適切な発語の促し方について
こんにちは🌞
横浜市青葉区にある児童発達支援、フォレストキッズこどもの国教室の木山です🌳🌋
今回は発語に対しての適切な支援方法や関わり方についてお話しさせていただきます☺️
言葉に関する問題は、お子様によってかなり個人差があり、2歳前後くらいであれば、まだ様子見と言われるケースも少なくないです。
ただ、保護者様からすると少しでも早くお話しがしたかったり、本当にお話しできるようになるか心配だったりすると思いますので、今回はどのように発語を促していくのが良いのかをお話しいたします。
発語のための基盤作り
よく療育現場では、フラッシュカードや絵カードなどを見せてこれは「りんご」と何度も言って発語を促す教室が見受けられます。が、これは一番やってはいけない療育方法になります。
では、なぜこの療育方法が適切はないのかというと、お子様によって個人差がありますが、
以下の発達がゆっくりである可能性が高いからです。
①共同注意の欠如
共同注意とは、他者と同じ対象に注意を向け、互いにその対象に関する情報を共有することを指します。指差しはその初期段階の表現であり、これが見られない場合、他者と物や状況を共有する意識が弱い可能性があります。共同注意は、発語に先立つ重要なコミュニケーション手段です。
②社会的関心の不足
幼児が他者に対する興味が少ない場合、他者とのコミュニケーションを学ぶ機会が減り、発語や指差しの発達が遅れることがあります。また人とのやり取りが楽しいという感覚や、他者に何かを伝えたいという意欲が発語を促進する要因となるため、模倣能力(他者の行動やジェスチャーを真似する力)、そして相互作用への関心や楽しみが発語に先立って発達します。
つまりこれらの、コミニュケーションの基盤が未熟なにも関わらず、フラッシュカードや絵カードで発語を促そうとする行為は、まだ歩けない赤ちゃんに対して走る練習をするようなものです。そんなことをしても、走ることが上達しないのは愚か、むしろ苦手意識を持ってしまうことが明白ですよね😢
発語の促し方について
発語がないお子様におけるコミュニケーション基盤の未熟さをお話しさせていただきましたが、今回は具体的にどのように発語を促していくのが良いかをお伝えいたします🗣️
早速ですが、ズバリ発語を促すためには、とにかく「指差し」「模倣」「ジェスチャー」などにより他者を意識しコミュニケーションに対する意欲や関心、楽しさを感じる経験をたくさん積む必要があります。
そのため、フォレストキッズこどもの国教室では、まずはプレイセラピーや型はめなどの簡単かつ自発的に楽しめる課題から初めます。そこで、指差しで自分の欲しいものを指差せたらその物を渡すということの繰り返しで、指差しの定着を目指し、そこから徐々に言葉につなげていくことが多いです🧐
言葉を促す際にどうしても直接的な言葉の支援に意識を取られすぎて、絵カードやフラッシュカードで促そうとしてしまう教室も多いですが、まずは支援全体を通して、指差しや模倣などのコミュニケーションの基盤となる能力や意欲を高めていくことが非常に大事になります。
なぜ基盤作りが重要なのか
前述させていただいたように、コミュニケーションに対する意欲や準備が整っていない段階で、フラッシュカードなどを用いて発語を促そうとすることは、幼児にとって効果的でないことが多いです。
これは、発語は単なる言葉の模倣だけでなく、コミュニケーションの意欲や社会的関係性に基づくものだからです。そのため、以下のように発語を促す前にコミュニケーション意欲の基盤を作ることが重要だと考えられます。
🔷基礎的なコミュニケーションスキルの発達
発語が発達する前には、さまざまな前提となるスキルが必要です。例えば、共同注意(他者と物や状況を共有する能力)、模倣能力(他者の行動やジェスチャーを真似する力)、そして相互作用への関心や楽しみが発語に先立って発達します。これらが未熟なまま発語だけを促すと、幼児にとっては負担が大きく、かえってストレスになる可能性があります。
🔷楽しいやり取りが発語の基盤を作る
言葉は、単なる音の連なりではなく、他者と意味を共有するためのツールです。そのため、まずは幼児が「やり取りが楽しい」と感じられるような関わりを通じて、コミュニケーションの意欲を育むことが大切です。例えば、指差しにより要求が叶う経験や、音やジェスチャーを使った遊びを通して、他者との関係を築くことが発語の前段階として非常に有効です。
🔷フラッシュカードのタイミングと使い方
フラッシュカードのような方法は、語彙を増やす手段として効果的だと言われていますが、それはお子様がすでに言葉に対する興味を示し、ある程度の理解力が発達してからの話です。コミュニケーションの土台が整っていない段階では、フラッシュカードの反復練習は意味のあるやり取りと感じられず、興味を引けない可能性が高く、苦手意識を持ってしまう可能性があります。
🔷幼児にとっての「準備段階」を無視しない
発語を促すためには、まず幼児が言葉を使うことの意義や楽しさを感じ取れるようになる準備段階が必要です。この段階が整わないまま、言葉の学習を促すのは、基盤がないまま上に建物を建てようとするようなもので、発達に無理が生じる可能性があります。
今回が久しぶりの投稿になりましたが、次回も時間がある時に更新いたしますので、是非フォローしてください✨