飴と鞭と鞭
「人間って難しい」てノートの続きだよ〜
脳がネガティブのサンドバッグにされているうちに、バスは南千歳に停車した。キャリーケースの多さからなんとなく予想してはついていたが、降りる人間自体自分だけである。
その中で自分でも異例の事態であることに動揺しながらも事の経緯を説明。
命拾いした。
何やらこれから札幌方面行きのバスに乗り込み恵庭ICで降ろしてもらえ、バス代はその時に南千歳から恵庭までの料金を払えば良いということらしい。ホッと胸をなでなでなでおろしおろしおろおろし、それでもまだいくら掛かるかは不明だったので、胸と共にお金もおろそうと南千歳駅内へ向かった。
駅にATM無かった。
仕方がないので駅を出てすぐのショッピングモールレラ内のATMを利用することに。仮にもショッピングモール、それなりの広さであり久々に訪れたもので良くわからない。加えてこのレラ
3月末を持ってサービスが終了しており、何故かわからないが数店舗のみが未だ開店していたが、客もろくにいなければ、BGM一つもかかっておらず、活気という活気がまるで無い。
その雰囲気が、帰る手段を見つけたことで一度忘れかけていた自分の体と精神の疲労を思い出させるのに、そう時間はかからなかった。ATMを見つけるまでの道のりはまるで迷路。締まり切った店の扉は、空の店内を隠すように白い布がかけられており、元々白い壁と呼応するようにその単調さを増していた。
やっとこさたどり着いたATMコーナー。億が一を想定して4000円をおろし、喉の渇きと疲れに負け、横にあった自販機でジュースを買うことに。
下一列にビタミンドリンクが3種類並んでいる。オロナミンC、ビンのドリンク、デカビタ。
これは自論以外のなんでもないが、なんとなくデカビタはペットボトルでも売られていることから瓶でわざわざ買うことに魅力を感じない。しかしこれからまたバスに乗り込むことを考えると、味では優勝筆頭のオロナミンCでは、蓋が完璧に締まり切るわけでもない点から、手に持ち続けなくてはならないことを考えると、必然的に選ばれるドリンクは決まっていた。名も知らぬビンのドリンク。
ピッ、ガコン! キィーーー…
ドリンクを取り出したその時、疲れていた心が音も立てずに折れた。
まだつづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?