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橈骨遠位端骨折の固定変更手順
さて、アンケートではやはり橈骨遠位端骨折についてのリクエストが多くありました。
私も橈骨遠位端骨折については超詳しく解説した記事を3つ書きました。
実は当初の計画では、転位理論編、転位観察編、整復編、固定編と4部作を予定していたんです。
しかし、整復編を作るときの労力が半端ではなく、整復編を書き終えて力尽きてしまいました。笑
そして「もう、わからないことあったら聞いてもらう方が早いな…」と思ったので、今に至ります。
皆さんが何をどこまで知っているのかが私もわからないので、これが最良の形かなと思っています。
というわけで、「こんなこと聞いていいのかな...」という人は殻を破ってくださいね!
今日は橈骨遠位端骨折の固定変更についてです。
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私はこんな流れで固定変更することが多いですね。
もちろん症例によりますが、私は巻き替えがめんどをしたくないので肢位をこまめに変えたりはしていません。
理想を言えば、背側タイプであれば骨片が安定してくるに従ってギプスも背屈位に起こしていければいいんでしょうが、まぁ大変ですよね。
だから、私は使い回します。
今、固定学総論のコンテンツも作っている(構想段階)ので、その時にまた系統立てて理解して欲しいのですが、橈骨遠位端骨折でよくある質問として「上腕から止めた方がいいですか。前腕からでいいですか。」というもの。
細かくいうと前腕からでいいとか、上腕からの方がいいとかあると思うんですが、その悩みを言っている時点で私は「上腕から巻きなさい」と即答します。
なぜかって、固定は範囲が広ければ広いほどいいからです。
前腕で固定して骨片がずれるくらいなら、上腕から巻いといた方がいいでしょ?
大は小を兼ねるわけですね。
手間は掛かればかかるほどいいんです。(いいはずなんです。)
それで、今回の絵に描いたギプスの話なんですが、初診時の整復固定後①の状態から、②の上腕ギプスシャーレに変更するタイミングは1〜2週の間です。
正直、上腕から固定しているというのには変わりがないので、①と②で固定の意味合いが大きく変わることはありません。
①から②に変更しても肘の屈伸ができるわけでもないし、前腕の回内外を許すわけでもありません。
では、なんのために②の状態に変更するのか。
その意味は大きく3つあります。
衛生管理
再整復
フィット感アップ
まず衛生管理の観点ですが、非常に大事です。
単純に考えてみてください。
もしあなたが「1ヶ月間同じスパッツを履いていてください」と言われたら、どうでしょうか。
嫌ですよね。笑
実際の臨床では、こういう患者の息抜きポイントを作ってあげるのが非常に重要です。
治療する上で、目に見える変化やサービスというのは、患者心理を考えても大事なんですね。
「自分のために一生懸命やってくれてる」とか、「着実に良くなっていっている」という実感がなければ、どんなに良い治療を受けていても患者は分からないんです。
だから、「整形外科ではこんなこまめに拭いてくれたりしません」といった話を交えつつ、皮膚を観察しながら患部を動揺させず、1〜2週の間に一度固定を全て外して清拭するのです。
衛生管理が酷いところだと、足のギプスを巻いて固定をそのまんまにするもんだから、汗で角質がふやけて疼痛やカビを生やすことなんてザラにあります。
こういった細かな処置も含めて柔整師の保存療法で、これは整形外科ではなし得ません。
次に再整復です。
固定を変える理由として再整復するからというのがありますが、ギプスを外さないと骨片を動かせませんので、これはそういう都合です。
最後にフィット感アップですが、これはシリンダーギプスだと腫れが引いて中に隙間が生まれるので、シャーレにして包帯で抑えることによってその隙間をなくそうねという発想です。
2週あたりで②に、4週あたりで③に形態変化させることが多いです。
皆さんはどうされてますか?
質問あればくださいね!
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