若者の恋愛離れは大学進学率上昇のせい〜一億総狂争(競争)が生み出した世代内男女分断〜

若者の恋愛離れの理由は多岐にわたりますが、
その1つが大学進学率の上昇と考えています。
具体的に言うと、男も女も同じくらい高い割合で4年制大学へ進学している状況に原因があります。

2023年度のデータでは、男子の進学率は60.7%。女子は54.5%。男女合計は57.7%です。男女差は6.2ptで、過去最小レベルです。
過去の差を見ると、
90年度は18.2pt(合計進学率は24.6%) 
00年度は16.0pt(合計進学率は39.7%) 
10年度は11.2pt(合計進学率は50.9%) でしたので、随分と縮んだものです、

女子の進学率が男子に近づいたことは、まったぬ問題ではありません。
男子も女子も進学率が50%を超えて、
同世代の過半数が大卒資格獲得狂争に晒されていることが問題の本質です。

20年前までは考えられませんでしたよ。
その頃までは、受験競争のライバルは多くの男子と一部の女子だけでした。
今や、男子も女子も関係なくライバルなのです。自分が気になる子が、同じ大学を目指している可能性もあります。そうなると、愛の灯は消えてしまいます。
もはや、お互いに恋愛対象と見る余裕すらないのです。
正直、レベルが低い大学だと狂争が成り立っていないですけど、非大卒となって不利にならないために、大卒資格獲得に努めねばなりません。

ここまで大学進学率が上がると、恋愛における相手に求める最低学歴も高くなります。
加えて、受験狂争のライバルなので、
なかなか他人に心を開けません。異性ともなると、なおさらでしょう。
こうして、恋愛対象となる同世代の人数が少なくなります。

失われた30年では、大学進学率の上昇により、マジョリティであった非大卒の人間も失ったのです。結果、世代内の男女の恋愛関係・友情関係すらも失われました。
大学進学率は現在も微増していますが、進学率が上がるほど、恋愛経験率が下がっているのです。

私も、同世代の女性に恋愛感情を抱けません。年上としか付き合ったことがありません。
30代中盤以下は、男女分断の世代と言っても良いでしょう。

進学率が上がって、得したのは大学関係者と塾・予備校業界の関係者だけですよね。
何だったのでしょう。一億総狂争の中で生きてきた若者たちの青春時代とは。

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