『恋してるひまがあるならガチャ回せ!』について
『恋してるひまがあるならガチャ回せ!』杉井光2018/3/10 株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
・オタクでクズで犯罪にも加担する主人公
・大筋の物語がテンプレすぎて見るべきところなし
・クソうるせぇ長文語りのわりにあんまし理解できないゲーム達
・これどれも廃課金クソゲーばっかじゃないかな(最高に罰当たりな『最終決戦マンダライオン』はちょっと気になった)。一瞬でネタ切れする擬人化ゲーとか売れないと思う
・「今実装した! 魔法のカードならそこの売店にあるゾ☆」←公式イベント
『恋してるひまがあるならガチャ回せ!2』杉井光2018/6/9 株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
・起きないことが起きているせいで物語が破綻している。こんな物語は生まれ得ないし、フィクションにすらなっていない
・ゲームに対して意識高いのに高難度イベやってないとかさぁ……
・とにかく名前出せなノリで登場しているゲームのほとんどが意味不明で、理解が追いつかないようにゴチャらせているようにしか思えない。クソゲーあるあるや実際起こったやらかしを薄めてぶち込んだ方がターゲット層には受けたはず
・167~169ページの課金マウントも歪みが生んださらなる歪みにしかなっておらず、ブルトンとグリーザの関係を彷彿とさせる。結局最初っからアカンやんけ!
・テコ入れが主人公のクズさを際立たせる珍しい例。このオチがギャグで済まされると思っているのだろうか?
文章としてまとめていなかった初期の研究を、ここできっちり文章にしておこうと思います。作者は杉井光先生、ラノベ黎明期から生き残っている強豪で、そこそこ有名らしいです。私は読むものが偏りすぎてるから知りませんでしたが。Wikipedia見ると不祥事がどうとか書かれていますが、文章読んだらあーねって思いますね。煽るだけつまんないタイプの人なんで、そこに突っ込むのはやめときましょうか。
本作のあらすじは書かれている通りの「廃課金ラブコメ」なんですが、大筋はお嬢様テンプレなんで、ゲームを扱った作品としてはさして面白くないです。
お嬢様テンプレというのは、お金持ちのお嬢様が庶民の暮らしを知って庶民堕ちし、親のすすめで貴族暮らしに戻ろうとするものの、主人公たちの働きかけによって庶民にとどまり、そこで安定するようになる……というストーリーラインのことですね。絵面が面白いのであっちこっちで使われています。私がそう呼んでるだけで、ほかに正しい呼称があるかもしれませんけど。
先に、どうしてゲームものとして面白くないのかって方を述べていきます。理由はかんたんで、理解が追い付かないからですかね。ひとつのゲームを遊ぶパートごとに、ハイテンポな会話とギャグの応酬でガンガン情報が詰め込まれていて、ちょっと読むのがつらいです。そんなパートが何回も続くので、世にあるゲームものの中でも、とくに面白くない部類に入ると思いますね。
ゲームものの設定を説明する順序は、現実におけるゲームのチュートリアルによく似ています。全部ガッと詰め込んでも入らないし、ある程度直感的に入るところは後回しにもできます。早口オタクみたいなキャラにしているのは分かるのですが、だからといって本編の三分の一くらいのページ数で四つくらいのゲームをぜんぶ理解しろ、というのはかなりきつい。
これを現実に起こすと、「今日は新しいゲーム始めます! まずティアキンリングフィットハチャウマやってパズドラモンストFGOウマ娘ゼンゼロ、それからモンハンIBとサンブレとスト6。ひと段落付くまでやっていこうかな?」って言われた感じ。体力保たんやろ。新しいネタをぶっこんで話を押し流さないと話題が続かない、みたいなアトモスフィアを感じる。素人にありがちな「考えたネタ全部ぶち込みたい」を地で行くやべー選択肢を取ってしまっているように思えました。
