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5日目 韓国バイク紀行 ソウル 鉄原 DMZ 雪岳山 束草

5日目 8月14日(水) ソウル 坡州(パジュ) 漣川郡 鉄原(チョロン) DMZ 雪岳山(ソラクサン) 束草(ソクチョ 東海岸) 341㎞

走行ルートの上の黒い実線が38度線

前日から左足親指の付け根がおかしいと思っていたが、朝起きたら痛風発作が本格的に起きていた。旅に出てからいや出る前も大酒を飲んでいるわけではないのでアルコールがトリガーとは思えない。バイクで旅に出て普段と違うのは水分補給が足りなかったのか、あるいは他の原因かわからない。でも確かに昨晩は友人とモツ焼きを食べビールは多少飲んだと思い出す。
北側の街と道路を通って鉄原(チョロン)の労働党舎を目指すことにする。
鉄原の歴史は聞きかじってはいた。もともとは発展していた町で植民地時代には鐘紡の工場もあり、地域の行政の中心地であったけれど、解放当時はソ連の支配下となり朝鮮線戦争により激戦区となって廃墟と化したというぐらいまでは何となく知っていた。写真でよくみられる労働党舎がほぼハサードのみ残しているのが印象的だった。また青少年向きの小説ではあったけれど「1945,鉄原」と続編の「あの夏のソウル」を読んだこともあり、機会があれば行ってみたいと思っていた。

さてソウルから鉄原(チョロン)に向かうルートは議場府(ウィジョンブ)から真北に抜けるのが合理的に思えるが、Amazonプライムでたまたま映画「坡州(パジュ)」を見ていたせいかなんとなくそっちの1号線、北北西のルートを取ることにした。だいたい120㎞といったところか。

ビンゴホステルを出る前。これが全荷物


鍾路2丁目から光化門を通って社稷(サジク)トンネルを通ったとき、ああこれは梨大裏門のバス停に向かうルートだったなと延大の語学堂に通っていたときのことを思い出す。
さて、チョロンまでは例のごとく暑いのだけれど坡州、漣川(ヨンチョン)とできるだけ38度線に近いルートを経てなんとか辿り着くも補修工事のため幕がかかっていた。見ることができない。バイクを下りて足を引きずりながらたどり着いてのことだから大ショックだった。でもこれはまた来いというサインと受け取ることにした。

鉄原(チョロン)歴史文化公園の表示
労働党舎。この幕の後ろで補修工事。
労働党舎 右の写真の姿を期待していた。


その周りは観光資源として鉄原の街並みを再現していたが、それは日本の植民地時代の商店が並ぶもので、歴史を振り返ると朝鮮戦争で徹底的に破壊される街を復元しようとすれば、まさにそれだったのかと思うと複雑な気持ちになる。

かつての栄えた鉄原の街の再現

しかし、暑い。小さなコンビニしか入るところはなく、その中でヌガバーとチルソンサイダーで暑さを凌ぐ。

チルソン(七星)サイダーとヌカバーアイスキャンデー

※暑さで休むときはコンビニでヌガバーかババムバーのどちらかを買っていましたが、トウモロコシアイスにもはまりました。

さてソウルの夜の食事をご一緒した友人に今日の旅の大まかな計画を話していたら、最近東海岸の江陵(カンヌン)か束草に行こうとしたらトンネルであっという間に着いてしまった。昔はそこに向かうには雪岳山(ソラクサン)を抜ける대관령(大関嶺テグァンリョン),미시령(彌時嶺ミシリョン)という2つのルートがあってカーブした峠道を進んだものだと聞いた。そういえば、30年以上前に友人のKと私もバスでそんな感じで東海岸向かったことがあるのを思い出した。今回はミシリョンを選ぶことにした。

チョロンからも軍事境界線に近いルートを取ったせいか、道路は走りやすいが人の手が入っていない山の中をひたすら走るという感じで、目立つのは「なになに部隊」という案内だ。途中で民間人統制区域があり、検問でパスポートのチェック、目的、行き先などを確認された。実際に人がいる検問所とそうでないものが結構あり、緊張感は感じられた。
紙を渡されそこには注意書きとともに次の検問まで30分以内に到着しなければいけないとされ、次の検問でその用紙の提出を求められる。写真撮影はもちろん禁止なので撮っていない。
山と間の街を抜けながら七星展望台を超えると急に食堂が多い通りに出て、そこで遅めの昼食をとる。なぜかヘジャンク。

しばらくトンネルや小さなカーブが続き「平和のダム」という超巨大なダムの上を通るルートに出た。巨大な構造物は目を引く。しかし発電所があるようには見受けられない。平和のダムは後で調べるといわくつきのダムだったとわかる。

こんな山道をひたすら走る
川や貯水池に出会う
こういう景色が個人的に大好き
平和のダム
平和のダム
平和のダム
平和のダムの反対側

さて、またいくつかの山とカーブを抜けて雪岳山のミシリョンルート(旧道)へ。

楽しい山越え

この道は本当に楽しいルートだった。しかし、高度を上げていくと急に霧に包まれ視界があっという間に閉ざされた。目的の一つだった蔚山(ウルサン)バウィ(巨大な岩が連なっている)も霧でほとんど見ることができなかった。

途中で休憩 ババンバー
彌矢嶺峠ミシリョン 親切な人が撮ってくれた


ミシリョン霧がかかる
ウルサンバウぃも霧で見えない
霧と雲

さて束草(ソクチョ)におりたところでリクエストをしていたairbnbは返事がなく途方に暮れる。6時半を回ったところでこちらからキャンセルをした。
ガソリンを入れた注油所(チュユソ ガソリンスタンドの表記)でnaver地図でためしに「モーテル」と検索すると山のようにでてきた。

ベッドのアイコンがモーテル

ちょっと簡単すぎて拍子抜け。そこから2分のその名も「束草モーテル」という覚えやすいところに向かう。6万ウォンで良い施設。ありがたい。
もうこれからの宿はモーテルにすると決めた。

ソクチョモーテル 快適
ソクチョモーテル
ソクチョモーテル
ソクチョモーテル チェックイン直後

さて、シャワーを浴びて地図で調べた薬局に出かけるも閉まっている。
夕食は近くの小さな店でペッパン(白飯定食)。身体がつかれているせいか濃い食事をとりたくなかったが、おかずも多く、汁はコンナムルク(豆もやしのスープ)で美味しくいただいた。

白飯(ペッパン)定食

痛風は右足の親指の付け根と関節部分が腫れていて、シフトアップのときにもろに当たる。激痛なんてレベルじゃない、それ以上。息を止めて「グワッ」と悲鳴にならないような声をヘルメット内で叫んでいた。発進はセカンドからになったし、時には4速からしていた。歩くのも気合を入れなければ進めない。これはかなりつらい。でも考えようによっては激痛のために眠気を常に吹き飛ばしていたとも言えるか。
ともあれ明日の15日は光復節でお休みの店が多いが、鎮痛剤を買いに行かなきゃ。

朝食 昨日の朝桃直売所で買った大きな桃1つ。
昼食 ヘジャンク 1,018円
夕食 白飯(ペッパン)定食 1,583円
宿所 束草(ソクチョ)モーテル 6,784円

走行軌跡


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