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閑散の中を生きた桜も散っていく。

桜の音ってなんだろうと考えながら、眺めていると聞こえてくるのは同時多発開催の小規模イベントから放たれる音楽と自宅監禁から脱獄した人々の喜びの悲鳴と歓声だった。

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桜の音が今や、人間の歓喜に包まれる。

かつて武士が詩の中で“新芽の祝福を嗜む”のを口実に誘ったのを思いだした。

自然との対話。

さて、花のない人生とは如何なものだろう。

花から放たれる生命の振動。華やかを受け入れられず色彩の麗しさを撮るための被写体としか見れない眼とカメラのレンズの違いはなんだろう。

閑散とした2020年の空気と共に育った芽が、今ここに咲いていて、それももうすでに散り始めている儚さと名残を僕は桜と対話していたのかもしれない。

今日そわそわしていたのはそういうことか。

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そうか。

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