【シン・柔道整復学 奏論】講義1.ヒトの始まりは宇宙の始まり
※この記事の文章は話した内容の書き起こしです。文字から情報を得たいという人向けに用意しましたので必要であればご覧ください。
生物学は、数学的に記述可能な不変物質を扱う物理学や化学とはまったく異なるんです。
生体系ももちろん化学や物理の法則に従うけれど、現存の生物世界の姿や構造は数十億年にわたる進化の結果だということを理解してください。
最初は地球上にバクテリアみたいな1個の細胞の生き物がいて、集まったりとか、くっついたりとか、ミトコンドリアみたいなのを取り込んだ理とか、なんだかんだあって魚みたいなのが生まれて、それが陸に上がって、なんだかんだでほねゆきが生まれると。
だから、生物学は歴史的背景を持つ科学なんですね。
でも地球ができる前には、宇宙ができたりとか、そういう話があるはずです。
ヒトが何からできているかって、細胞からできているんだけど、細胞は細胞小器官からできていて、それらは分子のつながりで構造をとっており、分子は原子からなっていると。
そんなことまで研究したひとが人類にはいたもんだから、我々は怪我の治療の可能性を模索できるわけです。
というわけで、柔道整復学の一環としてまずは宇宙から考えてみましょう。
今回のシリーズを「柔道整復学奏論」としたのは、なんかこう、柔整師にこういった基礎的な知識を音楽を奏でるように感じてもらって、決して臨床という雑音から全く切り離されたものではないんだよということを知ってもらいたいからです。
嘘です。総論とかけただけです。では、やっていきましょうね。
1.全てはビックバンから
さて、生物を理解するためには、まず生物の小さな部分を調べることから始める必要があります。
生物個体は相互作用する細胞群であり、細胞は存在しうる自律的な生物基本単位に最も近いものと考えることができます。したがって、まずは細胞レベルで生物を説明することが大事で、義務教育にも生物の授業があるんです。
そして、すべての細胞は同じ分子構築単位を使い、遺伝情報の貯蔵、維持、発現に同じ方法を使い、エネルギー代謝、分子輸送、シグナル伝達、分化、構造形成に似た過程を使っているんです。
それらの難しい単語は別に説明しますから安心してください。
それら分子は原子という粒から構成されています。
分子とは、2つ以上の原子が化学的に結合したものを指します。これらの原子は同じ種類のものであることも、異なる種類のものであることもあります。
例えば、酸素分子(O2)は2つの酸素原子からなり、水分子(H2O)は2つの水素原子と1つの酸素原子からなります。
安心してください、難しい話はしません。原子の発見についての歴史は実は面白いんです。
紀元前5世紀、古代ギリシャの哲学者デモクリトスは「アトモス」と呼ばれる最小の単位が存在するという理論を提唱しました。彼は、これらの「アトモス」は分割できないと主張しました。
もちろん、デモクリトスが「アトモス」を提唱した時代は、現代のような科学的証拠を提供する技術や手段がありませんでした。彼の理論は、主に哲学的な論理と直感に基づいていました。
彼は、物質を何度も分割していけば、いつか分割できない最小の単位に到達すると考えました。これは「アトモス」、つまり「不可分」を意味するギリシャ語から名付けられました。これは哲学的な考え方であり、直接的な実験的証拠に基づいたものではありませんでした。
それから約2000年後の19世紀に入ると、科学者たちは原子の存在を裏付ける実験的な証拠を見つけ始めました。
原子自体を直接観察する能力はその後さらに100年以上経ってから開発され、現在では画像でそれっぽいものを見ることができるのです。
この考え方は量子力学に基づいています。大丈夫です、難しく考えなくていいです。
ここでちょっと宇宙の話をしましょう。
宇宙の誕生はビッグバン理論によって説明されています。
約137億年前、宇宙の「プランク時代」と言いますが、宇宙は非常に高温・高密度の状態にありました。
高密度・高温状態というのは物質と光子と呼ばれるようなエネルギーがギュウギュウに詰まった状態のこと。
それが一点だったと。この一点というのは、原子の大きさなんかよりももっと小さい。「無限小」というんですが、数値で言うとほぼゼロみたいな、そんな点です。
それが急に爆発して膨張していくんです。これがビックバン。宇宙創造の話です。
なんで急に爆発したのかはもちろん、誰にもまだわかってないんですが、そのぎゅぎゅうに詰まっていた粒子が”ゆらぎ”を持っていたかららしいんです。
真空中では粒子が常にエネルギーゼロなわけじゃなくて、たまに”ゆらっ”とこう、エネルギー変動を起こすらしいんです。それがゆらぎ。不確定な変動のことです。
