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なぜ女性はボンッ!キュッ!ボンッ!がモテるのか?

これまでのところ、人間の配偶者選択 mate choiceにおいて、女性が男性を選ぶことしか議論してきませんでした。男性が女性を選ぶことよりも、女性が男性を選ぶことの方が配偶者選択の本質というか、メインだからなのですが、だからといって男性が何も選ばない、来るものは拒まず、求められたら応じるだけ、…というわけでもないのです。

では、男性はどのような基準で女性を選んでいるか?

実は、これまでのところ、女性が男性を選ぶ基準ほどはっきりとはわかっていません。
ただ、女性がイケメンの男性を好むのと同じような理由で(=遺伝子的に安定している)、男性も美人の女性を選ぶ傾向がありそうなことと、なにしろ胸が大きく、腰がくびれていて、お尻が大きい、ということが割と重要な条件(男性から見た女性の性的魅力)になっていることは、これまでの研究で繰り返し示されています。

いったい、これはなぜか?

まず、胸が大きくて腰がくびれているということは、女性ホルモンの分泌が長期にわたって良好であったことを意味しています。(胸が大きくても腰がくびれていない女性というのは、単純に不健康に太っているだけであることを意味します。しかも、こういう体型の場合、女性ホルモンの分泌が良くないことも知られています。)

女性ホルモンの分泌が良好であるということは、長期にわたって心身ともに健康優良であったということ(=遺伝子的に優秀だということ)だけでなく、女性の場合は、妊娠可能性が高いことをも意味します。胸が大きく腰がくびれている女性は、そうではない体型の女性に比べて、計算すると三倍近い妊娠可能性があるのです。


つまり、進化論的に言えば、たまたま何かの偶然で、胸が大きく腰がくびれた女性が好きなように遺伝子がプログラミングされている男性が、結果的に子どもを簡単につくることができ、結果的にその遺伝子が増えていった、というわけです。その傾向が、現代に生きる私たち人類の男性にも名残として残っている…ということでしょう。

では、お尻が大きいという条件はどういうことか?

これもまた、すでにわかっていることとして、女性が妊娠中にお腹の中にいる子どもの中枢神経系が発達していくのに必要な良質な脂質をお尻から太ももあたりに蓄えていると考えられていることがあります。このため、お尻〜太ももが大きい(=脂肪がいっぱい蓄えられている)女性というは、中枢神経系の発達がよく、頭の良い子どもを産んでくれる可能性が高まる、というわけです。

結果的に、現代に生きる男性たちにアンケートをとってみても、女性のウエスト:ヒップの比率が0.7くらいが一番魅力的だと感じるようになっているわけです。

(ちなみに、女性から男性の体型による性的魅力を評価してもらうと、たぶん、男性はお尻が小さいせいでしょうが、ウエスト:ヒップ比が0.8くらいが一番魅力的だとなるようです。いずれにしろ、ウエスト:ヒップ比が1に近づくほど、どんどん魅力が下がっているという結果ですが、これはどうも、単純に男性の心身ともに健康であるかどうかの指標であるだけの気がします。)

なんだよ、結局、男が女を見るのは、顔と身体(特に、おっぱいとお尻)だけかよ、という感じです。

ただ、実はそれだけでもありません。私たち人間は、性格や知能など精神面で自分と似たものを配偶者として選ぶ傾向(=類別交配 assortative mating)がありますから、頭の良い男性は頭の良い女性を、頭の悪い男性は頭の悪い女性を、性格の良い男性は性格の良い女性を、性格の悪い男性は性格の悪い女性を選ぶ傾向がある…という謎の性質もあるのでした。

いや、本当は少しも謎ではないのですが、この話はまたいずれ。

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