するアメリカ人は10万人中50人未満となり、アメリカ疾病予防管理センター (CDC)と国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は予算を正当化するために極度のプレッシャーにさらされるようになった。
そこで、両機関においてはパンデミックの喧伝が組織的な戦略となる。 製薬会社、国際保健機関、銀行、軍需産業は、すぐさまこのからくりに利益を見出し、パンデミックは放っておいても自ら存続するようになった。
ファウチ博士を批判的に見て非難する人々は、彼が世界規模のアウトブレイクを日常的に誇張し、さらにはでっちあげているという。その目的は、パンデミック・パニックをあおり、バイオセキュリティ計略を後押しし、政府機関からの資金提供を増やし、パートナーである製薬会社の利益となるワクチンを推進して、彼自身の権力を拡大することにあると。
歴史的な記録が、これらの告発を裏付けている。
1976年の「豚インフルエンザ」から学んだ教訓
1976年、当時NIAID臨床調査研究所の臨床生理学課長だったファウチ博士は、国立衛生研究所(NIH)が主導した豚インフルエンザのインチキパンデミックを最前線で目撃した。
この年、フォート・ディックスの兵士が強行軍後に肺疾患で死亡した。陸軍の医師はサンプルをCDCに送り、病気は豚インフルエンザと特定された。当時NIAIDの所長だったリチャード・クラウス(ファウチは数年後に彼の後を引き継いだ)は、CDCのデビッド・センサー所長と協力して壊滅的なパンデミックの恐怖を広め、ワクチンの需要を喚起した。
NIAIDの責任者は、メルク社の伝説的なワクチン開発者であるモーリス・ヒルマンをはじめとする予防接種業界の大物らを集め、所内で戦略会議を開いた。後に、米国議会の調査団がその協議のメモを入手するのだが、その中でヒルマン博士は、できあがったワクチンは「科学とはまったく関係なく、純粋に政治的なものであった」と率直に告白している。
2020年8月の『ローリングストーン』誌で、ジェラルド・ポスナー ( 『Pharma: Greed. Lies,貪欲、嘘、アメリカの汚染)』の著者)は、メルク社と他のワクチンメーカーが規制当局との秘密会合を利用し、自分たちの責任を回避しつつ業界の利益を保証する計画を練った経緯を紹介している。
製薬会社とNIAIDは議会、ホワイトハウス、そして国民に向け、フォート・ディックスの豚インフルエンザは1918年のスペイン風邪パンデミックを起こしたものと同じであり、このときには全世界で5000万人が死亡したと警告したが、それは嘘だった。
フォート・ディックス、CDC、アメリカ合衆国保険福祉省(HHS)の科学者たちは、H1N1がごく普通の豚ウイルスで、人間へのリスクはないと知っていた。 にもかかわらず、NIAIDは米国内で100万人が死亡すると警告し、強引なキャンペーンを展開した。
連邦規制当局の要請でテレビ出演したフォードは、全国民に予防接種を呼びかけた。当然のごとく、1918年のスペイン風邪による大量死にも言及した。これを受け、約5000万人の米国市民が、HHSとメルク社が共謀して市場に出した、急ごしらえで雑な臨床試験しか経ていない責任ゼロのワクチンを注射するために、地元の保健所に列をなした。
政府は本格的な普及活動に乗り出した。中には、予防接種を受けずに重症化して後悔する患者を描いた、恐怖の番組もあった。CDCのプレスリリースは、人気テレビスターのメアリー タイラー・ ムーアが予防接種を受けたと発表した。しかし、ムーア本人はドキュメンタリー番組『60ミニッツ」で、副作用を懸念して注射を避けたと語った。
結局、1976年の豚インフルエンザの実際の犠牲者数は、100万人ではなく1人だった。
1976年の豚インフルエンザワクチンはあまりにも問題が多く、HHSは4900万人のアメリカ人が接種した後に、打ち止めとした。報道によると、ワクチン接種者のインフルエンザ発症率は、非接種者の7倍にもなった。さらに、このワクチンによって神経変性疾患であるギラン・バレー症候群が約500件、死亡が3件、麻痺が400件以上、その他に4000件もの健康被害が報告された。
アメリカの納税者は、結局のところ豚インフルエンザワクチンの導入と撤収、両方の費用を負担する羽目になった。導入にあたってはメルク社の利益保証のため、撤収にあたってはワクチン被害者からの山のような訴訟のための費用が、税金によって賄われた。
