増えていく薬の空き瓶に怯えながら、今日もまた
数ヶ月前に、どうしようもなく苦しくなって
私は初めてODをした。
親にバレないかドキドキしながら薬を購入して
不安と緊張を押し殺しながら薬を30錠飲み干した。
1時間ほどしてから、体が心地の良い気だるさに包まれ
頭も身体も、ふわふわとして……苦しみが消えた。
私は、「ずっと、このままでいたい」 と思いながらベッドで微睡み、間違った幸福を味わっていた。
それから、定期的にODをするようになってしまった。
いちど 「この状態を終わらせたくない!」 と思い
大量に薬を追加して飲み、人生で経験したことがない
体調不良を味わい 「も、もう……二度としない」と誓ったり
肝臓や膵臓にあたる位置が痛み、病気の恐怖に震え
「流石に、もうやめにしよう。」 と思い立ち数週間ほど
ODをしない時期もあったが…… やはり、辛くなるとODをしてしまう。
ODをして、薬が無くなると、また新しい薬を購入して
増えていく薬の空き瓶を見てため息をつく。
薬の空き瓶が溜まっていく様を見るのは
リストカットをして、 自分の心の辛さや苦しみが
皮膚に残された傷によって、可視化されたときに感じる
安堵感に似たものを私は、感じる。
しかし、それと同時に恐怖と不安も募らせている。
このまま、山のように薬の空き瓶は増えていくばかりで
ずっと……体を壊しても止められないのか?
いつか、誰かに……家族にバレるんじゃないか?
ODを続けていると脳に記憶障害が残るらしいけど……
私はまだ、戻れる?
そんなことを、ぐるぐると薬を飲んでいない
正常な頭だと考えてしまう。
それで、床に散乱した空き瓶とダンボールが視界に入るとそれが、私を拝めている気がして、今すぐにでも首を吊ってしまいそうになったから
せめて、量は少なめに…… あまり、負担のかからない薬で
これで……これで、最後にするから
なんて、言い訳をしながら私は今日も空き瓶を増やした。
やめたいんですけどね、本当に。