日本の製造業の衰退~グローバル化による低コスト競争~

船井電機が破産手続きを実施しました。
3年前まで、東証一部(現:プライム)上場でした。
売上高は、578億円(22年3期)。
久々の大型倒産です。

「世界のFUNAI」船井電機が破産手続きへ 低価格テレビで一世風靡 - 日本経済新聞

船井は格安テレビを主力とするメーカーです。
倒産の理由は、2010年以降に格安テレビの価格競争に負けたからです。
中国・台湾・韓国は、もっと安いコストでテレビを製造します。
テレビ以外でも、家電製品は東アジア勢が強いです。
松下電器(現:パナソニック)、シャープ、東芝も東アジア勢に負けました。
シャープも今年、堺工場を閉鎖しましたね。

単価が高くない工業製品は価格競争で負けますね。
私は、経済・商業・製造業の専門家ではないため、
素人レベルの考えしか述べられません。

単価が高くない=販売価格に占める人件費が高い。
グローバル化が進み、人件費が安い国での生産が進むと
賃金が高い国は価格で勝負できなくなります。
商品に付加価値があれば、勝負できますが
例えば家電だと高い付加価値はそこまで求められません。
(高画質・高音質テレビくらいですかね。)
付加価値をつけたとしても、数年するとレアな価値ではなくなります。

90年代より、グローバル化が進んだ時点で
日本の製造業の衰退は予想で来ていたのです。

衰退の理由は、経営陣の方針が悪いというより
ビジネス環境の変化なので、正直どうしようもなかったでしょう。
(この状況の打開にもっと力を入れるべきでしたが…)
先進国では、戦略として安く多く生産する方針はフィットしません。

そう考えると、船井電機の倒産は仕方なかったと思えます。
社員の方々は、会社を存続させるために色々と手を尽くされましたが。

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