労働に対する価値観が完全に変わるには40年必要
2010年代は働き方改革が進み、長時間労働・ハラスメントは悪だと認識され始めました。
1番のきっかけは、電通の東大卒1年目社員の過労自殺ですね(2015年発生)。
この労災事故以前から、一部の先進的な企業で働き方は見直されていたものの、本格的には浸透していませんでした。
2019年には労基法が改正されて、長時間労働に対して罰則付きの規制が設けられました。
長時間労働・ハラスメント=悪が常識なのは、せいぜい10年です。
直近10年間で社会人になった人にとって(私も含まれますが)、
疑いが無い常識ですが、それより上の年代では、常識とは言えません。
ほとんどの人は悪だと認識していますが、一部は認識できていません。
若い頃の常識がその後の人生においても常識となっており、
価値観をアップデートできなくなっているからです。
だから、ハラスメントがなかなか減りません。
※長時間労働は、具体的な基準があるために、削減できていますが。
流石に、セクハラは減りましたけど、パワハラは減りません。
新しいハラスメントとして、私の造語ですが、
価値観押し付けハラスメントも登場しました。
簡単に言うと、長時間労働や組織への服従といった価値観を
若い世代にも押し付けるハラスメントです。
私の世代だと、ギリギリ新手のハラスメントを受けます。
加害者は、私より上の現役世代(50代後半~30代後半)です。
60過ぎると会社に縛られる度合いが薄くなるから、
ハラスメントしない(=若い世代の働き方に興味が無い)傾向にあります。
一般的には、人数が多いバブル世代(50代中盤・後半)が加害者と
なることが多いのでしょうか。
現在は、長時間労働・ハラスメントに晒された世代が
会社に残っているため、まだまだ労働に対する価値観がシフトしません。
悪しき価値観に染まった世代が引き続き引退するにつれて、年々弱まっていくのです。
氷河期世代が全員60代となる2040年代にはかなり弱まるでしょう。
私たちゆとり世代が60代となる2050年代には根絶のレベルへ進むでしょう。
日本のような年功序列が強い社会ですと、価値観の完全シフトには40年かかります。