……の中国を旅する(5) 夫の実家、「文化と観光が融合する町」へ
Vol 33 中国旅行
9月末、中国に帰国した私たちは、上海の次、夫の故郷である江蘇省、塩城市、九龍口鎮の收成村に1週間滞在し、中国の最も重要な祭日休みの一つである中秋節と国慶節もそこで過ごしました。
その間、私は若い頃に想像していた夫の故郷の風景に出会いましたが、現実の美しさがさらに想像を超えました。
夫の実家に滞在中、宿泊していた兄夫婦の「新農村の家 」の中も外も清潔で居心地がよく、自分の家のように感じられました。一歩家を出れば、河川と田んぼが交えた網のような水郷の景色が目に入ります。
村人の暮らし
ここでは川と湖が絡み合い、水の網のように広がり、小さな橋が点在します。多くの村人は新農村住宅地に移り住み、家は都会よりも広く、空気は都会よりも新鮮で、景色は都会よりも美しい。農民の耕作や収穫、漁民の投網さえも都会人には詩的に見えます。
数少ない村人は、今でも昔の家に住み、伝統的な生活を続けています。古い家屋の多くは空き家になっていますが、取り壊されてはいません。狭い路地は整備され、以前の町並みは地元の文化観光資源として開発され始めています。
庶民の家は大邸宅や屋敷ほど立派ではないが、のどかな村の家々には、地元の人々のかつての生活の跡が、まるで生活感あふれる歴史絵巻のように残されています。
村の入り口には大きなスクリーンのある舞台広場があり、その横には大きなホールがあります。ここは村の文化活動が行われる場所です。季節の良い夕方、特に夏には、夕食後に村人たちがここに集まり、ダンスや余興、おしゃべりを楽しむのだと親戚に教えられました。
時折、映写チームがやってきて映画を上映することがあり、私たちが滞在している間も映画上映がありましたが、観客は少ないことでした。その時間帯は、アジア大会の試合中継を見ている人が多かったようです。。
村人たちの一日の活動は早朝に始まり、多くの村人たちは原付バイクで家族を載せたり、農作物や農具を積んだりして村を出ます。かつて自転車がそうであったように、原付は農業や漁業のための村人の移動手段なのです。
日中は人影もまばらですが、中秋節と国慶節の連休が近づくと、村は若者と自家用車で溢れかえり、子供たちは両親と一緒に祖父母の家に帰り、遊びまわる姿が村を活気づけます。
村人によれば、毎年お正月や長い連休になると村は活気づくといいます。今の村は、若者が故郷に戻って定住するほどの魅力はありませんし、村人たちは日に日に高齢化しています。村の活力をどう維持していくかは、多くの地方で避けて通れない問題のようです。
九龍口湿地公園と淮劇の郷
夫が子供の頃、母親からいつも聞かされていたことを覚えています。
「(母親の)実家の近くに九龍の口と呼ばれる場所があり、そこでは9つの川が小さな島で合流している。その島があまり高くないが、四方を水に囲まれているにもかかわらず、古代から一度も洪水に見舞われたことがないことで不思議な場所なのだ」。
または、祖父も「1931年の洪水で收成村のいたるところが水没さらたとき、魚が泳いで家までやってきたが、島にとどまることはなかった」と言っていました。
九龍口はその独特な自然景観から国家4A級景勝地となり、後に江蘇省の無形文化遺産に認定されました。
九龍口風景区では、春には緑の柳が垂れ下がり、夏には蓮の花が水面から顔を出します。秋には葦の花が湖一面に広がり、雁や鴨など数十羽の渡り鳥が水中で餌を食べたり遊んだりしています。
池と池の間には古代建築風の庭園風の建物があり、葦が揺れ、蓮の花が咲き乱れる湿地の中を蛇行する小道が続いています。青色のレンガ造りの建物は別荘風のホテルで、多忙な人々がいつもと違う時間を楽しみ、リラックスした気分で癒しのサービスが受けられます。
九龍口に隣接する古代の村が「淮劇鎮」に生まれ変わりました。
建湖県は地方伝統劇の淮劇の故郷であり、淮劇の町が作り出した古村のような雰囲気と劇の演出は、時空の錯覚をもたらし、観光客にを遠い過去へと誘います。そこで自然の風景を楽しみ、演劇を鑑賞し、地元の海鮮料理を味わい、「スローライフ」を満喫することができます。
非物質的文化遺産景勝地の近くにある文化観光融合の町
新しい農村である收成村は、都会人が好む清潔さ、整然さ、静かさ、魚と米の国ののどかな風景があるだけでなく、独特の農業生産文化や生活文化があり、郷土色にあふれています。 村人たちは携帯電話の微信(WeChat)で村全体と連絡を取り合い、家にいながらにして外の様子を知ることができるのです。
都市の人々(特に親子、若者を対象に)がここでの生活を体験できれば、都市生活では得られない興奮や学び、充実感を感じることができるでしょう。
私たちが村に滞在している間は、朝に水田に行って稲穂を浴びらせる太陽の光を楽しんだり、川辺に行って魚を捕るために網を投げる趣味の人たちを眺めたり、田んぼの畝から野草を摘んで花瓶に活けたりするだけで、喜びと充実感と慰めを得ることができました。
以下の写真は、古い家屋での村人たちの生活風景の一部で、いずれも村の生活の魅力を醸し出している。文化観光融合の町を目指す收成村は、豊かな資源に恵まれているようです。
「きれいな水と緑の山は黄金の山、銀の山である」というスローガンは、いたるところで目にすることができ、地域の発展コンセプトを際立たせています。
收成村は景勝地からわずか5キロしか離れておらず、大規模な観光スポットに隣接し、文化と観光が融合した町になるための設備もほぼ整っているため、文化と観光の融合の村になることにおいて大変恵まれていると、私は九龍口と淮劇鎮を訪れてからそう感じました。
もし收成村に民宿があれば、都会人は古村を訪れ、九龍口の水郷の壮麗な美しさを堪能し、淮劇鎮で古典劇を鑑賞し、地元の特産品を味わった後、收成村に数日間滞在すれば、田舎暮らしが心身の疲れを癒してくれるでしょう。
このような体験は、都市の人々のリピーターを増やせるではないかと気がしました。
よそ者として、夫の故郷の潜在的な資源と可能性に興奮を抑えきれません。私は、ここが早く文化と観光が融合した村になることを願っています。
文:欧陽蔚怡
写真提供:李偉,陳亮
写真効果調整:陳磊
本文の中国語バージョン