スマホゲーのクソゲーは、私でも見飽きています。直近だと『ぱずでれ』が客をナメ腐ってて笑うに笑えない出来でしたね。クソゲーハンターに紹介されたとたんアクセス増えてサーバーエラー起きてんの笑う。いちおう継続してやってますが、一年経たずにサービス終了するんじゃないですかね。
そういうものを紹介するYouTubeチャンネルをいくつも見ている身としては、クソゲーに対してすら解像度低いとかヤバくね? ってのが素直なところ。つらつら述べている「限界突破の素材数が鬼畜過ぎる」なんかは実際にありますが、そういうのって“前提”だよ。そこをわざわざ言っちゃうようなやつがランキング上位だぁ? あんまし笑わせんなよ。
ゲームものとしての面白くなさはもうひとつあって、それが「そこでしか通用しない専門用語」をバンバン使うことですね。さっき言った解像度低い問題の再来。ソシャゲのガチャでキャラかぶりが起きたとき、だいたいどのゲームでも累積強化されるシステムがあります。業界用語として「凸」と呼ばれるのですが、当然そのまんま呼ぶわけもなく、ゲームごとにいろんな用語で表現します。覚醒とか才能開花、限界突破とかでしょうか。
その視点でこの作品を見てみると、この「凸」のことをその場その場のゲーム内用語で表しています。例を挙げてみましょう。
・『惨獄死クロニクル』→武勲MAX
・『焼肉ストライカーズ』→肉等級A5ランク
・『アビス・ブリタニア戦記』→伝説値MAX
なるほどすごいなー、とは思わないのがソシャゲやりまくってる人の感想。あらゆるガチャ廃人を一発でビビらせる最強の切り札(ワード)はすでに存在するので、そっちを使えばどんな読者だって「ファッ!?」って驚かせられるんですよね。
この驚愕に何が必要か分かるかね?
そう、「完凸」だ!!(ダークマイト構文)
サ終した『ゆゆゆい』のようにノーコストで無限にステータスが上昇する凸も存在しますが、凸によって得られるものには実質的な上限が存在します。この上限に到達したのがいわゆる完凸ですね。ゆゆゆいだとSSR精霊ゲット(5凸)かな。この年代だと、すでに「FGOに年間300万使ってた。宝具5にしてたけど、もうつらいからやめる」だとかいった文章がまとめられていた気がしますが。
どんなに良心的なゲームでも、完凸のハードルは果てしなく高く、困難な道のりです。いくつか記事を書いた『エコカリプス』だと天井は40連で限定キャラ確定が160連、すべての性能が完全開放される7凸までに必要な同一キャラ数は1(1・1・1・1・2・2・3)で12体。かんたんに最小値と最大値を考えてみると、480連~1920連もガチャを回す必要があります。
ガチャ一回に異極石(ダイヤ)が2000個必要なので、最大でダイヤ384万個が必要になりますね。相当に運がよくてもダイヤ五十万個くらいは消費すると考えると、まあやらんよね。ダイヤ一個あたり2.6円くらいなので、最低でも百五十万円程度、運が悪いと一千万円程度……いやー、怖いっスね。どっかで計算間違えてる可能性あるんで、この数字は誇張だと思ってください(戦慄)。課金パックのお得セットとかもあるので、ダイヤの数と価格が完全に等価ではない点にご留意をいただければと。
なぜ完凸という言葉を使わないのかを考えてみると、リサーチ不足、あるいは用語使いたいだけの線が濃いでしょうか。そんなことしなくていいし、「当然完凸だぜ、なんでそんな顔してんだ?」とか言えば気軽にドン引き&驚愕させられると思うんですよね。そのくらい「完凸」というワードはすさまじい劇物です。私も「石はつねに二万プールしてる」って言うとすごい顔されますよ。スマホに五万円持ってるって言っても、現実の資産じゃないんですが。
期間限定のレア当ててすぐさま育成してランキング上位! とかっていう、ありていに言えばいちばんつまんない遊び方をしているので、作中のキャラにはかけらも共感できませんね。作業周回と同じくらいつまんねーぞこれ。ソシャゲのランキングイベントが何をするかって、特効キャラ当てたり編成凝ったりでひたすらスコア盛って、おんなじステージを延々とやるだけですよね。それ見せられて面白いと思ってんの?