政府は豚インフルエンザワクチン計画に1億3400万ドルを支払った。被害を受けた原告による訴訟は1604件に及んだ。1985年4月までに、政府は8323万3714ドルを支払い、これらの請求の裁定と処理に何千万ドルも費やした。
1987年、モリス博士は議会でこう証言した。「これらの数字は、不特定多数の人々に深刻な健康被害を与えることが知られている製品の責任を連邦政府が負うというプログラムがどんな結果をもたらすか、それを示唆しているのです。(中略)私がFDAを去った1976年には、DTPワクチンを含む当時使用されていたほとんどのワクチンについて、神経毒性や効能を、確実かつ一貫して測定できる技術は存在しませんでした。1年後の今(1987年)でも、状況は基本的に変わっていません」
モリス博士の研究によると、インフルエンザワクチンはしばしば子どもや妊婦に発熱を引き起こし、胎児に深刻な害を与える。彼は、ワクチンには「文字どおり余計な細菌が含まれている」ため、誰にとっても隠れたリスクがあるのだと指摘した。 モリス博士によると、「子どもへの予防接種は恩恵よりも害悪のほうが多いことを示す証拠が多数存在する」という。
2014年に亡くなるまで、モリス博士はCDCが毎年行うインフルエンザ予防接種プログラムを率直に批判し続けた。1979年、モリス博士は「ワシントン・ポスト』紙にこう語った。
「あんなものは医療費のぼったくりです。(中略)国民は、ワクチンを受けるか否かを判断できるような、信頼できる情報を与えられるべきです。(中略) 十分な情報を与えられれば、誰もワクチンなど打たないと思います」。 モリス博士の死亡を伝えた2014年の『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事は、彼の発言を採り上げている。「こうした(インフルエンザワクチンのメーカーは、それらが無価値であることを知りながら、それでも販売を続けているのです」
強制的な隔離や侮辱、論文発表や学会での発表の禁止、マスコミへの発言の禁止、研究室の鍵を変えて研究の継続を妨げるなど、NIHがモリス博士を黙らせるために使った手段は、反体制科学者を黙らせるソ連式テンプレートに通じるものであり、とうの昔に確立されていた。
NIHが職員のキャリアを摘み取るために最初にこの手段を講じたのは、1950年代のことだった。バーニス・エディ博士は受賞歴を持つウイルス学者で、ポリオウイルスの発見者だった。だが後に、彼女はソークやセービンのポリオワクチン(訳注・ソークのものは不活化ワクチン、セービンのものは生ワクチン)に含まれるがんを引き起こすサルウイルスを発見した。彼女の研究がワクチンの安全性にかかわる問題を明らかにするや、 NIHの職員はエディ博士を研究室から追放し、オフィスの鍵を変え、インタビューやスピーチには応じないよう命じた。こうしてエディを黙らせたうえで、NIHは汚染されたワクチンを9900万人のベビーブーマーに投与した。彼らの間では軟部組織がんが100倍も増え、ポリオの害を凌駕する公衆衛生上の災害をもたらした。
後にファウチ博士と政府の保健規制担当官たちは、ジュディ・ミコビッツ博士、NIHの契約研究員だったバート・クラッセン博士、CDCの水痘(みずぼうそう)ワクチン研究者ゲイリー・ゴールドマン博士など、ワクチンの安全性と有効性に関する都合の悪い真実を語る科学者たちを黙らせるために同じテクニックを使った。
1976年の豚インフルエンザでは、連邦政府が初めて、製薬会社の保証人としての役割を果たす。国民はこの出来事から、免責とは危険で効果のないワクチンの奨励だ、という重要な教訓を学んだ。だが産業界や行政は、この悲劇的なエピソードからまったく別の教訓を学んだ。
1986年、彼らは豚インフルエンザワクチンの顛末を、小児ワクチン健康被害法のモデルとしたのだ。 この法律では、接種を義務付けた「すべての」 ワクチンにつき、ワクチンメーカーは賠償責任から保護される。
2005年の「鳥インフルエンザ」も空振りに終わった
2005年、ファウチ博士は1976年に大失敗したNIAIDの脚本を復活させた。今度の悪役はH5N1鳥インフルエンザだった。ファウチ博士は2001年以降、鳥インフルエンザの大流行が迫っていると警告を発し続けていた。
この年、ファウチ博士は「Infectious Diseases: Considerations for the 21st Century (感染症――21世紀への考察)」と題する論文で、インフルエンザが鳥から人へ伝播し、香港をはじめとす世界の人口が壊滅的な打撃を受ける、とする不吉な予測を発表した。
