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ファンタジー世界の科学、実現可能か考えてみた

こばんちは!セロトニンです。
描き始めが平日深夜の1時半です!はよ寝ろ!

皆さんは「ループ7回目の悪役令嬢は、
元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」
というなろう小説をご存知でしょうか???

私がこの作品を初めて読んだのは
一昨年くらいだったと思うのですが、以来
むちゃくちゃ面白くてずっと読み続けてます。

来年1月からアニメも始まりますしね!!!
声優さんが公開されてるだけでもアホ豪華で
コンテンツも色々公開されてて供給過多です。
(ご馳走様です)

無断ですがリンク貼っとくので
ぜひ読んでください!!(布教の仕方が雑)

私にあらすじ話させると皆さんが簡単に
ネタバレ喰らうことになるのと、私もそれを
ちゃんと分かってるのでお口ミッフィーします。

https://ncode.syosetu.com/n1784ga/?p=1


こっからが本題。ネタバレなるべくなしで
頑張って説明しますね。

主人公のリーシェは薬草学(漢方)の知識があり
作中でその知識を活かして
ネイルを自作するシーンがあります。

漫画版だと割と手順が省かれてるんですが
なろうには割としっかり説明されています。

植物名や薬草自体は現実に無い(はず)なので
(多分)完全にフィクションではあるのですが、
元となる現代技術や化学反応はあるはず!
と思い、今回その調査と、それを踏まえて
どうやったら実現可能かを考えてみました!

なるべく専門用語を使わないよう
誰にでもわかっていただけるよう頑張ります…!


用語集

この先読んでいく上で知っといたら
便利かなって用語の解説です。

読まなくてもなんとなく分かるように
書いた(つもり)ですが、
知らなかったり、詳しく知りたいって方は
目を通していただけますと幸いです。

分かる人は勿論飛ばしてください!!!

有機溶媒(※1)

水に溶けない物質を溶かせる液体のこと。
有名なものとしては
・エタノール(アルコール類)
・ベンゼン(血液に毒性)
・アセトン(除光液の主成分)
・クロロホルム(中枢神経に影響)
があります。

こいつら(言い方)全員、揮発性(※2)と
引火性がバリ高いので、取り扱いには
めちゃくちゃ注意しないといけません。

揮発(※2)

常温で液体が気体になることです。
not蒸発。詳しくはwikiへ。

モノマー(※3)

プラスチックや樹脂を構成する最小単位。
生物に例えると細胞。(余計分かりずらい?)

このサイトが分かりやすいので参考までに。
これが分かればプラスチックマスターです。


触媒(※4)

ソシャゲとかでは「成功確率を上げるもの」
って感じで使われることが多いですが、
化学では「化学反応を速く終わらせるもの」
という意味で使います。

触媒自体は反応前と反応後で量や構造が
変化することはありません。

ガチャでの使い方はこの本質(?)が
変わってないので流石やなと思います。

一方「犠牲」みたいな意味合いで
使っている人をXでよく見かけますが
それは誤りだと思います…。

触媒の原理に関しては説明すると
長くなるのでここでは割愛しますが
高校化学レベルなので割と
理解しやすいかと思います。

詳しく知りたい人は↓のサイト様を
是非ご参考ください!!!


重合(※5)

同じモノマーが何個もくっついて
大きな物質(ポリマー)になること。
(正確には付加重合と言います。)

例えば、エチレンというモノマーが
沢山結合してできた物質を
ポリエチレンと言います。
(プラスチックの一種です)

こちらも高校化学の範囲なので、
興味ある人はこちらの分かりやすい
トライさんの解説を参考にしてください!


粘度(※6)

液体(正確には流体)の粘っこさを
表す数値
です。

水とかはサラッサラなので粘度は低い。
一方蜂蜜や水あめはトロッとしてるので
粘度が高いと言えます。


マニキュアかジェルネイルか

現代を生きる我々にとって爪への装飾と言えば
マニキュアかジェルネイルだと思います。

それぞれ解説していきます。頑張る。

マニキュア(ネイルポリッシュ)

