2025.1.1 おせち(フリースタイル部門)
朝。米を炊きながら実家での正月を思い出す。
お雑煮は食べていたけどおせちの記憶はない。
苦手な食材が多い母に育てられたので、おせちのおの字も出たことがない。母さんはおせちの存在を家族に隠しているようにも見えた。イオンのおせち売り場には目もくれず、忍者走りでケンタッキーに直行する。
そんな母さんを育てたじいちゃんとばあちゃんは、毎年正月になると、栗きんとんと黒豆をつめた箱を持ってきてくれる。おばあちゃんは背中で語る。おじいちゃんは、真実に近い嘘、嘘のような真実、を交互に繰り出してくる。おじいちゃんが言うには、栗きんとんと黒豆がおせち界のスターである。おばあちゃんは静かに頷く。このやりとりは毎年変わらないから真実だろう。つまり、栗きんとんと黒豆さえおさえれば、あとは何を食べてもおせちである。だからバーレルパックを買いなさい。
そういう答え合わせでいいんでしょうか。
正直おせちをどのタイミングで食べるのかもわからない。ご飯は炊けてしまったし、豚汁は気づいたら勝手にできていた。80%くらいはいつもの朝ごはん。2025年最初の日だし、なんか気を遣ったほうがいいのかなとか思った。おせちの画像を検索すると、縁起のいい食材を少量ずつ詰めている。目的は無病息災を祈ること。縁起のいい食材は黒豆しかなかったが、スターなので問題ないだろう。きちんと祈ればおせちの意味としてはクリアできそうだ。小皿を出して、黒豆、揚げたがんも、お浸しをのせた。
めでたい見栄えでも、縁起がいいわけでも全くないですが、これをおせち(自由形)と呼ぶことにします。
来年はもう少し下調べをしておせち(自由形)を発展させようと思う。そして明日はケンタッキーを食べる。