2004年、ベトナムを拠点とするオックスフォード大学臨床研究ユニットのディレクターで、ウェルカム・トラストの最高責任者に就任するジェレミー・ファーラーと、彼のベトナム人同僚トラン・ティン・ヒエンは、致死性の鳥インフルエンザ、H5N1がヒトに再出現したことを突き止めた。
2020年、ファーラーはビル・ゲイツと提携し、ニール・ファーガソンに資金提供をする。ファーガソンは新型コロナウイルス感染症の死亡予測を大幅に誇張した疫学者で、恐怖キャンペーンをあおって厳格なロックダウンを正当化するのに貢献した。
ファーガソンは、偽パンデミックの宣伝隊長だ。彼の主な業績を紹介しておこう。
2005年、ファーガソンは、鳥インフルエンザによって最大1億5000万人が死亡すると予測した。結果は、2003年から2009年にかけて、この病気で亡くなった人は全世界で282人にとどまった。
2001年に口蹄疫が発生した際、1100万頭の羊と牛が殺処分されたのは、ファーガソンによるインペリアル・カレッジの予想が発端となった。
2002年には、狂牛病により英国で13万6000人が死亡すると予測した。英国政府は数百万頭の牛を屠殺した。実際の死者数は177人だった。
2009年、豚インフルエンザで6万500 人の英国人が死亡すると予測した。豚インフルエンザによる英国での死者数は457人だった。
2020年、年内だけで最大220万人のアメリカ人が新型コロナウイルス感染症により死亡すると予測したのは有名な話だ。 ファウチ博士は欧米諸国におけるロックダウンやその他の厳しい規制を正当化する材料として、ファーガソンの予測を利用した。
2005年に、ファウチ博士は待ちに待った鳥インフルエンザの到来に歓喜した。彼はファーガソンのデータを引き合いに出し、自身やそのパートナーである製薬会社がワクチンを開発できなければ、世界中で「何百万人」が死亡すると警告した。
アメリカ、 カナダ、フランスなどの政府機関や世界保健機関(WHO)は、ファウチ博士が唱える危険性を受け売りし、H5N1は「感染力が強く」危険であると騒ぎ立てた。WHOと世界銀行は、この流行り病が世界に2兆ドルもの損失をもたらすと警告した。アンソニー・ファウチは、H5N1は「爆発寸前の時限爆弾」 であると予言した。WHOインフルエンザ対策チームのリーダーであったクラウス・シュテールは、ファウチ博士の予言をさらに膨らませ、世界中で200万人か700万人が死亡し、数十億人が発病すると予測した。ファウチ博士は便利な常套句を使い、新型鳥インフルエンザは5000万人から1億人の死者を出した1918年のスペイン風邪のように致命的なものになるかもしれないと述べた。
しかし、ファウチ博士はこの使い古されたネタが嘘っぱちであることを知っていた。というのも2008年、博士は 「Journal of Infectious Diseases (米国感染症学会誌)」に共同執筆者として掲載した論文で、1918年の「インフルエンザ(スペイン風邪)」による犠牲者のほぼ全員が、実際には細菌性肺炎や気管支髄膜炎で死亡していたと吐露していたからだ。政府のウイルス学者が何世代にもわたってアメリカ国民を脅し、ワクチン接種を遵守させるために引き合いに出してきたスペイン風邪は、結局のところ張子の虎だったというわけだ。
ブッシュ大統領は、ワクチンメーカーの責任を減免する 「Biodefense and Pandemic Vaccine and DrugDevelopment Act of 2005 (2005年生物兵器防衛及びパンデミック時のワクチン及び医薬品開発法)」の成立を議会に要求した。 製薬業界がホワイトハウスに対し、不法行為責任を免れる盾がなければ、ワクチンの製造を拒否すると通達したのだ。
この法律では、ワクチンメーカーの行為に対して、それがいかに怠慢でも、無謀でも、 悪質でもまたたとえ強制的に行われた予防接種であっても、訴訟を起こすことが禁止された。
ファウチ博士のパンデミックはまたしても空振りに終わった。WHOは、事態が収束した2006年5月16日までに鳥インフルエンザで亡くなった人は、全世界でたった100人と推定した。
2009年の「香港豚インフルエンザ」の顛末
2009年、ファウチ博士は再び、ありもしない伝染病が襲ってくると騒ぎ立てた。 香港の豚インフルエンザだ。
この年、ファウチ博士とウェルカム・トラストが仕組んだ典型的な「おとり商法」の最中で、WHOは豚インフルエンザのパンデミックを宣言した。WHOはこのころまでに、製薬会社とその新たな資金源であるビル・ゲイツに支配されるようになっていた。
