ドイツで手術した話⑤〜お目覚め編〜
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見知らぬ、天井
目が覚める。
「知らない天井だ」
って、シンジかーい!
ミサトさーーーん!!ここどこー??と脳内エヴァンゲリオンで見回すと、私以外に6台くらいベッドが並んでて、術後っぽい男性たちが寝ている。
どうやらここが説明された「麻酔から目覚めるまでの部屋」なのねと理解。
すごい、ほんとに目が覚めたら終わってるんだ…!!!
「起きた?」
と看護師さんがやってきて、寒い?痛みはある?など聞かれ、首を横に振るのが精一杯。いろんなブログに、目が覚めると震えが止まらないとか書いてあったけど、私は幸い特に何もなく。
しばらくすると、若い看護師さん2人がやってきた。どうやらお目覚めルームからの連絡でお迎えに来た婦人科の看護師さんみたい。
私のベッドを動かす2人。
ふわふわした感覚のまま、手術室に別れを告げるのでした。
麻酔明けはグロッキー♫
手術室から病室までの間に、ドリンクステーションがあって、そこで看護師さんが病院のボトルに水を入れてくれる。お隣のおばあちゃんがベッド横に置いてたボトルはこれだったのか。
炭酸有り無しどっちがいいか聞かれたので「Ohne Gas, bitte(炭酸無しでお願いします)」と答える。義母が麻酔明けはハイだから変なこと喋ったりするわよと言ってたけど、よかったわ、まだドイツ語がちょこっと出てくる。それにしても、病院のお水にも炭酸があるあたりヨーロッパ。
ベッドはさらに進み、角を曲がったりして病室へ・・・
うーん、なんか、ぐらぐらするな、、、
そして、病室に着いてベッドの背もたれをウイーーーーンと上げられたところで、
あかん、吐くーーーーーーーー!!!!!!!!!!(´;Д;`)
私の様子に気づいた看護師さんが慣れた様子で吐く用の袋を渡してくれた。ナイスパス!!!!
おええええええええええええええ(食事中の方ごめんなさい)
そして、目下嘔吐中に、はずばん(夫)参上(笑)。
完全に動揺しているはずばん(夫)に、「あ、これ普通だから」と説明する看護師さん。強い。そして私の吐瀉物を回収し、私の持ち物(手術室前で脱いだバスローブとサンダルが入った紙袋)を置いて去っていくのでした。
ちなみに!日本にも同じものあるのかもですが、吐く用の袋が優秀すぎた!!!(日本は吐く時銀色のソラマメ型容器のイメージ)
これ⬇︎
プラスチックのリング部分を口に当てるんだけど、まじ吐きやすいのです!!吐きながら「これ…居酒屋のトイレに常備してくれないかな…」とか考えてました。
術後も基本は放置プレイ
日本だと、術後は翌日まで完全に動いちゃダメ(つまり、おトイレもNGで尿管が入ることになる)のようなのですが、ドイツはその辺放置プレイなのか、尿管無し、トイレ行きたくなったら一応呼んでね、程度。
なので、ベッドも背もたれや膝下など、リモコンで角度付けまくって遊んで、いや、快適なポジションにしてました。
定期的に血圧&体温チェックが来る中、はずばん(夫)と話したり、うとうとしたり、ミントのオイルを塗ってリラックスしたり、水分取ったり、正午の手術終了からあっという間に夕方に。
ついに来たよ、尿意。
ここで人生初めてのナースコール!
看護師さんが「トイレかなー?」とやってきた。
布団をめくってもらい、はずばん(夫)が出してくれたサンダルを履いて、いよいよ、立つであります…!!
よろよろ・・・
お腹に力が入らない(腹筋使うと痛い。本当に手術したのねと実感)と、人間てこんなによろよろするのね。。
同じ手術を経験した日本の友人から「術後はネアンデルタール人歩きになるよ〜!」と言われていたのですが、まさに!!!人類の退化!!!
手術着のまま寝てたし、多分背中ぱっかーんって丸見え状態だったと思うけど、そんなん構ってられません。
若干ふらふらしつつも無事自力で歩いてトイレ到着。
用を足しつつ、おそるおそる手術着をめくると、
青い!!!!(◎_◎;)
腹周りが青いーーーー!!!!!
消毒液ですな。日本だと術後にキレイに拭き取られてるっぽいけど、見事に消毒しっぱなし。そして、傷口にはガーゼのパッチが3箇所(へそ&腰骨2箇所)特に血が滲んでるわけでもなく、ほっ。
立ち上がる時が一番腹筋使う!
手すり、最高。
こんな時のために、筋力つけておくべきだった、、と筋トレをとりあえず誓うのでした。
手術着を整えて、トイレから出たらもう看護師さんは居ない(笑)。
まあ、私歩けてたし、はずばん(夫)も居るしね。
その後、若い女医さん(有森冴子ではない)がやってきて、
「執刀医からはこの後か明日説明があると思うけど、手術は無事成功して、問題なかったから安心してね」と告げられる。ほっ…よかった( ´∀`)。
安心したところで、はずばん(夫)は一旦食事へ。
そうこうしてたら、病室にも食事が運ばれてきた!
ベッドで食べる?ダイニングテーブルで食べる?と聞かれ、ベッドでと言うと、キャビネに付いてるテーブルに食事が乗せられる。
いきなりヘビー!!!こんなん食えるかーーーーー!!!!!(T ^ T)
そして、食事の匂いに。。。。
あかん、吐くーーーーーーーー!!!!!!!!!!(´;Д;`)
ちょうど巡回に来ていた看護師さんが吐く用袋をまたくれました。もはや予備ももらい、キャビネに常備。
「無理しないで、あとで食べればいいから」と食事に蓋。
お粥食べたい、、、お味噌汁飲みたい、、、
てゆーかその前に全然食欲無い。。。
吐き気はずっと波のようにやってきて、姿勢を変えたり、ミントを嗅いだりを繰り返す。昨日の夜以降絶食だったから丸一日食べてないわけで、、この気持ち悪さは実は空腹からきてるのか?とか考えてる間にはずばん(夫)が戻ってきました。
多少は食べた方が良さそうかな、と思い、はずばん(夫)が超小さくハムとか切ってくれるのですが、やっぱり微妙。
唯一食べれたのが、ピクルス!!!やはり、気持ち悪さには酸っぱいもの!!!カリカリ梅食べたい!!!
ちっちゃいピクルスを3つ食べたところで、本日の食事終了。
20時、面会時間終了なのではずばん(夫)とはおさらば。
朝6時から、14時間。本当にありがとう(涙)。
いい人と結婚してよかったお…。
そして、隣のおばあちゃんがテレビを見てる(病室に1台のみ)のをよそに、耳栓とアイマスクをして、消灯を待たずに寝落ちしたのでした。