ゲームの遊び方はいろいろありますが、ネトゲやソシャゲなどの上位陣は、昔で言う「高等遊民」、今使われる用語としては「ロイヤルニート」で、不労所得と時間が有り余った方々です。こういう人たちに並ぼうとするのは無謀の一言で、長屋住まいが遊女を身請けしようとするくらいアホですね。一般人はオキニ見つけて推すくらいで留めるのが賢いやり方で、本気でカネをつぎ込むといくらあっても足りないのは現代もいっしょです。
さて、ここでいったん「お嬢様テンプレ」としてもさして面白くない、という話題にシフトしておきましょう。このジャンルの面白みは、カッコいい主人公が金持ちの凝り固まった考えやどうでもいい因習をぶっ壊してくれるところにあると思います。あるいは、お嬢様が庶民の日常に触れるという絵面の面白さもあるかもしれません。
ところが、どっちもないんだよなぁこれが……主人公はカッコよくないし、お嬢様はすでに庶民暮らしを知っています。どっぷり浸かりすぎて戻りたくないのも変形のひとつとして通るかもしれませんが、じゃあ「庶民暮らしの楽しさ」が何かっていうとソシャゲに高額課金してゲームやりまくることなんで、連れ戻されてしかるべきじゃないかなと。お転婆にしたって限度があるんだよね。
正直な話、これが家に連れ戻されてわからせられるのは、当然の帰結だろうと思います。窮屈な暮らしをさせられているお嬢様が、家を出ている間だけ自由を満喫している……にしては俗っぽすぎますし、家に連れ戻す側の理屈が間違っているとも思えません。「スマホは子供をバカにする」って言ってるのがスマホ世代なのはまあ……ただのガバかな。至極真っ当な主張に「これは炎上するぜ」とか言ってるのも、なんだかねぇ。
以前に「物語の本分は、バーチャルな解決にある」と述べたことがあります。筆誅(現実で嫌いなやつに、作品内でざまぁしてやったぜ! な展開)とかっていうのもありますし。変換で出んのかよこれ……はともかく、「○○という問題について、私はこう考える。いかがだろうか?」といったようなものが、つまり問題提起と意見の提唱だと考えます。これができないやつは作家じゃねーよとも言いました。
しかしながらその視点で見ても、本作の問題提起とそれに対する作者の意見は、どちらの立場に付くことも難しいものでした。ゲーマーがゲーマーの味方をしないのもまた珍しい気がしますが、箇条書きにしてみると分かりやすくなりますかね。
■問題提起
ソシャゲに人生を費やすのは悪いことなのか?
・スマホばかりいじっていると現実が希薄になる。もっと現実に目を向けて、ほんとうに美しいものに気付いてほしい。
(敵の意見)
・課金だろうとなんだろうと、夢中になっていることには間違いない。
(主人公の意見)
■結論
「夢中になる」ことから人生が変わることがある。
いや、うーん。どちらも一理あるけど真理ではないし、洗練の余地がありますね。極端な意見を現実的な視点で修正する方法を取りたかったのでしょうが、主人公の行いは地に足のついたものでないうえ、「ンな過激なこと言っててもさー、現実ってこんなもんだよ?」といったふうな、穏やかな解決でもありません。そこまで好きでもない『俺ガイル』の方が一万倍くらい面白く感じます。
スマホ不要論を三十代の青年が言っているのは強い違和感がありますし、大学生のガキが「人生賭けてんだよ!!!」っていうのもじつに浅い。これ、作者が「課金が浪費だのスマホゲーは無駄だのガチャはギャンブルだのうるせーんだよばか! 俺の選択が間違ってるわけないだろ!」ってキレ散らかしてるだけなんじゃないかな、って思えるのがね……さっき言った「筆誅」そのものなのではと。敵さんの意見がすごく薄っぺらいし、主人公の意見もひどく言い訳くさく感じます。
作者が主人公の口を借りて放つ主張には、ある程度実社会でも認められるだけの正当性が必要です。そこで「浪費も疑似ギャンブルも時間の無駄も、ぜんぶ「人生を賭けて夢中になる」ってことじゃないか! 何が悪いんだ!?」って言われて、誰が共感しますか。ソシャゲ程度の些事を王族の国際結婚と重ねて語るあたり、自分の主張を補強するためなら何を言ってもいいと思ってんじゃないですかねコイツ。
心が充実した人生こそ幸せだ、という主張については、確かにその通りだと思います。しかし、脳汁ひたひたアヘ顔人間になる人生とむなしい浪費癖とを「満たされた人生の時間」と呼べる人が、現実世界でどのような目線を向けられるのか。言うまでもないでしょう。ギャンブル依存症とどう違うのかご説明いただいてもよろしいかな。