パンデミックの兆しなど実際には存在しなかった。WHOの集計によれば、この年の5月に季節性インフルエンザの患者数が若干増加しただけだった。ただ症状は軽く、発生から1週間で全世界の死亡者数が145人未満と、死亡率も非常に低かった。それなのに、WHOは秘密会議を開き、世界的なパンデミックを宣言する決定をした。
WHOのパンデミック宣言を契機にWHOやゲイツ傘下の他の組織がアフリカやヨーロッパの国々に圧力をかけ、グラクソ・スミスクライン社をはじめとする製薬会社との間で180億ドル相当の履行待ち契約が結ばれることになった。WHOがフェーズ6のパンデミックを宣言した場合、ドイツ、英国、イタリア、フランスなどの調印国に、グラクソ社のパンデムリックスなど、臨床試験も経ずに緊急承認された実験的で信頼度ゼロのHINIインフルエンザワクチンを180億ドル分購入させる秘密協定だった。
続いて、WHOはその契約を履行するタイミングを見計らって、フェーズ6 「パンデミック」の定義を巧みにすり替え、「世界中で大量の死者が出ること」という条件を削除した。
このペテンに憤慨した人々から批判が殺到し、WHOも最初こそ否定したものの、結局は、政府や産業界の科学者と協議のうえで定義を引き下げたことを認めた。具体的に誰と協議したかについては極秘とされ、その理由は説明されなかった。WHOは今日に至っても、この協議に加わった者たちについての情報開示を拒んでいる。
『BMJ』誌は、抗ウィルス剤使用に関するWHOのガイドラインを執筆した専門家たちが、これらの薬剤を製造するトップ2社であるロシュ社とグラクソ・スミスクライン社からコンサルティング料を受け、取っていたことを突き止めた。
パンデミック宣言の原動力となったひとりが、ロイ・アンダーソン卿だ。彼はグラクソ・スミスクライン社の取締役であり、2009年の豚インフルエンザと2020年の新型コロナウイルス感染症危機をでっちあげたインペリアル・カレッジ・ロンドンの学長でもあった。
WHOのパンデミック宣言により、欧州5カ国とアフリカの数カ国はグラクソ社の危険なワクチンを数百万回分購入せざるを得なくなった。
昨今のニュース記事は、その年に迅速承認された数十億ドル規模となるHINIインフルエンザワクチンを数百万人のアメリカ人に投与するよう主唱したのは、ファウチ博士だとしている。
太鼓持ちの米国メディアはこのときも従順に、ファウチ博士のH1N1ワクチンを宣伝するべく、恐怖と嘘を撒き散らした。NBCは「今後2年間でアメリカ人の40%が豚インフルエンザを発症し、ワクチンキャンペーンなどの対策が成功しなければ、数十万人が死亡する可能性がある」と大げさな予測を打ち出した。
歴史家のラッセル・ブレイロック博士は、「恐怖省 (CDCのこと)は残業までして悲観論を売り込んでいた。怯えた人々が合理的な判断を下せないと知っていたからだ。パニックほどワクチンの売上に貢献できるものはない」と述べている。
2019年1月、ゲイツ財団が出資するグローバル・ヘルス・セキュリティセンター (Centreon Global Health Security) がロンドンのチャタムハウス(王立国際問題研究所)で主催した会議で、マーク・ヴァン・ランストが10年前の豚インフルエンザ騒動における自身の役割を説明した。
2009年当時、ヴァン・ ランストはベルギーのインフルエンザ対策委員を務め、危機報道の管理を担当していた。彼は集まったエリートを前に、いかにしてパンデミックを演出するかを説明した。静まり返った会場は要所で笑いに包まれた。
「チャンスは一度切りです。 ひとつの声、ひとつのメッセージを追求するのです。(中略) 初日、あるいはそこから数日間は、メディアの注目を集めるためにあらゆる場所に顔を出す必要があります。(中略)そうすれば彼らは別の声を探そうとはしなくなります」。さらに彼は説明した。 「死者数の話は重要です。というのも、(中略)そうすることで人々は『何だって? インフルエンザで人が死ぬのか?」となるからです。これは必要なステップです。
そして、こう続けた。「私は、ベルギーでもトップクラスのサッカークラブが、不適切でも、またあらゆる合意に反してでも、選手のワクチン接種を優先させた事実を逆手に取りました。というのも、サッカー選手がルール違反を犯してまで接種したいと思うくらい有益なワクチンだと人々が信じるように仕向けられるのなら、利用しない手はないからです。私はこれを大々的に宣伝しました。(中略)うまくいきましたよ」
