団塊ジュニア世代男性の苦しみ〜親子間ギャップに悩まされる〜
団塊ジュニア世代(1971年度〜74年度生)は、
激しい大学受験、不景気での就職活動、増えない給料、減額されるかもしれない年金と苦労が多い。
何だかんだ、この世代の男性に関しても、75%は結婚している。60%は子どもを設けており、いわゆる幸せな人生を送る人が過半数。
大卒者ともなると、この割合はより高くなる。
彼らの子どもたちは、高校生か大学生が多いのだろう。子どもがこのくらいの年齢になると、親子関係が上手くいかなくなることが多い。
親子関係の悩みは、どの世代が親になろうが、つきものである。
ただ、団塊ジュニア世代、とりわけ男性に関しては、親子関係にとにかく悩まされる。自分が若いときは、親に状況を理解してもらえず、親となっても、子どもの状況を良く理解できない。
受験や就職という誰しも経験するライフイベントを取り巻く状況が、親の時代とこの時代で異なり過ぎてギャップが大きいからである。
例えば、下記のケースようなギャップが見られる。時は1995年の秋。バブル崩壊後の不景気。
団塊Jr息子:Jさん(1973年生)
⇒中堅私立X大学に通う4年生。不景気の中、何とか中堅上場企業Y社に内定。
団塊父:Dさん(1947年生)
⇒高卒。高度経済成長期に就職して、大手メーカーの工場で課長。年収800万円。
父:「おい、J!就職は決まったのか?」
息子:「決まったよ。Y社ってところ。」
父:「聞いたこと無いな〜。大学出てるんなら、松下とか三菱銀行とか安田火災に就職できるだろ〜」
息子:「今、景気が悪くてさ。大きい会社も採用を絞ってるんだよ。」
父:「そうやって、他人のせいにするんじゃない。何のために大学まで行かせたと思ってるんだ。」
息子:「わーわー、うるさいな💢」
団塊のお父さん、子どもが大学まで出ているのに
有名企業に就職できないことに驚きと苛立ちを隠せません。(決してこういう人ばかりではないでしょうが、多かったと思われます。)
そして、29年の時が経ち2024年。この間、団塊Jrの息子Dさんは結婚して、娘のZちゃんも生まれた。仕事でも課長まで出世した。
娘は高校3年生になり、7月現在、半年後に大学受験を控えている。
団塊Jr父:Jさん(1973年生)
⇒中堅上場企業Y社の課長。年収650万円。
娘:Zちゃん(2006年生)
⇒首都圏の偏差値60の高校に通う3年生。勉強はあまりしていないが、大学はMARCHを目指している。
父:「夏休みだからって、遊び過ぎだよ💢。あと半年で受験でしょ!どこの大学目指してるの?」
娘:「MARCH!もちろん、現役で行くよ。」
父:「MARCH?Zの高校から、現役で行く人いるの?」
娘:「何言ってるの?去年は70人くらい進学したよ!AOで進んだ人もいるよ。」(Zちゃんの高校は1学年320人)
父:「俺もZと同じレベルの高校通ってたけど、MARCH行く人、10人もいなかったぞ。」
(Jさんの高校は1学年480人)
娘:「みんなちゃんと勉強してなかったからMARCH行けないんじゃないの?私は勉強していないように見えて、タイパを意識して勉強してるの!こないだの模試ではB判定だったの。」
父:「何がタイパだ💢。B判定だからって、油断せず、もっと勉強しなさい!お父さんが高3の頃は、1日5時間は勉強してたぞ。」
娘:「いちいちうるさいなー。(MARCH行けなかったくせに……)」
大学受験を取り巻く環境は30年間で様変わりした。親世代である団塊Jrが知らぬ間に(おそらく殆どの人は詳しく知らないでしょう。)
少子化が進む一方、大学進学率が上がっている。
現役の志願者は殆ど変わりないが、浪人生が減った分、ライバルは少なくなっている。
Zちゃんは、一般入試での受験を目指しているが、一般で入学する人は受験生の半分。
残り半分は、指定校推薦・総合型入試で入学する。
ただ、最近の高校生は、やたらタイパやコスパを意識する。便利すぎる世の中になってしまったからで、高校生に罪は無い。
とにかく、短い時間の中で効率良く勉強を進めることが良しとされて、
泥臭い努力が好まれない傾向にある。
30年前の話を引き合いに出したり、押し付けるたりすると、若い人に嫌われるので、トレンドの変化を受け入れるしかない。
最後に
団塊JrのJさん、仕事帰りに本屋に寄り道します。
共通テストの過去問に手を伸ばして、最近の入試問題がどんなものかを確認します。
問題を見た途端、量の多さに驚きます。
父:「センター試験って、こんな問題多かったっけ?英語なんて、俺が高校生の頃の倍はあると思うぞ……。今の高校生も勉強大変なんだな。」
取り敢えず、現状を調べて知識を得ることが、
世代間ギャップによる苦しみを和らげるかぎとなるでしょう。