自己肯定感
自己肯定感という言葉はよく耳にする。大抵は「自己肯定感を持て」とか「自己肯定感は大事だ」というように肯定的な意味合いで用いられることが多い。
実際の所、自己肯定感は本当に大事なのだろうか?
私は確かにそれは大事なものだと思っている。自己肯定というのは自分を受け入れることであり、幸福において欠かせないものである。当然だが自己を否定する人間が幸福になれるとはとても考えにくい。
また、仕事等においても自己肯定感は重要になってくる。仕事等をしていれば辛い時、ハードな時もあるだろうが、そこで「自分はやれる」という自信を持つことは、それが根拠のないことであれ、大きな力となってくれることがある。
また、自己肯定感のある人間は行動力のある人間である。自分、そして世の中を動かすのは行動力な訳だから、その意味でも自己肯定感は重要であろう。
しかしながら「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉があるように、自己肯定感にもデメリットとというか、危険なところがある。
それが一番大きなところは、あまりに身分不相応なことをしてしまうことである。自分の実力ではとても成功できないことに飛び込んで痛い目を見てしまうことである。いや、痛い目を見るだけならまだマシな方で、時には死ぬこともある。要するに身の程知らずとなることである。
例えるなら、世界最高峰の山エベレストを登山経験がほとんどないのになぜか自分は成功できると思い登ろうとするとすればわかりやすいことだろうか。そんなことをすると下手をすれば死んでしまう。
そもそも「自己肯定感」と「プライドが高い」は紙一重である。高いプライドの持ち主は基本的に嫌われるタイプの人間であり、そのプライドによって破滅するケースもままある
「自己肯定感」が本当の意味で正く効力を発揮するのは「自己否定感」もまた必要なのだろう。行動力を「発揮し過ぎないように」、それにブレーキをかけるのである。「自己否定感」しかないならば、その人間はどうしようもないが、ある程度の割合が必要だろう。冷静な目で自分を見るためには「自己否定感」も数滴己に垂らす必要がある。
自分の実力が100であるとして、難易度120の事業に挑戦し打破するのには自己肯定感は大きな力を発揮する。他方で難易度200の事業になると、自己肯定感は破滅の元となる。
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