ドイツで手術した話②〜検査編〜
卵巣嚢腫摘出は、腹腔鏡手術
いざ、ドイツで手術すると決めたワタクシ。
卵巣嚢腫の摘出は、腹腔鏡手術で行います。
★腹腔鏡とは
https://en.wikipedia.org/wiki/Laparoscopy
英語でラパロスコピー!なんかの呪文みたいですな。
要は、お腹を切らずにガスで膨らませて、内視鏡(カメラ)と鉗子をぶっ刺して、モニターを見ながら行う手術。
開腹手術と比べて傷も小さいので、痛みが少なく回復が早いのがメリット。
後から知ったけど、腹腔鏡の発祥はドイツ!
卵巣嚢腫摘出は婦人科ではとてもポピュラーな手術のひとつだから、心配しなくて大丈夫!
・・・って、家族も友達も励ましてくれる (´;Д;`)
頭ではわかってるけど、初手術、初全身麻酔の私は怖さで常に半泣きな日々を過ごしておりました。
どれくらい不安だったかと言うと、不安すぎて心屋仁之助のポッドキャスト聞いて、日々呪文のように「大丈夫…大丈夫…」と唱えるレベル(心屋仁之助のすべてがうまく行く魔法ワードが「大丈夫」)。
ちょっとやばい人だったよね( ´ ▽ ` )。でも言霊の力というか、言ってると本当に大丈夫な気がしてくるから不思議。
誕生日、ドイツ式サウナの洗礼
検査日を迎える前の週末に、37歳の誕生日を迎えました。
初めて一緒に過ごす誕生日ということで、はずばん(夫)が張り切り、湖畔のスパホテルを予約してくれました。
手術したらしばらくプールは無理だし、不安は家に置いて、楽しむのみ!!
そこで初めての、ドイツ式サウナを体験。
何がドイツ式かというと、男女混浴!!!
サウナなので、もちろん全裸。ララランド。
ドイツの温泉が混浴というのは聞いていた(そして避けていた)けれど、サウナなんて、密室で逃げ場がない。
裸〈ラ〉と裸〈ラ〉の真剣勝負。
己の裸〈ラ〉と他人の裸〈ラ〉を見つめ、見つめられる苦行、いや修行。
しかし、2日間のサウナ修行により、私は生まれ変わったのであります。
もう、隠すものなど、何もない。
(強風で日本海のように荒れる湖と、生まれ変わった私)
手術前検査、ひたすら待つ
2月27日、10時半に病院へ。
受付をすませると、そこから長い長い待ち時間との戦い。
元々、検査は長いからねと言われていたので、はずばん(夫)は漫画を持参。「聲の形」の英語版を読みながら待合室で涙をこらえてました(笑)
その横でスマホの電波が悪くてイライラが止まらない私。
くぅ…私は検査をはしごすると思っていたのに、こんなにひたすら待つなんて…せめて電波をくれーーーー!!!!!
いざ、検査ですよ
待合室で待ちつつ、呼ばれるのをひたすら待つ。
自分以外に3組しかいないのになぜこんなに待つのか…
待合室にすし詰め状態よりは、いいか。
・尿検査
受付で採尿カップと自分の名前がプリントされたシールを受け取って、お手洗いでカップを提出ボックスへ
・採血
優しそうなベテラン風看護師さんがやってきた。付いてこようとするはずばん(夫)に、「大丈夫よ」と微笑むと、私を連れて検査室へ。
英語が全くできない看護師さんだったけど、普通になんとかなるものですな。本人確認で誕生日を言うにあたって、ドイツ語で頑張る私。
看護師さん「英語で20って何だっけ?トゥエン…ティ?あはは〜」とか言ってる間に採血終了。か、か、かわいい・・・!!!
・内診/エコー
若い看護師さんに呼ばれてパッカーン椅子のある診察室へ。
勝手に看護師さんだと思っていたら、お医者さんだったー!!!
ドイツの病院が全てそうなのかは知りませんが、看護師さんもお医者さんも同じ服…!(白いスクラブに白いパンツ)まぎらわしいー!!
名札の「Ärztin(医師/女性)」を確認するまではわかりませんでした。。。(ちなみに男性医師は「Arzt」)しかも日本だと呼びに来るのが看護師さんなイメージなので余計にね。
これまた付いてこようとしたはずばん(夫)に、「内診なので旦那さんは外で」と。幸い、先生は英語堪能!ほっ…
もはやほぼ丸見えの更衣スペースも、カーテンのないパッカーン椅子ももう慣れたもの。
私はもう、サウナ修行で隠すものなど何も無いのだよ。
しかも今日の相手は若い女子。
さあ来たまえ超音波!パッカーン!