マニキュアは、塗るだけで放置すると固まる
というベリーお手ごろな装飾材です。

皮膜形成剤と呼ばれる主成分、カラー成分、
爪への密着度や光沢度を高める樹脂
と…他にもいろいろあるんですが、今回は
この3つだけ分かっとけば大丈夫です。

そしてマニキュアはこういった成分を全部
有機溶媒(※1)に溶かしています。

なのでマニキュアは特に特別なことをしなくても
塗って一定時間放置するだけで液体の成分が
勝手にサヨナラしてくれるため固まる
という原理で成り立っています。

なので分厚くすればするほど、時間がかかるし
成分が特別に化学反応を起こす訳では無い為
結構すぐ剥がれたりする訳なんですね。

ジェルネイル

ジェルネイルは耐久性があって、立体アートも
出来ちゃうので人気ですよね(`・ω・)b

ジェルネイルの原理はUVレジンなので
ご存知の方も多いとは思いますが…

マニキュアと大きく違うのは、皮膜形成剤や
樹脂がモノマー(※3)で配合されていること、
+反応開始剤という触媒(※4)成分が
入っていることです。

この反応開始剤は、UVや高熱によって
モノマー同士をくっつけ、
皮膜形成剤や密着剤を生み出します。
(重合(※5)と言います。)

つまり置いた形で固定されやすいということ。
なので立体アートが可能なのです。

そして皮膜形成剤がたくさん連なっていくので
マニキュアよりも強度が高くなります。

リーシェの爪紅はどっちだ

広く群生するコリーニの木の樹液に、三種類の薬草の汁が合わさると、数分ほどで強固に固まる。

https://ncode.syosetu.com/n1784ga/32/

ここから考察するに、マニキュアかジェルかだと
「強固に固まる」特性的にジェルだと思います。

2種の成分が化学反応を起こすという点からも、
メカニズム的にはジェルの方が近そうです。


ただ、今一般的に使われているジェルネイルは
先述した通りUV反応開始剤を用いています。
この話だと、ただ混ぜただけやん…てことで

混ぜるだけで固めるには

エポキシレジン

ハンドメイドをしている方はご存じだと思います。

レジンには
①ジェルネイルと同じ原理で硬化するUVレジン
②2つの溶液を混ぜて自然に固めるエポキシレジン
があります。

エポキシレジンでは2つの溶液が
混ざるだけで勝手に硬化が始まるので
反応開始剤が入っていません。

その代わり、2つの溶液は分けて保管されます。

光触媒

光が当たると特定の物質を分解する
作用を持つものを光触媒(※4)と言います。

例えば薬草液中にこの成分があって、
爪に塗布した瞬間に硬化剤を
樹脂と結合できるような形に変化させる
…というメカニズムもなくはない。

ただ一般的にこういった触媒は
鉱物に含まれる成分が多いので、
薬草液や花の水溶性色素・樹脂で
構成されているこの爪紅では
少し難しいのかな…とも思ったり。

因みにこの光触媒、殺菌効果があるので
病院などの壁に塗装されるなどして
実用化されていますよん!

光分解性

これはかなりマニアックになりますが
自然光で自ら分解する成分も
考えられなくはないと思います。

UV硬化はUV-Aという特定の波長を
短時間に強く当てる必要がありますが

この光分解性を持つ物質は自然光に
含まれる微弱な紫外線でも反応するため、
小説内の条件下でも効果を発揮できます。

ただし、作製・保管時は遮光が必要です。
(褐色瓶に保管したり、暗所置いたり、
容器にアルミを巻いたり)

結局どれなん

まあシンプルに考えてベースは
エポキシレジンだと思います。

薬草液はきっちり瓶ごとに分けて
保管されているようですし。

でもリーシェに褐色瓶持ってほしいし
「無闇に光を当てると劣化するのです」
って言ってほしいので、光分解性が
あっても夢あるな…と思ってます。

光触媒の知識も持ってたら夢あるな…

以上、願望と妄想でした(笑)


重ね塗り検証

ただ、一つだけ問題点が。

ある薬草の汁を混ぜ合わせたもので、薄い乳白色をしたそれを、爪へ丁寧に塗っていく。その上から、先ほど完成したピンク色の液を、はみ出さないように塗り重ねた。

https://ncode.syosetu.com/n1784ga/32/

これ…2つの溶液を混ぜてないよね…?
これ、重ね塗りやんね…?

ということで緊急検証。

重ね塗りしても液体は混ざるのか?