さんざんな罵倒をしてきましたが、どうしてこんなにひどいことを言えるのかというと、主人公のことをぜんっぜん好きになれなかったからですね。
主人公のことを好きになるには何が必要か、ちょっと考えてみたんですが、私はけっこうチョロいんですよね……筋の通った・芯のある言動とか、ぶっ飛んだ特技とか、真っ当な価値観を見せるところとか、そのあたりかな。スタレの主人公なんか見てみると、ゴミ箱漁りしてたやつが「私は銀河打者!」って言いだしたかと思えば、大仰な物語に「これも誇張なの?」ってツッコミ入れるとこ、「そういう常識はあるんかい!w」とかって、絶妙に笑えるんだよね。でもゴミ箱は漁る、ここ重要。
ドン引きするような言動をしたら、それ以上に真っ当なことをして好感度を取り戻さないといけないと思うんですが、本作の主人公はそういうことをしていません。講義中に音ゲーやったり長文語りしたりして教授に追い出されて、と友人にも迷惑をかけていますし、雀荘で違法賭博をやるときの見張りや下着泥棒などの明確な違法行為もやっていて、上述した「お嬢様テンプレ」に出てくるアツいバカには見えないんですよね。へんな方面に悪賢い、結局食い物にされるカスという意図でやっているのであれば、これ以上ない完成度だとは思いますが。
全体に「アレな人の繰り広げるハイテンポギャグ」のような描かれ方で、作者の意図は間違いなくそれなのだろうと考えられます。そこに上述したような「ギャン中の何が悪ぃんだよオラァン!」みたいなイデオロギーが入ってくるんで、それを認められるかどうかが分水嶺なのでしょう。悪いよ、間違いなく。
私が知ってる「アレな人の繰り広げるハイテンポギャグ」のような作品だと『シャングリラ・フロンティア』があるんですが、あれと比較したとき明確に違うのは、主人公が自分の立場を勘違いしたクソバカではない、ってことですね。
『シャンフロ』の主人公サンラクは、ヘビーなゲーマーであり、あっちこっちのゲームで名が知れたランカーをやっています。しかし一人のプレイヤーとしての立ち位置を崩さず、「俺がいるからこのサーバーが維持されてんだぞ」みてーな勘違いクンなことは言っていません。「誰とは言わないが二人のおかげで運営できた」とか作中で言わせてる本作、なんかそういう悪臭がね、漂ってきてんの。
いろいろまとめて言うと、私がこの主人公に好感を持てない最大の原因は「遊び方も立場も勘違いしたアホ」だからですね。大学生のアルバイトごときで稼げる金額を使って数千万単位課金したとか言ってますけど、無理だよね? 人それぞれ身の丈に合った遊び方というものがあって、そこで満足できずに身を持ち崩すのはただのアホです。上で言った「遊女を身請けしたい長屋暮らしのおっちゃん」みてーなもんですね。
こんな風に、大学生の稼げるそれと課金額の実感が少しどころではなくかけ離れています。そこで作者の放つニオイがぶわっと出てきて、「俺が経済回してんだぞ」という情けないオッサンの言いがちなアレが露出してきます。すると、すでにある程度の収入を確保できている大人にしか言えない「俺が稼いだカネだぞ、どう使おうが自由だろ」という、体は大人で中身がクソガキな主張が表に出てきてしまうんですね。ガワかぶせてんのに中身が出てくるの、わりかしダサいと思うんだよね。
『シャンフロ』でも「これ絶対作者の本音だろ!w」って思う箇所がいくつもあります。乱数はクソ、とかね。でもあれってゲーマーあるあるなので、主人公の発言=作者の本音=読者の感想と三つシンクロして、ネタとして楽しめてしまいます。廃課金は人数自体が少なくてドン引きされがちなので、作者の本音が主人公像とズレて発言が不自然になるだけでなく、読者の共感も得られません。ゲームをやること自体はともかく、廃課金は容認されてませんし。
お嬢様テンプレとしての大筋の完成度はけっこう高くて、そこんとこ、さすがにレビューが多く寄せられるガチファン多めの作家だなぁとは思いました。ただ、その文脈に乗せられるような主人公じゃないですねこいつ。キャラ一体当てるために同居してるヒロインの下着盗むようなやつが、†お姫様を外に連れ出してくれるナイトさま†をやれるわけないでしょ。バレて怒られたあとも二回目やってるし。
