アキレス腱断裂のレントゲン画像の読影
さて、前回の記事の答えを発表いたします。
(最後に更なる問題も用意しましたので、ぜひご回答ください!)
前回の記事↓
オープンチャットでも、個人LINEでも、多くの回答をいただきまして嬉しいです。
皆さんの読影一覧です↓
今の人は、なかなかアキレス腱をレントゲンで見る機会はないでしょうから、だいぶ無理な問題だったかと思いますが、皆さんの推理力が試されましたね。
私は何か問題を出された時に大事なのは、「メタ推理」だと思います。
これは特に「知らない領域」の問題を解くときに非常に大事になります。
今回のケースで言うと、画像を見て見えるものだけから考えるのではなく、その他の情報も併せて推理したほうがいいのではないかという考えを持つということです。
見たことがない画像といくら睨めっこしても、なかなか答えは降ってきません。
画像以外に私が出したヒントは以下の事項です。
アキレス腱断裂のレントゲンだということ
低電圧撮影(軟部組織撮影)をしているということ
この情報を聞いたときに、仮に私がアキレス腱断裂のレントゲン画像を見たことがない状況であれば、画像を見る前に以下のことを行い、情報を整理します。
アキレス腱周囲の解剖図を見る
低電圧撮影(レントゲン撮影)で筋や腱がどのように写るか調べる
アキレス腱断裂の好発部位を調べる
アキレス腱断裂の断裂様式を調べる
ざっとこのくらいは調べ直します。
他にも、「アキレス腱断裂って言ってるし、骨格がしっかりしているから成人だな」とか、「ほねゆきが出してくるくらいだからど真ん中の症例か、あえてイレギュラーな症例か?」などと考えるわけです。
これらを考えずにホイホイと最初から画像に線を引いてみるようなことをした人は、私の思うツボなので、ちょっとだけ反省してくださいね。笑
オープンチャットの中には「過去にほねゆきが出していたエコー画像を参考にしました!」という方もおられたので、私は「そうそう、そういうことだ」と心の中で感心しました。
情報はどんどん繋げていきましょう。
そのくらいはGoogleでパッと調べたり、チャットGPTにパッと聞いて終えばいいのです。
そして、いざ画像を見てみます。
ここまでくれば、どこにアキレス腱が写っているかくらいは検討が付くようになりましたね。
皆さんの回答をもう一度見てみますが、左から1番目と3番目の方は、アキレス腱断裂のレントゲンを全く見たことがなくても推測できる情報を取りこぼしているので、もっとメタ推理力がつくと臨床レベルも上がっていくと思います。
ただ、正解不正解関係なく、50人ほどの参加者がいる中で画像を共有したのは数人で、それだけでも、その行動力は賞賛されるべきです。ありがとうございます。
では、実際の回答を載せますね。
その他の検査でも確認していますが、こんな感じで間違いありません。
今回は私は「画像を見てどう見えるか」というより、「何か問いがあったときにどう考えるか」をお伝えしたかったのです。
さて、ここで更なる問題です。
問.「これはアキレス腱断裂ですか?」
ぜひ、皆さんオープンチャットでも個別ラインでも、あなたの答えをお聞かせください!!!
サポートいただければ、ほねゆきが妻にお花を買って渡します!