B'zの「LOVE PHANTOM」を聞きながら片付けすると2倍散らかるからやめとけ
定期的にこの手の誤情報ツイートがバズるんですが、
これをやってしまうと片付かないどころか2倍モノが増えるって話を、整理収納アドバイザーの私が詳しく解説しますね。
■片付けられない人は「自分の判断に自信が持てない人」が多い
まず大前提として、片付けられない人は
「判断・決断できない」
「判断・決断を先延ばしする」
「自分の判断・決断に自信が持てない」人が多いです。
結果として、
「これを捨てたら後悔しそう…とりあえず捨てずに押し込んでおこう」
「要らないのはわかってるけど、多分いつか使う…はず…!」
「ダイエットしたら着れるからタンスの奥に入れておこう」
と、決断を先延ばしにするわけです。こうして
「不要なのは分かってるけど捨てる判断ができないモノで部屋が溢れかえる」わけ。
そんな人が片付ける際に必要なのは、
「モノとじっくり向き合って、冷静に理知的に判断を下すこと」です。
なのだけど…
■そんな人が、勢いだけでゴミをまとめるとどうなるか
こういう人が音楽のノリと勢いだけでゴミを袋に詰めていったとしましょう。
以後、分かりやすく「不要な洋服」の話をします。
やってる最中はノリノリでいいのです。
ガンガン捨ててると気持ちよくなってくるものです(ランナーズハイのような状況が生まれます)。
部屋も何となく片付いた気がします。
「私、やればできるじゃん!」という自己肯定感のようなものも生まれるでしょう。
ところが。
そもそもこの人、「自分の決断に自信がない人」ですよね。
大量のゴミ袋を見て、こう思うのです。
「これ、今日捨てるのはやめておこう…かな…」
「もしかしたら要るものがあるかもしれないし…」
「私のことだからうっかり必要なものも入れちゃってるかも」
「次のゴミ出し日までに決断しよう」
じっくり判断することもなく勢いでゴミ袋に突っ込んでいったから
、本当に捨てていいのか自信が持てないのです。
結果、ゴミ袋に入れたまま、部屋の隅に放置します(断言)
つまり、この人がやったことは、
「時間をかけて不用品を圧縮して部屋の隅に避けた」だけなのです。
■ここで、「片付けられない人の面白い特徴」をお教えします
片付けられない人には面白い特徴と言うか癖があってですね。
それは、
「必要なものの収納にも(なぜか)ゴミ袋を使う」のです。
ゴミ袋って、ゴミを捨てるためのものなんですが、
片付けられない人には共通して「必要なものさえもゴミ袋に収納する」癖があります。
何故かというと、
片付けの現場に行くと、決まって
「このストーブはゴミ袋に入れて収納してください」とか
「衣替えした衣類はこのゴミ袋に入れて天袋に…」と言われます。
なにこの「ゴミ袋信仰」(笑)
「ゴミ袋に入れて収納しちゃうと普通のゴミと判別つかなくなりますよ!?」と申し上げても、
「まさか!そのくらい私は判別できますよ!」
「だって中身も見えてるんですもの」
と、皆様なぜか自信満々。
その判別がつかない人だからこのゴミ屋敷なのですけどもね…(汗)
こうして、片付けられない人の家には、
「勢いだけで集めた不用品を入れたゴミ袋」と
「次のシーズンで使う必要なモノが入ったゴミ袋」が
混在することになります。
必要なものと不要なものが、
同じ袋に入って
部屋の隅に鎮座している…というわけ。
誰の目から見てもゴミが並んでいるようにしか見えない空間が出来上がりました。
■さてここからが更なる地獄です
勢いだけで袋詰めしたゴミは、捨てる決断をされないまま部屋の隅にあります。
その横には、次のシーズンで使う予定のもの(=必要なモノ)が、同じゴミ袋に入れた状態で置かれています。
数ヶ月後、その人はそのゴミ袋を前に頭を抱えるのです。
「これ、何が入ってるんだっけ…?」と。
「透明な袋なんだから外から見れば分かる」と思っている人がほとんどなんですが、ぐちゃぐちゃに入ってるその袋を見て中身を完全に把握などできるはずはなく。
外から見れば分かると思っているがゆえに、「この袋には〇〇が入っている」などの但し書きすらしていません。
なにしろ勢いだけで詰め込んだわけですからね、何が入ってるかなんて覚えられるわけはないのです。その瞬間だけは覚えている気がしますが、人間の記憶力なんてあてになりゃしませんよ。
しかも、思い出してください。この人は、自分の決断に自信のない人です。
「私のことだから、うっかり必要なものまで入れちゃってるかもしれないなぁ」と、ゴミ袋の前で自らを疑い始めます。
そうするとどうなるか?
…そう、
不信感に駆られるあまり、
ゴミ袋を再度開けて、中身を全部チェックしはじめるのです。
はい、あのときの時間が無駄になりましたねー!!!!
しかもしかも。
その中に入っているのはろくに判断もせずにツッコんでいったモノばかり。
ひとつくらいは「まだ使える」とか「もったいない」と思うものが出てくるわけです。
「あの時の私、どうしてこれを捨てようと思ったの!?」
こうなると完全に自分自身に不信感が沸き、こう思うはずです。
「これ、全部取っておかなきゃ!」
こうして、せっかく圧縮したゴミを、再び部屋の中に溢れ返す結果となりました。
■まだまだ地獄は続きます
ちなみにこういう人たち、
ゴミ袋にゴミを突っ込んで一時的に満足したものだから、
「ご褒美に、バーゲンでお洋服をたくさん買っちゃおう!」
となります。
せっかくスッキリさせたクローゼットはすでにパンパン。
そんな状態で、ゴミ袋に押し込んでいた洋服が一気に押し寄せてきたら、果たしてどうなるでしょう。
…まぁ、分かるわな?
結果としてこの人は自己肯定感も下げまくるし、部屋は散らかる一方だし、「捨てる」決断はできないまま「絶対に何も捨てられない!」と思い続けて汚部屋を生きるはめになるわけですね。
そんな現場をたくさん見てきました…(白目)
■再度言う、片付けに必要なのは「冷静に理知的に判断を下すこと」であり、「ノリと勢い」ではない
片付けをするときは、ひとつひとつを丁寧に手に取り、向き合い、
「どうしてこれを買ったのか?」
「私はまだこの商品を使いたいのか?」
「この商品を持ち続ける意義はあるのか?」
「この商品は私に何をもたらしてくれるだろうか?」
「これを手放したことで生じるメリット・デメリットは?」
「減価償却できているのではないか」
「売ればお金になるのでは?」
こういうことをじっくり考えることが必要なわけですね。
そうしないと、
ゴミを圧縮しては解き、汚部屋を再生産&拡大していくだけの未来が待ち受けています。
B'zさんも風評被害になりそうなので、いい加減この誤情報は拡散しないようにお願いしたい所存!
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