ハシビロコウが動物園で一日中ずーっと、ジーっっとしているんですけど、ほんとたまーに目だけがぎょろっと動くみたいな、そんなイメージです。実際はもっと変化が乏しくて頻度も少ないみたいなんですけどね。
そのちょっとした変化が、ちょっとした反応を呼び起こして、瞬間的な大爆発になったと。
数年前に北海道かどこかでスプレー缶を大量に使った後にタバコを吸おうとしてライターをカチッとしたら大爆発が起きたなんて事故がありましたが、日常で例えるとそんな感じですかね。
まぁ日常じゃないけどね。笑
そんなちょっとした不確定性が我々のお父さんなわけですね。その揺らぎがなければこの地球はなかったかもしれない。
話に戻りますが、この膨張によって宇宙が次は冷やされて、それでエネルギーの密度が低下していった。
膨張すると、その空間が広がりますよね。そうすると密度は下がって温度も下がると。
私が下宿していた時の最初の部屋は8畳一間で、そこに柔整師が4人いたんですが、そりゃもうぎゅうぎゅうですよ。
その代わり家賃なんかないようなもんなんですけどね。まぁ給料もないようなもんなんだけど。笑
そんなにぎゅうぎゅうだとやっぱり夏なんかめちゃくちゃ暑いんですよ。
でも、3ヶ月もすると根性がないやつは夜逃げして辞めていくんです。当時は夜中でも呼ばれたら外来に行ったり、きつかったですからね。
そうすると、どうでしょう。
同じ部屋のやつが2人辞めれば、部屋は一時的に4人だったのが2人に減るんですよ。
そしたら、これまで蒸し暑かったのがなぜか急に涼しく感じるんですね。笑
それとおんなじで、ビックバンで急にボーーんと空間が広がると、エネルギー密度が低下して、今度は急に温度が低下すると言うことです。
最初の高温状態が摂氏で言うと100億℃くらいで、それから現在に至るまで温度は下がり続けて、今は宇宙はマイナス270℃です。
最近の映画でゼログラビティとかマーズとかって言うのがありましたが、宇宙空間でヒトが急に投げ出されるとカチンコチンになる描写がありました確か。
それはマイナス270℃だからです。もし私が宇宙旅行に行ったらこう言いますね。
「宇宙は寒かった」と。
そしたら皆さんはこう突っ込んでください。
「いや、外出たんかい」と。
外に出るにしても宇宙服を着ますから、温度は保たれているはずですので、、、そんなわけはありません。
2.原子の誕生
さて本題に戻ります。
宇宙が冷却するにつれて、最初にクォークとグルーオンと呼ばれる素粒子が生まれたようです。
さらにどんどん冷やされていきます。
さらなる冷却により、これらの素粒子は結合し、陽子と中性子を形成しました。
流石に陽子とか中性子は聞いたことあるでしょ?中学の理科で出てきます。
陽子はプロトンとも呼ばれますが、これはプラスの電気を持ちます。
さっき言ったクォークの中にも6つくらい種類があって、そのうちの2種類から、2つのアップクォークと1つのダウンクォークがグルーオンによって結合されて陽子が形成されます。
グルーオンと言うのは、黄色くてオーバーオールを着てまして、ゴーグルをして、集団で…ってそれはミニオンですね笑
まぁそれが陽子です。
中性子というのは、プラスでもマイナスでもないので中性なんですが、これはですね、アップクォーク1つとダウンクォーク2つの組み合わせで構成されています。
体的には、1つのアップクォークと2つのダウンクォークがグルーオンによって結合されて中性子が形成されていると。
驚くべきことにですね、この陽子と中性子は、ビッグバンから約1秒後にはすでに存在していたと考えられていルそうです。
私はこの1秒の出来事を話すのに今、5分くらい使ったんですが、皆さんが興味を持ってもらえていたら、私の人生の5分はきちんと成仏されますので安心してください。
さて、約3分後、宇宙はさらに冷却し、核融合が始まります。
核融合は陽子と中性子が融合して重い「原子核」を形成するプロセスのことです。
この核融合によって、陽子と中性子が結合し、ヘリウム原子核が形成されました。
そのほかにもいっぱい生まれていますが、最初期は2つの陽子と2つの中性子からなるヘリウム原子核だったようです。
この時点では、まだ電子が原子核に結合することはありませんでした。
約38万年後、宇宙はさらに冷却していき、電子が原子核に結合し始めました。この時は2700℃くらい。
この時期を再結合時期と呼びます。
計算上はこの再結合時期の初期は水素とヘリウムがほとんどで他の元素はほとんどなく、水素:ヘリウムが7:3くらいだったと言われています。
今の宇宙を観測しても水素とヘリウムの割合は7:3くらいらしく、この説はほとんど合っているのだそう。宇宙の研究者はすごいね。
これが原子の始まりです。
例えば、電子と陽子が一つずつ結合したら水素原子となります。
