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文部科学大臣杯第5回世界将棋AI電竜戦本戦 HoneyWaffle自戦記

初日(予選)

2回戦のいろは with MysteriousBook戦は、表裏ともにいい将棋だったと思います。


6回戦まで終わってまさかの暫定4位、予選の最終7回戦の相手は、翌日優勝する氷彗でした。電竜戦の予選はスイス式という点では選手権と似ていますが、カツ丼理事長の趣向により近い順位の直接対決が多くなっており、最後まで誰が10位以内に勝ち残るか全くわかりませんでした。

最終日(決勝リーグ)

あまり有効な実況ポストができず

勝敗・戦型

  • 予選リーグ(7回表裏)

    • 8勝5敗1千日手(先)

      • 先手番:4勝2敗1千日手

        • 三間飛車:1勝2敗1千日手

        • 中飛車:3勝

        • 三間飛車の2敗は決勝リーグ進出のポン太(略)と氷彗なので、単純に中飛車>三間飛車ということではないと思っています。

      • 後手番:4勝3敗

        • 四間飛車:3勝2敗

        • ダイレクト向かい飛車:1勝1敗

      • 先後の勝率差がほとんどない。

  • 決勝リーグ(9回表裏)

    • 4勝11敗3千日手(先)

      • 先手番:1勝5敗3千日手

        • 三間飛車:1勝1敗2千日手

          • 三間飛車の2千日手は似た手順。定跡で千日手にしてしまっていました。定跡に入っているということは打開が難しい…?

        • 中飛車:4敗

          • 勝又先生の解説にもありましたが、銀対抗になってからの居飛車穴熊、というパターンにとても弱かったです。

        • 向かい飛車:1千日手

      • 後手番:3勝6敗

        • 四間飛車:1勝4敗

        • ダイレクト向かい飛車:1敗

        • 角交換四間飛車:1勝

        • 相振り飛車:1勝

          • ただし、駆け引きの末居飛車に戻して戦っています。

        • 振れず(居飛車):1敗

          • まさか決勝リーグの舞台で振れないとは正直がっかりしました。

        • 26歩34歩76歩の局面では、88角成と44歩の2通りで、確率的には50%になるはずが角交換系の将棋が少ないですね。

      • 後手番の方が勝率が高い。

感想

今大会は、我ながらよく決勝リーグに進出できたな、というのが正直な感想です。以前の予選リーグの戦いぶりだと、5戦目の二番絞り戦、6戦目の中富線56号戦あたりで競り負けていた印象です。2戦目のいろは with MysteriousBook戦を含め、ここの表裏連勝3つがかなり大きかったと思います。将棋の内容的にもいい勝ち方に見えますし。

決勝リーグでは、上位5チームには通用せずとポストしていますが、作り込んだ定跡の甘い部分を的確に突かれたというか、こちらが半分自滅してしまった印象がかなりあります。先手の定跡での2千日手も、おいおいという感じです。

今後について

優勝した氷彗さんのポストを引用させてもらいます。

LayerStacksの項目で、玉の位置(何段目にいるか)によってネットワークを切り替える構造にしている、というのがとても興味深いです。氷彗さんはそれにより入玉関連を強化しているようですが、飛車の位置(何列目にいるか)で振り飛車の時の評価値を不当に低くしないような仕組みに使えないかなとか思いました。まあでも依然として機械学習を自前でやっていくには知識と技術が足りなすぎなので、吸収するには相当苦労しそうです。

まだハードウェア統一戦のアナウンスはされていませんが、開催されれば参加できるはずなので、それに向けて最低限、今回の対局で出た変な定跡は修正が必要です。

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