大学受験者数の変化~平成初めから現在までの35年間~

今年も大学受験シーズンに突入しました。
土日は共通テストでしたね。特に大きなトラブルなく終わりました。

2025年度の共テ受験者数は、495,171人です。(昨年比+3,257人・+0.7%)
2年連続で50万人を切りました。
今年は、18歳人口が昨年より3万人増(+2.8%)を踏まえると、共テ離れが止まりません。

ここ15年程は大学受験者数が横ばいです。65万人程度です。(図1参照)
内訳は現役生が60万人・浪人生が5万人。浪人生の割合は1割を切ってます。
現役生の人数は、1990年(平成2年)からの35年間で60万人前後を推移してます。(58万~64万人。)

図1:18歳人口・大学受験者数・浪人割合の推移 筆者作成

90年代前半は、受験者数が90万人とピークを迎えました。団塊Jrが高校生の頃です。18歳人口200万超の時期です。受験生のうち約30%は浪人生でした。早慶・MARCHレベルですと、現役3割・浪人7割でした。ニ浪も珍しくありません。

1学年の人数が年々減っていき、00年代中盤には浪人比率は15%切りました。今や10%を切ってます。現役志向が強いというより、明らかに大学へ入りやすくなっているのです。学校のレベルを問わず。

話変わって、共通テストの前身となるセンター試験は1990年に始まりました。(前々身の共通一次は1979年開始。)
90年当初は受験者数が43万人程で、現在と同じ位の人数です。その後、セ試利用入試の導入が増えたため、受験者数は55万人~60万人で安定します。

図2:大学受験者・セ試共テ受験者数&割合の推移 (筆者作成)

18歳人口・大学受験者数をもとに、セ試共テ受験者数の割合と推移を調べました。
(図2:緑色の折れ線⇒18歳人口/黄色の折れ線⇒大学受験者数) 
※セ試共テ受験者数に浪人生を含まず。浪人生のデータが見つからなかっため。

ここ15年、18歳人口=同じ学年の45%~49%が受験しています。
良く考えなくても、同い年のほぼ半数が同じ試験を受ける現状は、気持ち悪いです。工業製品の出荷検査のようです。
同じ物差しで評価される、いわば負の共通経験を押し付けられるのですから。
(韓国や中国の大学受験も同じです…..。)

こんな試験のために、日本の高校生の半分が、時間と労力を費やしているのです。才能の無駄遣い。欧米から見たら、笑い者です。

1点朗報です。実は、共テ受験者の割合が漸減しています。18歳人口の減り以上に、受験者が減っています。
年内推薦入試で大学が決まる人が増えているためです。

大学受験の現状を数字で表してみると、
最近のティーンエージャーが可哀そうでなりません。
高校卒業後の進路に関して、多様性が失われているからです。
大学進学&現役での合格というルートが
18歳人口の進路の過半数となり、
若い時期における遠回りを許さない価値観が強くなるでしょう。

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