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末節骨背側骨端線離開のパターンと整復

さてさて、今日は質問いただいた内容からの記事です。

母指でも拇趾でも、屈曲が強制されて起こる末節骨の骨端線の離開(背側が開かれるタイプ)の骨折は意外と多いですよね。

見逃される例も多いですが、その多くが見逃されてもそれほど大きな機能障害を残すことはありません。

ただ、それは教科書的な、というか整形外科医的な発想であって、実際は見逃されて困っている患者さんは多いです。

  • 疼痛が残る

  • 伸展が入りづらくなる

  • 発赤が残る

指先って超敏感ですよね。

ちょっと包丁で切っただけでも超痛い。骨折して痛みが残れば最悪ですね。

骨端線ということは子供ですよね。自分の子が怪我してから「なんか走ると痛いんだよね」と言ってると想像したら吐き気がします。

手指でも足趾でも、伸展が甘く治るとこれもまた困ります。再受傷のリスクが上がります。

試しにキネシオなどで拇指に伸展制限のテープを貼って過ごしてみてください。わかると思います。

なのでしっかりと整復固定しなければいけないのですが、微妙な骨折ほど整復は難しいものです。

今回取り上げている骨折がどういったものなのか、提示しましょう。

どーん、はい、こんなやつです。縦長の画像で失礼します。

私はだいたい、この手の骨折は2パターンあると思っています。

これが一般的な考え方の屈曲強制による骨端線離開(2型)です。

しかし、私は臨床をやっていてある時に掌側に皮質のひずみがあることに気づきまして、師匠に聞いたら、「そんなの当たり前だよ」と言われちゃいました。

それがこの説です。

この掌側が潰される説は非常に大切な考えだと思います。

私の肌感だと50%くらいで、エコーで掌側に皮質のひずみを認めます。(暇な人誰か論文にしてくだぱい。それとももうあるのかな。調べろよ。←)

それによって、整復が変わるんですよね。

掌側を引き出しておいてから背側を圧着するのか、ただ単に背側を圧着すればいいのか。

まぁほんとに微妙な世界なんで、掌側を考えても考えなくてもいい気もするんですけど、やっぱり違うんですよね。

違うというのは、掌側が押しつぶされている症例で掌側を引き出さずに背側だけ圧着しにいくと、背側の寄りが甘くなるということです。

レントゲンじゃわからないです。エコーでよくわかる。

てことで整復についても解説しておきましょう。

これって、背側にいくら軸圧を加えても限界があるんです。

そして、原則は受傷の逆に整復することですよね。

骨折線は、背側から掌側に向かって順に開いていっているわけですから、整復は掌側から順に閉じていってあげなければいけません。

そこで、関節面の丸みを利用するんです。

末節骨を背側にシフトしておいて、中足骨頭に押し付けるようにして軸圧を加えて掌側から順に背側を閉じてあげます。

最初の掌側の牽引は掌側が潰れていなければ、する必要はありません。

今回はだいぶマニアックな記事でしたが、お楽しみいただけたでしょうか。わからなければ質問くださいね。

 


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外傷柔整師ほねゆきのnote
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