エコーで卵巣嚢腫の位置を確認しながら、いろんな角度から嚢腫の写真をプリントしまくる先生。「ちょっと、もう一人同僚にチェックしてもらうから待ってて」と誰かに電話。
「どーもー!別の医者でーす!」と陽気に現れたのはアラフォーくらいの女医さん。なるほど、この子は研修医だったのですな。
研修医ちゃんがドイツ語でもにょもにょ言い、ドイツ語でもにょもにょ返す女医。ある意味超音波検査をがっつり2回やって、「あなた日本から来たのー?息子がねー、アニメが好きでよく見てるのー!何言ってるかわからないんだけどねー日本語なのはわかるのー!アリガトーバイバーイ(^^)」と陽気に出て行くアラフォー女医。こちらこそありがとう。
ここから、研修医ちゃんの術前説明。
私の嚢腫の位置、手術方法、手術の流れ、手術時に起こり得るリスク、麻酔のリスク、輸血の可能性、諸々を丁寧に説明してくれました。
この時ほど、人生で英語ができて良かったと思った瞬間はない…!!!
そして、絶対に説明しなきゃいけない事なのはわかりつつ、やっぱりリスクの説明は若干ビビるよね。。万が一出血が止まらなかったら、万が一鉗子が子宮突き抜けたら(本当に言われた)、事態によっては子宮摘出になる可能性まで、
「通常は起きないけど!」「大丈夫だと思うけど!」「万が一そうなっても何とかするけど!」とフォローされるものの、手術同意書へのサインは少しドキドキしました。
最後にはずばん(夫)を呼んで、私に話した一通りをざっくりドイツ語で説明。
「何か質問は?」
「あの…、何時にくればいいんですかね?」
「手術前日に電話が行くわ!手術日いつ?月曜?じゃあ金曜日に電話がかかってくるから、明日ね。」
めっちゃぎりぎりーーーー!!!( ・∇・)
・麻酔科
ここまでが婦人科。手術同意書等私のカルテを渡され、「これ持って麻酔科行ってね」と、最後の関門と思われる麻酔科へ。
麻酔科は病院のメイン棟にあるので、婦人科から移動。
婦人科が空きすぎていたのか、メイン棟はなかなか混んでいる。そうそう、これが私の知ってる病院の感じ。
麻酔科の受付にカルテを出して、引き換えに2ページに及ぶ質問票を渡される。
ここまで出番があまり無かったはずばん(夫)、ようやく大仕事です。
とにかく、全身麻酔にあたって問題がないか、アレルギー、自分と近親者の病歴、歯の状態、等々…これまた、日本語で聞かれても知らんわ!な内容含め、はずばん(夫)の英訳と難解用語はEx-Wordで調べつつ回答を進めて行くのです…。
ちなみに私の花粉症(スギ)は「Japanische Zeder(ヤパーニッシュ ツェーダー)」。この後手術まで何回も聞かれることになります。(しかも答えたあとに必ず「え?」と言われるので、「あ、ドイツには無いやつです…」というやりとりがお決まりになる)
そして、やっと呼ばれた!!
名札がないから看護師さんかお医者さんがわからないけど多分麻酔科医の女医さん。今までで一番英語ペラペラでした。
質問票をザーッと見られ、「アレルギーは?」「歯は全部自分の?インプラント無い?」と、もろもろ確認され、改めて麻酔のリスク、当日の麻酔の流れを説明してくれました。
眠った後も、血圧や心拍をウォッチして異変がないかチェックし続けること、呼吸を助けるために気管に管入れるけどそれは眠った後に挿管して起きる前に取るから、起きたら喉に痛みを感じるけど問題ないこと、術後は一旦手術室の外にある部屋で目が醒めるまで待機すること、などなど、
募る恐怖・・・!
「でね、麻酔の仕方なんだけど…」
「あ、背中から入れるんでしたっけ?」
と、完全にブログ知識で答える私。
「あー、背中からもできるけど、あなた入院予定よね?ガスでも行けるわよ」
「何が違うんですか?」
「んー、背中のは論理上はちょっと起きてて、ガスは完全に眠っちゃう、的な?」
完全に眠らせてくださいっっ!!!!!(食い気味)
「はーい、あとは、手術当日は朝ごはん抜きね。水分はいいけど」
と言われ、本日の検査これにて終了。
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ここまでで、もう15時過ぎ。
10時半から、何も食べてないんですけどおおおおおお!!!!!
ドイツの病院は放任主義
お腹空きすぎて、よろよろしながら病院内のカフェへ。
サンドイッチが染みる…。チョコレートケーキも食べちゃうもんね。ギブミー糖分!
あれ、ところで、次がもう手術日で集合時間は明日わかるとして…
何持ってこいとか、持ち物リスト的なやつは?
はずばん(夫)に聞いても「え、そんなの無いよ」と言う。
んー?日本のブログ見てるとみんなスケジュールや持ち物リスト渡されてたしなぁ。。。入院初めてで何があって何が無いのかわからんしなぁ。。。
研修医ちゃんが渡し忘れたとか??
通り道だったので、食後に再度婦人科に寄って受付に確認してみる。
「持ち物リスト?無いわよ。自分が必要なもの持ってきて(^^)」
何が必要かわかんないから聞いてんじゃーーーーん (´;Д;`)