2020年、ヴァン・ランストはこうした考え方を持っていたおかげで、ベルギーの「リスク評価グループ」と、ベルギー保健当局にウイルス対策の助言を行うコロナウイルス科学委員会」のメンバーに任命された。彼はベルギーにおける新型コロナウイルス感染症対策の顔となった。
2009年10月になると、インフルエンザワクチンで健康被害を受けたと訴える人が続出するようになった。ファウチ博士をはじめ、公衆衛生の権威と呼ばれる人々は、当初から、季節性インフルエンザに比べ、豚インフルエンザは妊婦にとって特にリスクになると強調していた。 これは嘘だったが、恐怖におののいた母親たちはワクチンを打とうと列をなした。
後に、その多くは当時の選択を後悔することになる。ゴールドマンによる2013年の研究では、2009年から2010年にかけてパンデミックが予測されたイフルエンザシーズン中に季節性インフルエンザワクチン2種とH1N1ワクチンを接種した妊婦において、胎児死亡例が11倍増加したと報告されたのだ。
2017年のCDCの研究では、流産とインフルエンザワクチンの関連性が指摘されている。 妊娠3ヵ月までの期間は特に注意が必要だ。2010~2011年と2011〜2012年のインフルエンザシーズンにワクチンを接種した妊婦は、接種後2日以内に流産する確率が2倍になった。前回のインフルエンザシーズンにH1N1ワクチンを接種した女性では、2日以内に流産する確率が、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種しなかった女性の7.7倍になったのである。
この騒ぎを鎮めるため、ファウチ博士は YouTube で、 インフルエンザの予防接種は厳密な試験を経ており、完全に安全で、 インフルエンザワクチンの重篤な有害事象のリスクは「非常に、非常に、非常に微々たるものだ」と述べ、世界中の人々を安心させようとした。
しかし、この声明に科学的根拠はなかった。彼の言う試験は重大な利益相反を伴っており、ワクチンは十分なプラセボ対照二重盲検試験を行わずに迅速承認されたものだった。
ファウチ博士がこのように公言して2ヵ月後、流産、 ナルコレプシー、 熱性けいれんなどの重大な副作用が爆発的に発生し、複数の国で大きな騒動が持ち上がった。欧州医薬品庁(EMA)によると、重度の神経損傷、ギラン・バレー症候群による麻痺、ナルコレプシー、脱力発作など、パンデムリックスによる副作用の報告が980件を超え、ここには500人以上の子どもが含まれていたという。グラクソ社のワクチンによって多くの子どもや医療従事者が様々な形で脳障害を負うか、死亡したため、グラクソ社はワクチンの回収を余儀なくされた。2009年のH1N1豚インフルエンザパンデミックも、世界的な大流行になると騒がれながら、結局は実現しなかった。
欧州評議会議員会議 (PACE)の保健委員会会長の疫学者ヴォルフガング・ヴォダルグ博士は、2009年の「偽パンデミック」を「今世紀最大の医療スキャンダルのひとつだ」と断じた。
例のごとく、この数十億ドル規模の詐欺を仕組んだファウチ博士や他の医療関係者の調査は行われなかった。 製薬会社はまんまと数十億ドルを手にし、政府と納税者はインフルエンザワクチンの被害補償のために莫大な費用を負担することになった。
ジャーナリストのトルステン・エンゲルブレヒトは、著書『ウイルスマニア』の中で、パンデミック操作と製薬業界の腐敗に関する専門家である疫学者アンジェラ・スペルスバーグの言葉を引用し、「製薬業界はマーケティングのために豚インフルエンザパンデミックを意図的に利用した」と述べている。
2016年の「ジカ熱」での失態
2016年3月、ファウチ博士は、今度はジカウイルスがブラジルの新生児の間で小頭症の流行を引き起こしているとして、再び国民を欺いた。
ひとつだけ確かなことがある。 ジカ熱が原因で小頭症になることはない。ファウチ博士も十分に承知していたはずだ。 ジカ熱は何世代にもわたって中央アメリカや南アジアの多くの地域で流行してきたが、小頭症との関連が報告されたことはなかった。
ファウチ博士に批判的な立場を取る人々は、2015年から2016年にかけてブラジル北東部のスラム街で妊婦に投与された実験的なDTPワクチンこそが、小頭症流行の原因である可能性が高いと主張した。 この地域で毒性の強い農薬が大量に使用されたことも一因かもしれない。
恐怖心は視聴率を押し上げる。CNNのテクニカル・ディレクターであるチャーリー・チェスターは、新型コロナウイルス感染症危機の際、 業界アナリストにこう説明した。
