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ロードバイクはLSDが8割【ポラライズドトレーニング】

ランニングは距離走が8割

先日、ランニングは距離走が8割という本を読みました。
マラソンのような持久系のスポーツには、LSDのような低強度長時間のトレーイングが8割、インターバル走のような高強度のトーレニング2割でトレーニングを組み立てるのが効率的という趣旨の本です。
これについてnoteを書いています。

また、先日、ロードバイクのポラライズドトレーニングについてnoteを書いています。

ランニングで昔からよく言われる、強度の高いポイント練習が週に2回、その他の4日~5日はJogでつなぐという考え方は、基本的にポラライズドトレーニングの考え方と同じで、この考え方はロードバイクのトレーニングにも使えるのではないかと考えました。


今回、以前に書いたランニングは距離走が8割という記事を、ロードバイクに向けて再編集してみました。


有酸素エネルギー供給系と無酸素エネルギー供給系

エネルギー供給システム

運動のエネルギー供給には、以下の3つのシステムがあります。

  • 無酸素系(クレアチンリン酸系、乳酸系)

    • 短時間の高強度の動き(スプリントやアタック時)で主に使われる。

  • 有酸素系

    • 長時間の持続的な運動で主に使われる。

運動強度によって供給割合は変わりますが、例えば1時間のヒルクライムレースでは以下のような割合になると思われます。

  • 無酸素系 10~15%

  • 有酸素系 85~90%

各エネルギー供給システムは、それぞれのエネルギー供給システムを使うトレーニングをすることで改善します。
ロードバイクの持久力を向上させるには、有酸素エネルギー供給システムを鍛えることが特に重要です。


持久力向上に重要な指標

VO2max(最大酸素摂取量)

VO2maxは、体重1kgあたり1分間に摂取・使用できる酸素量を示す指標で、有酸素能力の上限を測るものです。トレーニングによって10〜20%向上させることができます。

乳酸閾値(LT: Lactate Threshold)

乳酸閾値は、運動強度を上げたときに血中の乳酸濃度が急激に増え始めるポイントです。

FTP(Functional Threshold Power: 機能的作業閾値)

FTPは1時間維持できる最大出力(W)であり、持久力向上において最も重要な指標とされています。

特にヒルクライムレースでは、VO2maxよりも乳酸閾値やFTPの向上が重要になります。


LSD(Long Slow Distance)の重要性

LSDとは?

LSDは、低強度で長時間行うトレーニングのことです。目安としては、

  • 強度: 最大心拍数の65-75%程度、またはFTPの55-75%

  • 速度: 会話ができるペース

  • 時間: 2〜5時間

LSDの効果

LSDを継続的に行うことで、以下の効果が得られます。

  • 有酸素能力の向上(酸素を効率的に使う力がアップ)

  • 脂肪燃焼能力の向上(長時間のライドでエネルギー切れしにくくなる)

  • 筋持久力の向上(長距離でも脚が売り切れにくくなる)

  • 関節や靭帯の強化(怪我の予防)

  • 精神的な強さの向上(長時間の単調なライドに耐えられるようになる)

  • ペダリングの改善(効率的なフォームの習得)

  • 回復力の向上(疲労からの回復が早くなる)


高強度トレーニングとの比較

  • LSDは、持久力の基礎となる能力を広範囲によって向上させますが、高強度トレーニングは、より特定の能力を短期的に向上させます。

  • LSDは、長時間の運動に必要なエネルギー代謝を向上させますが、高強度トレーニングは、短時間の高強度運動に対応するエネルギー代謝を向上させます。

  • LSDは、頻繁に実施できますが、高強度トレーニングは、回復時間が必要で実施する頻度に制限があります。

  • LSDは、フォームの改善と定着に効果的ですが、高強度トレーニングは、レース特有の技術向上に役立ちます。

  • LSDは、長時間の精神的な強さを向上させますが、高強度トレーニングは、短時間の集中力を向上させます。

  • LSDは、効果が表れるために数週間から数か月かかり、トレーニングの効果が長く持続しますが、高強度トレーニングは、数日から数週間で効果が表れ、トレーニングの効果の持続時間が短い傾向があります。

トレーニングの8割をLSDにあてることで、持久力の基礎となる能力を広範囲に、効果的に向上することができます。
残りの2割では高強度トレーニングを行い、この基礎の上にレースのための能力を向上させます。


効果的なLSDの方法

  • ペース: FTPの55-75%、または最大心拍数の65-75%

  • 時間、距離: インドアトレーニングなら60分~120分、実走なら100~200km

  • 頻度: 週3〜5回


トレーニングプラン

初心者向け

  • 週2-3回 インドアトレーニングでLSD(最初は30分からスタートし、徐々に時間を延ばす)

  • 週1回 休日に実走(60~180分)

  • 目標: 100kmライドを完走

中級者向け

  • 週3-4回 インドアトレーニングでLSD(90-120分)

  • 週1回 インターバルトレーニング(30-40分)

  • 目標: レースでタイムを更新

上級者向け

  • 週4-5回 インドアトレーニングでLSD(90-120分)

  • 週1回 高強度インターバルトレーニング(40-50分)

  • 週1~2回 実走ロングライド(100~200km)

  • 目標: レースでタイムを更新


まとめ

参考にした本はランニングの本なので、トレーニング時間など一部修正をして本記事は書いていますが、LDSの重要性やトレーニング時間の割合などは共通化と思われます。
ロードバイクのポラライズドトレーニングに書かれた本が見つからないので、本書のようなランニングの本を基にLSDやポラライズドトレーニングを勉強して、トレーニングに反映するのも面白いかもしれません。

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