用意したのはこちら。

プチプラでカラバリ豊富なpaネイル。
①A72, ②A101です。

手持ちのマニキュア2本。これを

① のみ
② のみ
③ ①②事前ミックス
④ ①が乾く前に②重ね塗り
⑤ ①が完全に乾いてから②重ね塗り
(※③~⑤はおおよそ①:②=1 : 1)

の5パターンで
実際足指に塗ってみました!!!
(手の指は普段の実験上、無理)

条件多くてややこしいですが、
リーシェの条件は④で、
あとは比較用ってことです!!!

結果はこちら。(人の足指苦手な人すみません)

塗るの下手くそ〜!!!美肌補正MAXにしても足のシワくんがサヨナラしてくれなかったので、ネズミさんにお手伝いいただいてます(´・∀・`)

美肌加工すると緑が際立ってしまう…!
実際③ここまで緑ではないです。
もうちょい青い。①の方が緑強い。

ってことを加味して④を左右と比べると、
割と混ざったほうなんじゃ…?
って感じがします。
②が乗ってる感は否めませんけどね!

今回薄い→濃いだと結果が分かりにくいと
判断して濃い→薄いにしましたが、
爪紅実際は乳白色→色つきなので
ムラにはなるかもですが混ざりはしそうです!

これ均一ってなると相当腕がいい人でっせ…!
女将さんよォ…!!!(誰)

①と②の比率を変えてみた

1:1だとそこそこ行けることが判明。
じゃあどっちかが極端に多ければ?

てことで↑乾燥する前に重ね塗り戦法(条件④)を
ⅰ ①:②=1 : 1
ⅱ ①:②=2 : 1
ⅲ ①:②=1 : 2
の比率でやってみました!ぺぺーん!

冬のペディキュアは乾燥中靴下を履けないので滅多にしません。末端冷え性なので。

ⅲ むっちゃ綺麗じゃない?????
ザ☆量の暴力、蓋して誤魔化せ理論です。

これ写真加工+光の当たり具合で下の緑が
全く見えていないように思いますが、
肉眼だともうちょい緑感あります。
(ラメってつよぉい^^)

つまり、リーシェの爪紅でも薬草液に比べ
上から塗るカラー液を多めに
塗ってると考えてよさそうです。

でもやっぱり

重ね塗りはめっちゃムラになる…。
化学実験の時って過不足がないよう
組成を計算するので、化学以外の要因で
完全反応ができないのは気持ち悪い…
(感覚的な問題です。)

私が知る「2種類混ぜて爆速で固まるもの」
と言えば実験で使うゲルなのですが、
それを作るときはなんとシェイクします。
(一部シェイクできないものもあるけど
ゆっくり回転させてしっかり混合します)

なので、現実的には一定の比率で
別の容器に2つの溶液を混合して
それから塗布する方が確実
かな…と。

でも本文に書いてある固まるスピードが
速すぎなので、だから重ね塗りに
なったんだろうと思うことにします!!!

事前混合なら

因みにですが、私が使ってるゲルは
おおよそ10cm×10cm四方で、
大体20分あれば完全にゲルになります。

なので爪程度であれば5分もあれば
固まるんじゃないのだろうか…
(まあ成分的に爪につかんと思うけど)

私のイメージとしては、爪ごとに
カラー樹液を絵具のようにパレットに出し
その上に薬草液を必要量出して
しっかり筆で混合し、爪に塗布する…

い…いかがでしょうか!リーシェ様!!!


他の疑問点

1. 固まるのが速すぎる問題

 十秒ほど経つと、その液がほわっとした熱を帯び始める。
 指を使わないようにして数分待ち、爪先の方を筆の後ろで軽く突いてみると、硬い感触が伝わってきた。どうやら上手く硬化したようだ。

https://ncode.syosetu.com/n1784ga/32/

この速度で固まってたら
筆ガビガビになりませんかね!?