そこそこ上手いのに、その上手さがぜんぜんクオリティにつながっていません。そういえば二巻で「凸してないキャラなんて弱いに決まってんだろ!」とかいう謎すぎる話がありましたが、話題として取り扱う価値もありません。頭おかしなるで。
まあそのうちに最新作『楽園ノイズ』もアニメ化とかなんかされるんでしょうし、手堅く人気稼げばいいんじゃないですかね。ガチファン多いみたいだし。ふつうに売れてるブンガク方面の人がひとつだけ売れなかった、ってだけの話なので、正直言って興味ないです。けなすクズの意見より褒めてくれる人の意見だけ聞いときゃいいんじゃね? 皮肉でもなんでもなく、事実としてね。
最後に、「健全な課金」についてちょっとだけお話ししておきましょう。
さんざんに廃課金の主人公を罵倒してきましたが、世の中には賢い課金というものがありまして、そこまで無茶しなくてもゲームは楽しめます。だからこそ「バカな遊び方」って言ってるわけで。やってるゲームのガチャについて金銭換算で試算しましたが、あんなにお金はかかりませんし、かかっていません。まだ百万も入れてない。
課金者としておすすめしたいのはまず「シーズンパス」、次点で「イベントお得パック」、あと「推しだけ課金」ですかね。
月単位でミッションを達成するとスコアが溜まり、達成度に応じて報酬がもらえるシステムが「シーズンパス」です。もうひとつのデイリークエストみたいなもん。買い切りの千円~二千円ちょっとで一か月程度、ゲーム内アイテムがいろいろもらえて育成がかなり楽になります。そこそこ続けるゲームじゃないと損になるので、面白くない場合は買わない方がいいです。
イベントや周年ごとに、おまけつきのダイヤが販売されます。これが「イベントお得パック」ですね。『ウマ娘』だとキャラ引換券がついてきて、「○○マーケティングやめろよ!→引換券はどうした?」って流れが定型になっているようで。課金石+無課金石&イベントトークン、なんてパターンもあるので、めっさお得ですね。
最後に、推しキャラが実装されたとき全力課金するのが「推しだけ課金」、なんですが、これは貯金ならぬ「貯石」と表現した方がいいかもしれませんね。でも、いいゲームだと推しが増えていくんや……これはスティル貯金やと思っとったらバリもダンツも欲しくなっとる、恐ろしいことや。これはちょっと、モチベーションを保つ方法と考えておいた方がいいかも。
実装されたらぜんぶ引いて完凸する、とかできるのは一部の富豪だけで、額面でいうと一か月あたり四十万~(2024年後半の環境)かかります。そんなお金使えるような収入あるの、そこそこ地位のあるおじさんくらいのもんじゃないかな。ネトゲ友達のそこそこ金持ちさんがいるんですが、その人も月に五万程度で「ちょっとやばいわ、やりすぎたわw」って言ってましたね。全キャラ完凸はもはや千日回峰行だとでも思った方がいいかと。
やっぱ18年産はだめだな(私見)。2010年にSAOでぱっと花開いて、2012年には『ネトゲ嫁』『エスケヱプ・スピヰド』、と思ったらなろう産の『ログ・ホライズン』あたりがバッと広がって、ウェブの拾い上げが増えすぎてクオリティが露骨に下がっていった印象。16年あたりからマジでひどくて18年が底の底、22年からちょっと持ち直してきたかなって感じです。18年産でもっとも成功した『まおがく』も次回作でコケてて、大丈夫そうなのは『ランダム・ウォーカー』シリーズの西常陽先生くらいでしょうか。あの人も調子乗らせちゃダメなタイプだけど。
キャラの造形と言動に開きがあると、やっぱへんに気持ち悪さが出てきちゃいますね。そこが開いてる前提のTSものは書くのらくちん。中高年の愚痴が学生から出るとか、教わっていないどころか身体機能に備わっていなかった性感開発をおねだりする獣人とか、なんだかね……わりとスルーされがちなのですが、私はこういうところも気になる。
こんなガキくせぇ自己弁護のお話がそこそこウケてると「あっそっかぁ……(諦念)」ってなる。精神の成長段階でいうとまぎれもなくオッサンのそれなんですけど、行くべき道を間違えた感がすごいっスね。怪人を自認するようになったイカレが言うとおまいうの極みなんですけど、人間にはこうはならないでほしいなって思います。
次はなにやりましょうか……作家じゃねぇ認定した人か、ふつうに面白かったのに売れてない作品の宣伝か。『エコカリプス』の記事が三日で七百PV(ラノベの記事が半年で稼いだPVの三倍以上)だったけど、ほ、方針は変えないぞ!(震え声)