負の化石がはびこる個をつぶす日本の環境～スキージャンプ髙梨沙羅選手のメイク批判記事を読んで～

（少しずつNoteに記事を移行しています）

北京2022冬季オリンピックに出場していた日本の女子スキージャンプ、髙梨沙羅選手へのメイク批判の記事を読んで、この時代にまだこんなことを言ってる人がいるんだと、あごが床まで外れるくらい、唖然としました。
こういうことを発言する負の化石たちは、なぜ素直な気持ちで応援できないのでしょうか。批判の前に、ここまで本当に本当によく頑張ったねと相手を褒め称えることがそんなに難しいことなのでしょうか。

メダルが期待されたり知名度がある選手は本当にツライですよね。ものすごいプレッシャーの中、メダルが取れて当たり前とされ金メダルじゃないとなかなか絶賛されない風潮がありますよね。本人のコンディションもあるし環境、雪質など複数の様々な要因が重なり、さらに常に命の危険と隣り合わせのスポーツでもあるのに、惜しくも取れなかったら、こういう心ない批判を浴びせられる。人の噂は75日とはいうものの、ネット社会なので文字として永遠にネット上に残り続けるこのご時世。仮に本人のメンタルが強くて気にしないとなったとしても誹謗中傷はそういう問題で片付けてはいけない話だと思います。

オリンピックに出られるような方は、あらゆることを犠牲にして気が遠くなるような練習を積み重ねてきてその舞台にたてているんです。メダルが取れなかったことを責められ、さらにそれをメイクをしているからなんて。
まったくもって理解に苦しむ批判を浴び、更にメダルをとれなくてすみません、なんて涙を流しコメントする選手もでてきてしまう＝言わせてるのも、この手の、負の化石と低能なマスコミたちがはびこっているから。

そもそもの話、なんで選手が謝らないといけないのか、謝る必要なんてまったくないんです。

先日、所属選手のオンライン壮行会で寄せて頂いたコメントの中から、このコメントを読み上げました。

「私は音楽をずっと続けてくる中で「本番は、練習以上のことはできない」と教えられてきたのですが、オリンピック・パラリンピックのアスリートの方々は「本番で１２０％の力」が出せる特別な選手の集まりとのこと・・・（一部抜粋）」

そう、彼らはすごいのです。本当に。
選手を支え育ててきた周りの監督やコーチ陣、サポーターも本当にリスペクト。心からそう思います。

人気がでて、知名度があがるほどマスコミはしつこくつきまといます。
気を許した瞬間に撮られた写真が自分が好きじゃない表情の時だってある、でもマスコミはそれを掲載したりとか。取材も基本的に事前に記事確認はほとんどさせてもらえません。話した言葉が変な風に切り取られないように、広報も細心の注意を払っています。それでも変な風に切り取った一部のコメントを使うのがこの手のマスコミだったりもします。

別で、「やる気スイッチはどこにあるのだろうか」というコラムを書きましたが、気持ちの切り替え方は人それぞれ。よく選手が練習や本番前に音楽を聴いているシーンが映し出されますが、それも気持ちを切り替える手段のひとつですよね。集中したい、マスコミなど外部の雑音をシャットダウンしたいとか理由はそれぞれ。

彼らなりに見つけた方法でプレッシャーやストレスを緩和し、挑んでる舞台にメイクじゃなく競技に集中しろという批判、本当にどの口がいうのか。
メイクなんて人によっては早ければ10分くらいで終わります。でも時間なんて関係ないのです。10分だろうが1時間だろうが、それで選手自身のテンションがあがり、それがもしかしたら本人にとってやる気スイッチがONに切り替わる瞬間なのかもしれない。モチベーションが高くなり好成績に繋がるとか、しつこいマスコミにいつどの角度で撮られてもばっちりな自分でいれる、というのもメンタル面で◎。相乗効果しかないですよね。男性だって朝起きて洗顔、歯磨き、髪の毛整えたりしますよね。メイクするって、女性にとって身だしなみのひとつなので、それと同じです。

これは私が知っている競技での話になりますが（種目や各々が契約しているスポンサーとの契約形態によって変わりますが）実際は潤沢な資金がない環境で、普段の練習の移動の交通費・宿泊費など含め、なんとか助成金や補助金やスポンサーなどからの支援でやりくりをしている選手が多く、スポンサー支援も年々予算がタイトになり、金銭面の支援ではなく物品提供という形にシフトしてきています。皆さんがCMや広告などでみるような一流スポーツ選手、いわゆる多額の契約金、出演料を獲得できている一流選手は本当に本当にほんの一握り。

選手のことって、私達が知っている部分なんて、ほんの、ほんの一部分。見えない、わからないところで努力を積み重ねてオリンピックという舞台にたててることが本当にリスペクトしかないのです。

それも汲み取らず、ただ口と手を動かし(中国語ではよくキーボード殺人と表現されます)批判をする負の化石達。

そのまま、化石になってていいのでもうこれ以上動かないで下さい。