マニキュアの瓶の淵についてるやつらが
筆につきっぱなしってことでは…

解決策として考えられるのは
水彩絵具で他の色を使うとき
筆を一度水で洗うみたいに、

異なる液体の瓶に筆を入れる前、筆を
必ず有機溶媒(※1)で洗浄することです。
好ましいのはアセトン。
無ければエタノールなどのアルコール類。

リーシェは自作の消毒液を持ってる
みたいなので、この主成分が
アルコール類だと信じて!!!
これで筆を洗浄してる…と思いたい!
(ワンチャン専用液を作ってても
おかしくないとは思うけど。笑)

2. 色素混ざらなさそう問題

 リーシェはかまどから鍋を下ろすと、煮詰めた花びらとその汁をボウルに取り分けた。別の鍋を準備しているあいだによく冷まし、触れるようになったら布で水気を絞り出す。
 次いで、テーブルの硝子瓶を手に取った。中に入っている透明の粘液は、この大陸で広く群生している木の樹液だ。
 花から取った染料と樹液を、なるべく気泡が入らないよう混ぜていく。

https://ncode.syosetu.com/n1784ga/32/

記述的に、花から取った染料は水溶性。
一方で樹液に含まれる殆どの成分は油性。

そう、つまり水と油。つまり
そのままだと混ざらんくね…?
となっちまった訳です。

多分、どこからにアルコール類の力が
働いているものと思われます。

エタノールを始めとするアルコール類は
油性も水溶性も持っているスグレモノ君。
その為、水溶性の色素も
樹液に含まれる油性成分もまとめて
溶かしてくれる超有能溶媒なんですね。

それを用いた解決策として
私が思いつく限り2通り考えられます。
が、2つ目の方が現実的だと思います!

1つ目ですが、染料の抽出液に
アルコール類を用いていた場合。
これならそのまま樹液と混ぜても
分離することがないと考えられます。

ただし、アルコール類って揮発性(※2)を
持ってる上に、沸点が水より低いです。
(少なくとも危険物試験の問題に出る奴らは)

そのため、かまどで熱されたら爆速で
揮発&蒸発して液体なくなってしまいそう…

ってことで2つ目。
実はつなぎとしてアルコール類を
添加していた場合。

検証したわけではないので偏見ですが、
どちらかというと水溶性物質の方に
アルコール類を添加した方が
後々混ざりやすいイメージがあるので、
色素を絞り出した後、お酒だったり
消毒液を添加していると思いたい…!!

理論だけ言えば樹液側でも良さそう。
寧ろ粘度(※6)下がって混ぜやすそう。笑

んーーーー、理想としては両方!!笑

3. 薬草液の粘度(※6)問題

樹液に関しては「粘液」という説明が
あったので、そこそこ粘度が高い
というのが分かります。

一方、3種の薬草液については粘度の
説明がありませんでした。
ただ「薬草の汁」という記述から
割とサラサラしてるのでは…?
って思ってしまい(妄想甚だしい)

でもサラサラしてたら爪の上に
留まってくれないと思うんですよね。

でもある程度の流動性がないと
上から塗る液と混ざることはできない…

まあどっちの液もマニキュアくらいの
粘度って考えておこうと思います。
違うかったら教えてください作者様…

あ、アニメでわかるかな???


結論

ということでリーシェの爪紅は

エポキシレジンの原理を応用した
ジェルネイルだが、
重ね塗りは現実的ではない!

そして過程の至る所でアルコール類
(リーシェ的には消毒液・エタノール)
が必要である、と考察しました!

とはいえ、
「ファンタジーだから仕方ないか…」
と思う箇所があまりなく、考察してて
本当に楽しかったです!

寧ろ「専門外で知らんからまあいっか」
って諦めた箇所の方が多かったように
思うので…はい…勉強…します!!!


かなり長文になってしまいましたので、
この辺で終わろうと思います!

お付き合いくださり本当に
ありがとうございました!

因みにこの爪紅は1章の話なので、
割とすぐ出てくるよ!!!
皆さんの見解やご意見も聞きたいです!
よろしくお願いいたします!!!

あとリーシェはこれ以外にも面白いもの
いっぱい作っているので、
また疑問に思った事があれば、調べたり
記事にしたり出来たらと思います。


原作マジで面白いからみんな読もうな…
原作者の雨川先生のXもおもろいから
みんなフォローしような…

活字無理な人はコミックガルドで
美麗絵コミカライズ版が読めるから
今すぐインストールしような…

で、アニメのカウントダウンコンテンツが
本当に良すぎるので、みんなで悶えそして
放送を正座待機しような…


全てのルプななに関わっている皆様に
1読者から心からの感謝を込めて…

それではまた次回!!!


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