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瞳に映る海の色


 将来、私たちの子供が見る海の色は、いったい何色なんだろう。

もう随分前から言われている、
『いずれゴミの量が魚を上回るかもしれない』
という現実。

様々な種類のゴミだろうけど、ペットボトルやレジ袋など
プラスチックゴミを食べてしまい、打ち上げられる海の生物たちの様子をテレビで見た事もある。

 私は、週末になると歩いて行ける近所のスーパーへ
息子と一緒に大きな空のリュックを背負い買い出しに出かけ、
溜まっていたペットボトルと紙パックも持って行き
スーパーに設置してある、ポイントの貯まるリサイクルの機械を利用している。
ペットボトルが吸い込まれて行く様が息子も私も楽しくて、続ける事ができている。

スーパーに入ると、息子は大好きなアボガドがないかと見切り品コーナーへ急ぐ。
アボガドは地味に高くて中々買えないので、それを見つけた時の息子は宝物を見つけた様にとても嬉しそう。そんな息子を見て私も嬉しくて二人して大喜び。
他にもすこしだけ元気のない、いろんなお野菜があって食べ盛りの息子を持つ母としては大変、有り難いのだ。

私たちは特別なことは出来ないし…エコバッグだって時々忘れてしまうこともあるけれど。
それでもこうやって息子と楽しみながら、少しでも環境に配慮した生活が送れたらと思う。
もしかすると…高校生になった今でも変わらず純粋な心を持つ息子と一緒だから、それが出来ているのかも知れません。

 そんな息子は、トイレの介助が必要だったり癇癪を起こし暴れる事も。
そういった事情もあり…仕事も出来ていない私に代わり、もう70を過ぎた高齢の母が少し離れた海のそばで働いて、私達の生活の面倒を見てくれています。
母は年齢からすると元気な方だとは思いますが、やはり最近はしんどそうにしている事も増え…
本当なら、もう私が母の面倒を見る立場です。
情けないうえに愚痴まで母にぶつける毎日…。

そんな私に母は、
「もう、じゅうぶん頑張ってるから…頑張ってとは言えない。」
と言います。

時々、母は職場のそばから見える海の景色を携帯で撮り、送ってきてくれます。
それはきっと、母からの言葉に出来ない

『頑張ってね、私も頑張るから。』

という、メッセージなんだと思います。
そんな母の瞳に映る海。
将来、息子の瞳に映る海。

誰かに、『がんばって』と伝えてくれる海を守れるように
ひとりひとりが、出来る事から始めて欲しい。
それがいつか海の波のように、想いを届けるはずだから。





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