児童相談所に通報された話 その1
最初にお断りしておくと、
●虐待はしてません(笑)
●誤報や誤通報でもないです
●日本(そして日本の医療機関)はとても良い
ということですので、悪しからず。
■第一子と第二子の育児の差
何もかもが手探りだった第一子(仮にAとしておきます)の時は、分刻みで成長日記を書いていた私。「初めて寝返りした」「初めて掴まり立ちした」などは克明に記録していました。おかげで立派に育児ノイローゼに。
それに比べて、第二子のなんと楽だったことか!
第二子(仮にB)にとっては初めてのことでも、私にとっては二度目。なかなか寝てくれない夜も「こんな経験したなぁ」と気楽に構えられたし、昼間に泣き止まなくても「泣くのは元気な証拠!よしよし」と、精神的余裕は私をおおらかにしてくれました。おかげでAはめっちゃ神経質に育ち、Bはのんびりキャラ。
とにもかくにもBの子育ては楽でした。
■第二子、生後半年の節目にその事件は起きた
そんなわけで、Bの時は何の成長記録も取らず、寝返りしたときも「あー、ようやく寝返りしたのか~」くらいのもの。Aの時は即座に写真を撮り仕事中の主人にメールまでしたのに、Bのときはその報告すらしませんでした。
主人はとても育児に協力的ですが、平日は終電まで仕事をしているような人ですので、土日に少し触れ合えるかどうか、というくらい。そして主人の方もAの育児に慣れていた分、Bの成長は「ただただ可愛い」だけで、特にあれこれ質問されたりすることもありませんでした。
それはとある土曜日の夜に起きました。
生後半年の節目を祝う「ハーフバースデー」なるイベントがあります。
ちょうど主人も休みの土曜でしたので、ささやかながらケーキを囲んでお祝いだけしようということになり…。
私はケーキの準備を。
主人はその私を慮って、率先してオムツ交換をしてくれました。いい主人です。
ただ…
Bがすでに寝返りを始めたことを、主人に伝えていなかったのです。
主人は、ベビーベッドの柵を下ろしたまま、先にオムツを捨てに…
その瞬間を見計らったかのように寝返りしたBは、ベッドから真っ逆さま。
重い頭から落ちますから、当然頭を強打したんですね。
頭には、ぽっこり窪んだ跡が!!!
しかし、二人目の子供と言うこともあり、「赤ちゃんの頭は柔らかいからへこむんだよね~」などと呑気にケーキを食べ、記念撮影まで済ませた我が家族…。
もちろんBの容態がおかしければすぐにでも異変に気付いたのでしょうが、Bは少し泣いただけですぐに元気になったので、大したことはないと思ったんですよね…。
それでも万一のことがあってはいけないと、一応助産師の友人に相談。
「もう泣き止んでるなら大したことないかもしれないけど、もしかしたら頭がい骨陥没骨折とかになってるかもしれないから、一応夜間病院に行っとく方がいいよ~」という返事。
…結論を先に言いますと、ビンゴで頭がい骨陥没骨折だったわけですが。
記念撮影を終え、ケーキの片づけを済ませ、「一応病院行っとこうか」「そだねー」「夜のドライブだよ~」くらいの感覚で、家族四人で夜間救急へ。
田舎ではありますが、一応小児科専門医を置いてくれているのが我が市のいいところ。
おじいちゃん先生と看護師さんが「大丈夫だと思うけど一応レントゲン撮っときますかね~」と、呑気に撮影へ向かい…
血相変えて戻ってきました。
「レントゲンにひび割れを確認しました。田舎の病院では手に負えないため、今すぐ救急車で〇〇大学病院へ搬送です!」
「ええええええ(; ゚Д゚)!?」
こうして、私とBは一緒に救急車に乗って大学病院へ。
主人とAはその後を車で追いかけていくことになりました。
■大学病院では厳しい糾弾を受けた
生後半年くらいの子供が頭がい骨陥没骨折で運び込まれるのは、(おそらく)よくあることだろうと思います。
ところがですよ。
どういう受け身を取ったのか(?)Bの頭はまるでハンマーで叩いたように丸く窪んでいたらしいのです。
外科の医師4人くらいに取り囲まれ、
「頭がい骨陥没骨折だったらこんな凹み方はしないはず」
「どういう状況だったのか詳しく説明してください」
と、まるで犯罪者扱いのような厳しい糾弾を受けました。
我々夫婦は半泣き状態でその際の詳細を説明し、
「本当にベッドから落ちただけなんです!」
「なんで窪んでるのかって言われても!!」
「こっちが知゛り゛た゛い゛で゛す˝!!!」(鼻水ズビー)
と訴えるしかできませんでした。
埒が明かないと思ったのか、「とにかく手術しないとダメ」ということになり、我々夫婦、更に絶望。
「最後に授乳したのは何時ごろですか」と訊かれたので、
「さ、さっき、救急車の中で…」
「はぁ!? なんでこんな事態の時に授乳するんですか!」
「だって!! お腹空いて泣いてたんです!! まさかこんな事態になるとは思ってなかったし!!!」
…いま思い出して書いてると、まるでコントみたいなやり取りしてたんですよね。でもそのときは本当に泣きたい気分で釈明してました…。
特に、主人は自分の落ち度でこんな事態になってたので、本当に顔が真っ青で可哀想でした。
世間の皆様、虐待でなくても本当にこんな事態は起きてしまうんです。許してくれとは言いませんが、可能性の問題として、誰の身にも起こりうるということだけ、知っておいてほしいと思います( ;∀;)
■蒙古斑の罠
虐待を疑われた理由の一つに、おそらくBの体の蒙古斑が関係しているのだろうと思います。
アジア系人種にしか出ないと言われている「蒙古斑」。
欧米で出産した日本人が、新生児の蒙古斑を初めて見た欧米の医師から虐待を疑われるケースがある、という話はうっすら聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
しかし、日本人でも蒙古斑について詳しく知らない人がいるでしょう。
「蒙古斑」って、お尻にしかできないと思っていませんか?
友人の子供には、手首と足首に蒙古斑があり、「まるで拘束していた跡みたいで、よく虐待を疑われるの」って話をしていたんですが、
我が子Bには、「背中に数カ所の蒙古斑が飛び散っている」のです。
もうね、パッと見たら「虐待しましたよね」みたいな、痣状の蒙古斑が数カ所も。
このあげくに、へこんだ頭を見たら、そりゃ虐待を疑いますって(-_-;)
…日本の医療機関は、こういう風に「少しでも疑わしい患者がいたら関係機関に通報する」という義務があります。ありがたいことに、保育士試験の際にそのことは知っていたので、お医者様を恨まずに済みましたが。
その2に続きます…