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タミフル後発が出荷制限!!終わりの始まり?
あけましておめでとうございます。
年末年始の家族行事と仕事の忙しさもあり。しばらく記事の更新ができませんでした。
今年も頑張ります。
オセルタミビル(タミフル後発)が出荷調整
さて、年末頃から勢いを増していたインフルエンザですが、正月もとどまることなく更に勢いを増して、とうとう冒頭の記事の事態となっております。
概要としてはタイトル通り、「タミフルの後発が急激な需要増により、供給が追いつかず出荷制限がかかった」ということです。
昨年、急激な風邪の流行で風邪薬のもろもろが出荷制限になったときと同様です。
こういうのは、現場にいると「予想できただろ〜」と思ってしまうのですが、薬を作る材料や薬を作る時間がどれほどかかるか、など予備知識を持ち合わせていないのでガヤになってしまいます。
ただ、薬自体は消費期限もかなり長めなので、早め早めの対処でなんとかならなかったのか?と思ってしまいます。
その辺りのモニタリングや意思決定の仕組みがどうなっているのか気になるところです。
もっと深刻になるとどうなる?
幸い今のところ、イナビルやゾフルーザなど他の薬もあるため何とかなっていますが、全ての供給が止まると怖いですね。
ただ、大体一つの薬品が出荷調整になると、当然ながら他の薬品が選択され負荷がかかりそちらも徐々に出荷調整になるというのがいつもの流れです。
他の会社がよほど早く対処していない限り、遅かれ早かれ他の薬品も危険な状況に陥るでしょう。
その一方で、インフルエンザは治療に薬が必須というわけではありません。
特に、現場にいるとインフルエンザの予防接種をしている方はかなり軽症ですむ方も多くいらっしゃります。
当然ながら医療従事者やその家族はその効果を知っているため予防接種を受けている方は多いです。
全インフルエンザ薬の供給が危機的になった場合、小児や高齢者などのハイリスク患者さんを除いて、予防接種を接種済みで軽症な患者さんには抗インフルエンザ薬を使用しないという選択も出てきてしまうかもしれませんね。
他の薬品の出荷調整事例の経験
このような事態で当院が困った事例ですと、
たしか一昨年(2023年)に鳥居薬品の舌下免疫療法治療薬「シダキュア」が出荷調整になったことがありました。
この際も急激な需要増ということでしたが、現場では肌感覚で感じていました。
というのも、同年の花粉症がかなりひどかったため舌下免疫療法を始めようという方が多かったのです。
問い合わせや相談も多く、「これは新規の患者さんが増えるな」というのを感じていました。
その中での出荷調整だったので、私たちや患者さんも困りましたが、会社としても大きなビジネスチャンスを失っているという印象でした。
現在は供給はほとんど問題ありませんが、現在も下方記事のように限定出荷のようです。当院では困ることはありません。2025年に完全に戻るとされているようですね。
製薬会社も大変なことは重々分かっていながら、その社会的意義を理解して頂き、需要と供給の状態をもっと上手く、現場からでも吸い上げてもらってこういうことがないようにして頂きたいものです。
今回の記事は以上になります。