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最高の美容院の見つけ方━━「かわいい」って言ってください

そこは、小さい頃から憧れ続けたファッションビルが目印の地下鉄の駅を抜けて、
宝石みたいなガラス張りのビルに前を通ったら
ハーブの香りを纏った香水屋さんでテンションを上げて、
オシャレな同世代に人気のタバコ屋さんを見上げた5階━━

私にとって、そこは「誰かに伝えたくなるサロン」でした。


私は美容院が好きです。
美容院に行く日は、どんなに高いヒールのパンプスを履いていても、足取りが軽くなります。

大好きな漫画『ご近所物語』の主人公は、自分を励ますためにファッションの力を借りていました。
私にも、ファッションの魔法はかかるでしょうか。

誰よりも美容の力を信じて、いつも私の髪の毛をかわいくしてくれる美容師さん。
施術中のでたらめな人生相談も、笑顔で聞いてくれます。

そんな美容院が、私は大好きです。

最高の美容院の見つけ方


「誰かに伝えたくなる」美容院の大好きポイントを考えてみました。

1. 「かわいい」って言ってくれる美容院

もう、これだけを求めて美容院に行っていると言っても過言ではありません。
気持ちが沈みがちなとき、美容師さんに、はにかんだ笑顔で「かわいいです」と言ってもらえると、どんなにテンションが上がるか

まるでシンデレラの魔法使いです。
「ビビディ・バビディ・ブー」の呪文の代わりに「かわいい」の魔法をかけて、理想の髪色とヘアセットをしてくれます。そして、「かわいい」の言葉の魔法は、ずっと心に残って、ガラスの靴のように背筋を伸ばしてくれるんです。

この美容師さんには多分、両親よりも「かわいい」って言ってもらってます。おばあちゃんとおじいちゃんにはギリギリで負けますが、この「かわいい」の一言から受け取った自己肯定感で、今日もロンドンを生き抜いてます。

2. 原宿の裏通りにある美容院

なぜなら、オシャレだからです。

仕事帰りに、原宿の裏通りを歩いて美容院に向かう━━オシャレです
「どこの美容院に通っていますか?」と聞かれ、「原宿の裏通りで」と答える━━オシャレです
美容院で軽く巻いてもらった髪の毛が、原宿の風に揺れる━━超オシャレです!

こんなにも自分がオシャレになったと感じられる体験は、他にありません。
私はこれからも、原宿の美容院に通い続けます。

3. 怒られない美容院

怒られるのが怖いです。
この恐怖を克服するために頑張っていますが、今のところ「怒られるくらいなら、ライオンに噛まれた方がマシ」と思っています。

カラーやパーマを繰り返して、髪の履歴が複雑になってくると、美容師さんに時々怒られます。

「あ〜、このカラーね。これブリーチ必要だよ。なんで予約の時に言わなかったの」

こんな感じです。

髪の毛に計画性がない私が悪いのですが、怒られる度に心の中のライオンに噛まれて、悲しい気分をやり過ごします。

担当の美容師さんと初めて会ったとき、私は「浜崎あゆみさんみたいな金髪にしたいけど、会社の人に怒られたくない」という難しいオーダーをしました。
社会だと確実に怒られそうな、具体性を欠いた依頼でしたが、結果は、プラチナのように輝く、でも派手すぎないハイトーン仕上げ。

もちろん次の日には、あゆの曲を聞きながらスキップして会社に行きました。

こんな風に、できることを一緒に考えてくれる美容師さんが最高です。

最後に

今は肩くらいの長さの髪だけど、日本に帰る頃にはもっと伸びているはず。

「次はどんな髪色にしよう」
また、宝石みたいなビルの前を通って、ハーブの香りを纏いながら、あの美容院の扉を開ける日を、ロンドンから夢見ています。


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