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都会のムシムシ、山のムシムシ

故郷は標高1600mにある。山の中の湿気を嗅ぎながら育った。葉っぱや枝、土から漂う「湿気の匂い」は、記憶にしっかりと刻まれている。山のムシムシ。

雨あがりの秋の、乾ききらない時間の匂いとか👇

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枯れることのない滝の周りの水の匂いとか👇

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記憶にも、鼻にも、体にも自然に入り込んで染み付いている山のムシムシ。なので、山から他の場所で暮らすようになったら、都会のムシムシがすごく気になって、今にいたる。

山育ちの私にとっての三大憧れアイテム

①常夏もしくは暑い

②特有の湿気(とその匂い)

③人気飲食店の周辺に漂う油が酸化した匂い。それも深夜から早朝にかけてのやつ

都会のムシムシに不慣れなので、この匂い悪くない、嫌いじゃないなあと好意的に思っていた匂いが、実は光化学スモッグだった。山育ちには初めての匂いだったことは、いまでも忘れない衝撃。とはいえいまでも嫌いではない。

香港に住んでいたころ、都会のムシムシに囲まれ、ときには湿度100%になって、床が湿気でペタペタ。ときには光化学スモッグ警報が出て、あの匂いが漂って霞んでモヤモヤ。香港は、都会ムシムシ+海ムシムシで、南国風情。山育ちの私の憧れが揃っていたから、長く住みたいなあと思った場所である。

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たまらないこの深夜の路上の匂い♡ 油と湿気と生活臭。暑い地域で暮らすことに憧れるんだけど、きっと乾燥してて清々しい地域に行ったらそっちも最高とか言ってるんだろう私は。

香港に住んでいたとき。雲が移動してきて、住んでたマンションをすっぽり隠すときがある。👇雲がこっちに来た来た〜、の画像

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そして雲に包まれる。しばし雲の中。

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そして床がペタペタに湿る。除湿機はフル稼働。くせっ毛ならもうわけもなくクリクリの髪の毛になる湿度100%。ミストとかおしゃれなもんじゃない。大気のチリも窓につき、湿った床を拭けばチリがとれる。

こういう湿気に長いこと接していると、体にはよくないこともわかる。実感した。中醫(東洋医学の医者)からは、「去濕・除濕」「外濕」と「內濕」のコントロールとして、適度な運動、よい睡眠、温かいものを飲食する、洗髪したらよく乾かす、ちゃんと乾いた服を着る、を言われた。よく乾いた服、そうそう、湿気の高い地域では洗濯物がパリッと乾かない。

とはいえ、総合的にみても、山育ちの私の三大憧れアイテムが揃った香港は大好きな場所だった。

ムシムシだけで言えばね、ってことで。熱帯特有の小強(G)や蚊などそういうのは好きではないけど。

さて、今朝の都会のムシムシ

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秋になったとはいえ、今年はまだムス東京。近所のスカイツリーも雲の中。今朝もいいムシムシ加減で、早朝の涼しい風が湿っぽい。

一方、少し前の山のムシムシ

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台湾の阿里山エリア。祝山觀日鐵道に乗って、ご来光をと思ったのだが、やはり夏の山はこの通り、ムシムシのモヤモヤ👇

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取材とはいえ都合よくご来光を撮影できるわけでなく、仕方ない。カメラマンさんにはご足労だったが、私は、異国の山のムシムシに包まれて待つ時間もそれなりに楽しかったのだ。

しばらくは家の近所の、もうちょっとしたら日本国内の、そしていずれはいろんな地域のムシムシをまた味わいたいものよ。



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