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(2)山村ツアーの徒歩授業

モニタツアーの実施験地は岐阜県恵那市の笠置町と飯地町で、以前紹介した中野方町と合わせて地理的に「笠周三町」と呼ばれることから、「笠周サステイナブル・モニターツアー」と名付けられた。

徒歩途中の景色

1泊2日の旅は、初日の10kmのウォーキングツアーから始まる。通常、外国人は、日本の観光地で精緻で洗練された文化的・歴史的建造物を見るか、大都市生活で近代的施設の便利さを実感するほか、都会の行き来し働く人々の忙しさを感じる。
 
飯地町と笠置町の2つの地区を通る道では、広々とした田畑、伝統的な建築様式の家屋が並ぶ集落、周囲の山々を目にし、時折走っていく車、道路脇を流れる川の音、遠くから聞こえる鳥のさえずり以外は、自然の調和と静けさを感じた。

案内してくれた高野雅夫教授がこの地域の状況を紹介してくれた:

60年前から始まった日本の経済成長の時代の前には、農家は自然と共生しながら、調和の取れた循環型の生活を送っていた。 土地の資源に依存し、山の草を刈って堆肥を作り、それを作物の栽培に使っていた。 森の木を伐って炭を焼き、それを都市に売って現金収入を得っていた。この地方の人々は自然の循環の中で自給自足の生活を営んでいた。しかし、その暮らしは経済成長の時代を経て失われていった。

「足元の道は数百年前の商人たちが商売をするための主要な道である」

森の茂みにさしかかると、高野教授は森のことを教えてくれた:

ここの森林は人工林。戦後、日本が復興するにつれ、都市部に大量の住宅を建設するために木材が必要となり、政府の植木促進の政策によって、人々はこぞって山に苗木を植えた。60年ほど育てて収穫する計画だが、60年経ち、木の値段が下がってしまい、森林所有者は森林を管理する意欲を失い、管理されていない森林が増えた。

山林を出て、目の前に広がっている棚田の前で、高野教授は米を作る農家のこと説明してくれた。

かつては農業が農家の主な収入源でしたが、1960年代から人々の食生活が変わり、米の消費量が減少したため、米が余るようになり、米の価格は下がり続けた。現在は、米の生産コストは変わらないものの、水田耕作による収入は大幅に減少し、農地を耕作できるのは、村外に仕事を持っていて休みの間に手入れをする人や、年金をもらっている高齢者だけとなった。 村民の高齢化と人口減少によって、個々の農家では畑を耕すことができなくなり、村全体で農地を組み合わせて運営し、維持するためには国の補助金にも頼らざるを得なくなった。 自然と共生する伝統的な生活様式は、経済発展によって崩れ去ったのだ。

ソーラーパネルで覆われた丘陵

歩いていると、緑の谷間に大きなソーラーパネルが現れ、道路沿いには 「太陽光発電所建設に断固反対!」と書かれた巨大な看板がいくつもありました。 周囲の自然とは合わない景色であった。

高野教授によれば、地元の山林所有者から山林を買い上げて太陽光発電所を建設する企業の規模は一時拡大し、地元住民による反対運動も起きたという。

太陽光発電所は地域の環境に大きなダメージを与える可能性がある。まず、樹木の根系が山や森林の地盤を支え、土砂の流出を防いでいる。樹木の根は網の目のように地面を貫き、土壌を支えている。樹木や根が伐採されたり、景観が損なわれたりすると、土壌は支えられなくなる。雨や台風の際に土砂崩れを引き起こす可能性がある。 第二に、太陽光発電所の建設と運営は、もともと生息していた野生動物や水生動物の生存に悪影響を及ぼす可能性がある。ソーラーパネルの寿命には限りがあり、適切に処理されなければ、これらの廃棄汚染物質が土壌や水源を汚染する可能性がある。 また、太陽光発電所を撤去する際には、土壌浸食を防ぐために植林を行うことが重要である。

山や森林は個人の所有物であることも多く、その場合、人々にはそれを売買する自由がある。山林を所有する企業にも、規定範囲内での利用に自由がある。地方自治体は、山林の保護・開発を計画し、有効活用することができず、日本の現行法は、現状をコントロールし、問題を未然に防ぐことに有効ではない状態にある。

高野教授について歩いている間、私たちは本来の日本社会の縮図の一部を見ました。また、経済発展が地域社会に与える悪影響や、彼らがいまだ解決できずにいる問題も目の当たりにした。
日本の国民は、経済発展と環境破壊の対立とバランスについてずっと悩みながら解決策を探ってきました。

このような状況を目の当たりにするまでは、私たちはこれらの問題を考えることはなかったかもしれない。これは、高野教授が考案したツアーの狙いでもあろう。

中国「百家号」プラットフォームのAIは、中国語の記事に基づいて短い映像を自動的に作成した。詳細は多く削除されたが、主要な内容は手短に表現されている。

https://mbd.baidu.com/newspage/data/videolanding?nid=sv_16163636776968371799

本文の中国語バージョン

高野雅夫先生のインスタグラム

https://www.instagram.com/takano_masao/

高野雅夫先生のブログ

https://blog.goo.ne.jp/daizusensei

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