【全文無料】自分の頭で考える前に前例を調べる

この記事を書いている時や、ついたコメントを見て思った話。

「ブサイクを法律で守る」ということを考えた時に、当然ながら俺も思った。「どうやって容姿の良し悪しを定義するのか」と。これは容貌障害を障害として保護するならどうするかと考えた時も同じである。

ブサイクはともかくとして、容貌障害はどうしたら障害と認定できるか。どこからが障害扱いになるのか。顔面の非左右対称性、顔面の○%に異常がある、特定の部位の欠損などなど。自分の中では妥当に思えるけども、社会的に認められるかは分からない。それに容貌障害の当事者はどう思うかというのもある。

しかし、調べていくうちにある事実を知る。容貌障害を障害認定している国が、既に複数存在していることを。

前例があるということは、少なくとも可能であることを意味する。もちろんどこまで適切に運用されているかは分からないし、境界線上に位置して保護から抜け落ちる人もいるだろう。しかしそれは既存の障害者保護の制度も同じである。何もないよりはあったほうがいい。

また、ブサイクと容貌障害まとめて保護する手段の一つとして、容貌による就職差別の禁止も見つかった。これもどこまで守られているかは分からないが、明文化されていることは重要だ。この差別禁止のいいところは、顔の良し悪しを法で定める必要が無いことにある。顔の良し悪しより判断が難しい「思想」ですら既に差別禁止項目として明文化されていることを考えると、これは優れた対応だ。

このように、素人である俺が頭を悩ませるよりも、前例を調べた方がはるかに有益だ。少なくとも思考を進んだ地点からスタートできる。だから今回の記事は、なるべく前例を紹介しているし、大量のリンクも貼っている。

ところが残念なことに、つい俺の記事を読んで初めてこの問題を考えたにも関わらず、自分の頭だけで考えてコメントする人の多いこと。どこからを障害と認定するのかは確かに簡単な話ではないが、少なくとも実現している国が複数あるのだ。まずはそれを参考にしたら良いだろう。

ブサイクを保護だなんて悪平等みたいなコメントもあるが、少なくとも俺は「ブサイクに補助金を出せ」とか「ブサイク枠を作れ」なんて言っていない。既に他国で実施されている「容貌による差別禁止」だけだ。繰り返しになるが、これなら容貌をジャッジする必要すら無いのである。むしろしたらアウトだ。

ということで、何かを考える時は、まず前例を調べよう。俺含め、普通の人は自分の頭だけで考えて斬新なアイデアが出る確率は低い。前例を調べた方がよっぽどマシなアイデアが見つかるだろう。


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