陽子、中性子、電子、これらが組み合わさって「原子」を作ります。原子というのは英語でアトム。
鉄腕アトムはここからきています。どうなってるのかは知りませんが、鉄腕アトムの動力はまさに核融合なんです。
宇宙空間も移動できまして、なんとマッハ20で移動します。北朝鮮から撃たれた弾道みさいるが落ちてくる時がちょうどマッハ20くらいです。早い。
そんなアトムも特技がありまして、これはWikipediaに載ってるんですが、なんと、お尻からマシンガンが出ます。お尻から…..お尻のどこかは聞かないでやってください。笑
さてさて、宇宙の始まりから、この世界を構成する原子の成り立ちまでざっくりと語ってきました。
その後も宇宙の冷却と進化は続き、ビックバンから約10億年後には最初の星が形成されました。
これらの星は、核融合反応によってさまざまな元素を生み出します。
星の内部で起こる核融合反応によって、ヘリウムから酸素、炭素、鉄などの重い元素が合成されました。
その星は死ぬ時がやってくるんですが、星で出来上がった重い元素は星が終焉を迎える際に宇宙に放出されました。
このように、宇宙の誕生から約10億年後には、原子が宇宙の至る所に存在していました。
これらの原子は、星、惑星、銀河、そして私たちの身の回りの物質を形成する基本的な要素となっています。宇宙の進化とともに、さまざまな物質が形成されてきたのです。
そして、結果的にほねゆきがTwitterを始めます。
これがほねゆきがTwitterを始めるまでの流れです。冗談です、はい。
2.原子が分子をつくる
さて、分子というのは原子が合わさったものを言います。
水分子といえば、水素原子と酸素原子が合わさったものです。漢字で見てもなんだかわからないですね。
この地球上には色々な言語がありますが、あの手話でさえ方言があるそうです。
そうなると全世界の共通言語は数学か元素記号かみたいな話になります。そう、元素記号は全世界共通で使割れているのです。
元素記号とは、元素名の英語表記の最初の文字、または最初の1〜2文字から構成されるもので、アルファベットです。
水素原子の記号は"hydrogen"の「H」で、酸素原子の記号は"oxygen"の「O」です。それらが合わさって水分子は「H2O」となります。これは水素原子が2つ、酸素原子が1つ集まってできたということを表します。
それが分かれば、HとOでH2Oを作ることもできるし、H2OをHとOに分けることができます。
このほうがわかりやすいですよね。分子のなんとなくのイメージがついたでしょうか。
この原子どうしがどのように結合・離開するかというのも知る必要があります。
なぜかというと、この原子のくっついたり離れたりというのが、直接的に分子の構造に関わってまして、分子の構造が生体内での色々な反応を作るからです。
そのことについてはまた後で説明しますね。
原子の結合にはいくつかの様式があります。
共有結合: 2つの原子が1つ以上の電子を共有することによって結合します。共有される電子は両方の原子を共有するため、共有結合は原子同士を強く結びつけます。例えば、水素分子(H2)は2つの水素原子が共有結合を形成しています。
イオン結合): 陽イオンと陰イオンの間に電気的な引力によって結合が形成されます。陽イオンは電子を失い、陰イオンは電子を得ることによって電荷が生じます。このようにして逆の電荷を持つイオン同士が引き合い、結合します。例えば、ナトリウム(Na)と塩化水素(HCl)の結合はイオン結合です。
水素結合: 水素結合は特定の原子同士の間で生じる弱い結合です。一般的に水素結合は水素原子と酸素、窒素、フッ素などの電気陰性性の高い原子との間で形成されます。水素結合は共有結合やイオン結合よりも弱い結合ですが、生物学的な重要性が非常に高いです。
これらの結合様式によって、原子同士が化学的に結びつき、化合物や分子が形成されます。結合の種類や強さによって、物質の性質や反応が決まります。
……なんですが、とりあえずこれは覚えなくてもいいです。
まずは原子どうしが何かしらでまとまって分子が作られるというイメージをしましょう。
さて、1回目の講義はこのくらいにしておきましょうね。
最後に言いたいのは、ビックバンから柔道整復術は全部繋がっているということです。
我々は人の体を治すでしょう?
人の体は細胞でできていて、細胞はタンパク質とか水とか脂質とかでできている。それらは分子がいくつも繋がったもので、分子は原子のまとまったものです。
原子は粒子の揺らぎによって偶然出来上がったものです。
なので我々はビックバンに振り回されているわけなんです。笑
ヒトという生物がちょっとだけ見えてきましたか?
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