「新型コロナウイルス? 視聴率はうなぎ登りだろう? だから死者数を表示するんだ」
パートナーであるビル・ゲイツの後押しを受けたファウチ博士は、パンデミック・パニックの炎をあおり、議会に対し、ジカ熱ワクチン の開発費用としてNIAIDへの20億ドル近い追加予算を要求した。
ファウチ博士はジカ熱のmRNAワクチンを開発する資金として、当時モデルナ・セラピューティクスと呼ばれていたマサチューセッツ州ケンブリッジの新興企業に1億2500万ドルを提供した。
ビル・ゲイツはまた、ウェルカム・トラストとのプロジェクトに1800万ドルを投入し、英国のオックスフォード大学の近くに本社を置くアメリカの企業、オキシテック社にも出資した。 ブラジルやその他の地域に遺伝子組み換え蚊を数百万匹放ち、ジカ熱を広げる蚊を駆除しようとした。
これは、自治医科大学の松岡裕之教授が2008年にゲイツ財団から資金提供を受けて行った研究の続編だった。松岡教授の研究はオキシテック社の遺伝子組み換え蚊よりも邪悪なもので、いわば「空飛ぶ注射器」のような蚊を作り出し、希望するしないにかかわらず無作為に人々にマラリアワクチンを注射してしまうというものだった。
ビル・ゲイツは2021年には2500万ドルを投じてこの不気味なプロジェクトを発展させる意向で、蚊の遺伝子組み換えにより、ワクチンを拒む人々にコロナウイルスワクチンをこっそり届けようとしているように思える。私は冗談を言っているのではない。
ブラジルで小頭症が大流行するという熱狂は、すぐに冷めた。WHOのスポークスパーソンであるクリストファー・ダイは、ナショナル・パブリック・ラジオで「2016年には多くのジカウイルス感染者が確認されたが、小頭症の症例はなかった」と述べた。
2020年になるころには、ファウチ博士は小頭症発生の原因がジカ熱であると断言できなくなり、ワクチンについても言及しなくなった。
2016年の「デング熱」による人的被害
ゲイツとファウチによるジカ熱詐欺により、何十億ドルもの税金が浪費された。だが、両者によるデング熱ワクチンの共同研究は、はるかに深刻な結果を招いた。彼らの「命を救うワクチン」は、注射器に仕込んだ死の罠だった。
NIAIDは20年にわたり、ゲイツ財団と協力して、蚊が媒介するデング熱ウイルスのワクチンを開発してきた。デング熱はマラリアに次いで広く蔓延している熱帯病だ。
2003年11月、ファウチ博士は「デングウイルスやキメラデングウイルスの減衰に有用な変異の開発」に向け、305件の特許出願を行った。それからわずか1カ月後、ゲイツ財団は小児デング熱ワクチンイニシアチブへの支援として5500万ドルの助成を発表した。
2007年7月、 ファウチ博士が言うところの「将来有望」な結果を伴い、NIAIDのデング熱ワクチンのプロトタイプが前臨床試験を終えた。
翌年早々、ファウチ博士は米国医師会が発行する雑誌で、またしてもヒステリックなパンデミック警告を発した。「ほとんどのアメリカ人が聞いたこともない病気が流行する兆しがある。それはデング熱で、死に至ることもあるインフルエンザに似た疾患だ。このデング熱が温帯地域に拡大し、重症化していく可能性がある」。
ゲイツが牛耳るWHOは、ファウチ博士のデング熱騒動をあおり、こう警告を発した。「2012年までに、デング熱は蚊が媒介するウイルス性疾患の中で、最重要のランクに位置付けられることになるだろう。この疾患は、世界的に流行する可能性がある。過去50年間で、世界全体でのデング熱の発生数は30倍に増加しており、その人的・経済的コストは甚大である」。その一方で、WHOはゲイツとファウチのプロジェクトに言及し、「長期間持続する免疫」を生じさせるワクチンの開発が進むだろうと予告した。
機能獲得研究の第一人者であるラルフ・バリック博士は、NIAIDと国防高等研究計画局(DARPA)の両方で活躍する、アメリカの寵児だった。 ノースカロライナ大学チャペルヒル校にある彼の研究室は、組み換えデング熱ウイルスを使用したデング熱ワクチン開発を進めるため、ゲイツ財団から7万6498ドルを受け取った。
2014年7月、ゲイツ財団 (BMGF)のグローバル・ヘルス・プログラムで、「顧みられない感染症」の責任者を務めるランス・ゴードンは、ゲイツとファウチ博士が出資したサノフィパスツール社の実験用デング熱ワクチンが有望な臨床成績を出していると発表した。晴れ晴れしい予報だったが、ゴードンはさりげなく不吉な文言をさし挟んだ。その意味を理解する者には万全の警戒態勢をとれと聞こえたことだろう。
