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整復時の骨端線の突っ掛かり

まだまだ暑い夏が続いておりますが、皆様はお元気でしょうか。

夏風邪も流行っているみたいなので睡眠不足にはお気をつけ下さい。

よく、クーラーを効かせて寝ると風邪をひくと言いますが、夏場の冷房に関してはあまり関係ないでしょう。

ちょうど体力が落ちていただけという説が今は有力なようです。

対して冬場のエアコンによる暖房は湿度をガンガン下げるので、これは良くないようです。

ケガベヤで勉強して患者さんに提供し、電気代くらいちゃちゃっと稼いで、ちゃんと涼しくして安眠しましょう。

さて、今日は骨端線の整復時のコツと言いますか、骨端線の性質について話したいと思います。

私は残念ながら生きた骨端線を直で触ったことはありません。

膝の関節軟骨はオペ中に手袋越しで触ったことはありますが、まぁ骨端線も質感は同じ感じだと思ってます。

ご献体も小児はなかなかないので、骨端線の折れた断端を直接触ったことがある人はあまりいないと思います。

整形外科の先生も小児の骨端線離開でオープンにすることは少ないでしょうし、開けたとしてもわざわざ手で触るかというと触らないですからね。

しかし、徒手整復においてはその感覚は得ておかなければいけません。

綺麗に骨端線で滑って折れているようなタイプの骨折は整復が決まらないことが多いです。

私は今はそんなことありませんが、勤務時代に先輩がやってみて失敗した?症例は数え切れないと思います。

しかし、小児なので整復が7割しかできていなくても、治った風にはなっちゃうんですね。

親も子供の可動域なんか気にしないです。

そりゃあ、見て曲がってたり明らかに動きがおかしければ言ってきますが、ちょっとの可動域制限や変形は分からないのです。

でも、子供ですからね。

骨幹部ならまだしも、骨端などは直矯矯正が効きにくいです。

自家矯正って医療者が都合のいいように使うんですけど、要はリモデリングですからね。

時間がかかるし、年齢制限があります。

自家矯正が終わる前までのその子の人生はフル無視ですか?

自家矯正が完全に効かなかったら、その子の人生は終わりですか?人生やり直せるでしょうか?

私は「患者の人生を見る」なんていう綺麗事は嫌いですが、患部への責任は持たないといけませんね。

「骨折して自分が治したのに、またすぐ骨折しました」という話を聞いたら、最初の骨折治療がうまくいかなかったと考えるのが妥当ですが、私はそういう状態に患部を作り上げたくないです。

しかし、臨床をやっていると、〇〇整形外科で治療していたとか、〇〇整骨院で治療していたとか、そういう子はよく見ます。

変形治癒後に骨折したら、変形治癒の状態までにしか治せないですからね。

というわけで話が長くなってしまいましたが、骨端線離開の整復時に気をつけなければいけないことがあります。

それは、骨端線どうしの「突っ掛かり」です。

転載禁止

症例を持ってきましたが、結論から言うと、骨端線どうしはあまり滑らないんです。

どうしても関節軟骨表面みたいな感じをイメージするとツルツル滑りそうなんですが、そうじゃない。

だからしっかり一度骨端線どうしを理解させてから載せてこないといけないっていう話です。

これはどの骨端線も同じです。

橈骨遠位端に限った話ではありません。

この突っ掛かりを知らないと、整復でどんなに整復方向に骨片を持っていっても、完全には整復されません。

完全に整復されなければ、変形治癒となります。

骨端線どうしの接触による突っ掛かりは、例えるならば、使い古しのモップで古い校舎の教室の木の床を磨く時みたいな、そんな感じです。

伝わった方は是非コメントください。笑

では、今日はここで。

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織方義之(柔道整復師)
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