彼は、NIAIDのブラジルにおける臨床試験では「病原性プライミング」のサインが認められたと発言したのだ。 この不吉な文言は過剰な免疫反応を意味しており、ワクチンを接種した人は次に野生のウイルスにさらされた際、全身に炎症を起こして死に至る恐れがある。
感染症の専門家や医療規制当局は、1980年代から病原性プライミングは命にかかわる問題だと認識していた。というのも、ある研究で「デング熱の二次感染では一次感染に比べて15~30倍も重症化しやすいことが判明した」からだ。
NIHによる2004年の臨床試験では、実験的なMERSワクチンで子どもたちに強い抗体反応が生まれた。だがその後に野生のウイルスにさらされた子どもたちは、重い症状を呈したり、死亡したりした。同様に、2012年と2014年に中国と米国の共同研究で開発されたコロナウイルスワクチンは、フェレットや猫で抗体を作ることに成功したものの、これらの動物は後に野生のコロナウイルスに遭遇すると死んでしまった。
ファウチ博士の決意も固かった。2016年1月、ファウチ博士は危険信号への言及を残らず排除すると、プロジェクトの続行を宣言した。
サノフィパスツール社のデング熱ビジネスは、順風満帆というわけにはいかなかった。このフランスのワクチン事業体はゲイツ財団の支援を受け、20年の歳月とおよそ20億ドルを費やしてデングワクシア(Dengvaxia)を開発し、全世界で3万人以上の子どもを対象に大規模な臨床試験を何度も実施した。
米軍で50年以上デング熱を研究してきたスコット・ハルステッド博士は、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌に掲載された臨床試験の安全性データを読んで、すぐさま重大な問題に気づいた。ワクチン接種後にデング熱にかかった子どもたちの中に、症状が劇的に悪化した子どもがいたからだ。また、デング熱に感染したことのない子どもたちでは、デングワクシアの接種によって、毛細血管漏出症候群と呼ばれる致命的な合併症のリスクが生涯にわたって高まる可能性があった。この合併症を発症すると、激しいショック状態に陥り、その後死に至る。
事態を憂慮したハルステッド博士は、科学雑誌に6回にわたって論説を掲載し、警鐘を鳴らした。だが、ビル・ゲイツもファウチ博士もサノフィ社も、ハルステッド博士の必死の警告を無視した。
サノフィ社はハルステッド博士への反論を発表し、さらなる研究を約束した。その研究を待たずして2016年4月、ビル・ゲイツの手先であるWHOは9歳から1歳までのすべての子どもにデングワクシアを推奨しようと動き出した。ゲイツ財団の資金援助を受けたデング熱ワクチンイニシアチブは、その前の12月には、フィリピンが(メキシコに次いで)デングワクシアを承認する2番目の国になるはずだと発表していた。
それから1年半後、サノフィ社はワクチンの安全性について新たな情報が得られたと発表した。彼らはハルステッド博士の懸念を裏付け、デングワクシアが実際に入院や毛細血管漏出症候群のリスクを高めるという驚くべき事実を認めたのだ。
この発表までに、保健当局はすでに約80万人のフィリピンの子どもたちに予防接種を行い、少なくとも600人が亡くなっていた。WHOはその後勧告を改め、デングワクシアはデング熱に感染したことのある子どもにのみ安全で、10万人が予防接種を受けるべきでなかったと認めた。亡くなった600人の子どもの検死結果を受け、フィリピンの検察当局は14人のフィリピン政府関係者と6人のサノフィ社役員を殺人罪で起訴した。
病原体との戦いにおいてこのような付随的被害の発生に慣れているファウチ博士は、亡くなった子どもたちに対して悪びれもせず、2018年1月、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に「我々は、いかなる形であろうとこれが致命的な問題になるとは思っていない」と語った。ただし、「今後はより厳しい道のりになるだろう」とも付け加えた。
ファウチ博士は攻撃こそが最善の防御であるという一貫した戦略のもと、病原性プライミングなどものともせず、ブラジルにおけるデングワクシアの臨床試験を全速力で進めると発表した。
2019年5月、FDAはサノフィ社のデングワクシアを米国、プエルトリコ、グアム、英国領バージン諸島で使用することを承認した。
フィリピンでは600人の子どもが「病原性プライミング」つまり「抗体依存性感染増強」により死亡した。パドロン=レガラドらは、開発中のSARSおよびMERSワクチンの動物実験において、ウイルスへの曝露で抗体依存性感染増強を引き起こしたとする論文を数多く発表している。
SARSのNタンパク質(ヌクレオカプシドタンパク質)をベースにしたワクチン候補は、SARSコロナウイルスに曝露したマウスに好酸球肺浸潤を伴う免疫異常を引き起こした。 SARSのSタンパク質(スパイクタンパク質)を発現するワクシニアウイルスを接種されたフェレットは、SARSコロナウイルスへの曝露により肝臓に強い炎症反応を起こし、肝炎に至った。可溶性Sタンパク質のみをベースとするワクチンは、ヒトB細胞を用いた体外実験において抗体依存性感染増強効果を示したことから、論文の著者らはヒト用のワクチン開発に懸念を表明した。
化学的に不活化したウイルスを用いたMERSワクチンは、アグラワルらによるマウス実験において、ウイルス曝露により肺の異常(好酸球浸潤)を引き起こした。 MERSの遺伝子組み換えSタンパク質をベースにしたワクチンをマウスに投与すると、MERSコロナウイルス曝露後に肺出血を引き起こした。パドロン=レガラドらはこう結論づけている。「新型コロナウイルス感染症に対する有効かつ安全性の高いワクチンの開発には、抗体依存性感染増強の可能性や、 SARSやMERSで過去に観察された副作用などの側面を考慮する必要がある。いずれも一部の実験動物やワクチン接種計画でしか確認されていないとはいえ、新型コロナウイルス感染症の場合も、やはりその可能性を考慮するべきである」
新型コロナウイルス感染症パンデミックが始まって間もない2020年4月、ワクチン業界の大物でメルク社のスポークスパーソンで、フィラデルフィア小児病院ワクチン教育センター長でもあるポール・オフィット博士は、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) 用のワクチンによる同様の影響について警告している。
「デング熱ワクチンでも経験した現象です。デング熱に一度もかかったことのない子どもたちが自然のウイルスにさらされると、かえって悪化してしまうのです。さらには、デング熱出血性ショック症候群と呼ばれるものまで引き起こしました。 子どもたちが亡くなったのです。9歳未満の、ワクチン接種を受けた子どもたちが」
パンデミック選手権トーナメントの結果
有力な証拠が示唆するところによれば、新型コロナウイルスはファウチが資金提供した中国武漢の『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』から発生した。
つまり皮肉にも、米国大統領が二代にわたって新型コロナウイルス感染症パンデミックの世界的対応の責任者として任命した人物が、実はそれを生み出した人物かもしれないというのである。
ファウチ博士はオバマ大統領による2014年の機能拡張実験に関する一時禁止に逆らい、NIHの内部安全審査委員会をかわし、生物兵器に関連する怪しげな組織を通じて軍と関係のある中国の科学者に資金を流し、安全プロトコルの甘い中国の粗末な研究所でパワーアップした病原体を作り出す無謀な実験に資金を提供した。
ファウチ博士の武漢との関わりや数十年にわたるパンデミックのでっちあげはさておき、彼が2020年に新型コロナウイルスでついに大当たりを引いたことは認めざるを得ない。2021年6月に大量に暴露されたファウチ博士のメールからは多くが明らかになったが、この中には博士が「Tony F.」と署名した手書きの図12も含まれていた。
過去20年で発生した、ほとんどがでっちあげの感染症を、マーチ・マッドネス(訳注・全米大学体育協会が主催する男子バスケットボール大会) スタイルのトーナメント形式で戦わせた図だった。
「Dr. Fauci's March Madness Bracketology Picks (ファウチ博士のマーチ・マッドネス組み合わせ予想)」と題する落書きには、2020年3月11日の日付も記されている。
ファウチ博士の不気味な対戦表を勝ち上がったのは、 イースト ブロックの第1シード、コロナウイルスで、天然痘、水痘、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、ジカ熱、B型肝炎、MERS、麻疹など、博士自身が延々とでっちあげてきたパンデミックを含むすべての対戦相手を打ち負かしている。
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