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週プレでディルドについて書いた

週プレ連載の報告回。今回のは『アダルトグッズの文化史』である。

上のnoteでも書いた通り、本書は主に20世紀アメリカにおけるディルドとヴァイブレータの話が取り上げられている。対象範囲は狭いはずだが、情報量は多い。いかにしてディルドとヴァイブレータが普及していくかに加え、女性の性の自立の話が展開される。登場人物も多く、相互に関連しているので全体像を把握するのが少し難しい。

そんなわけで例によって、本書はネタにする部分が多い。直球勝負で行くならば、やはりフェミニズムと性玩具および自慰行為の関係について書くことだろう。現代もそうだが、一口にフェミニズムと言っても多様な価値観がある。当時のアメリカも同様で、ヴァイブレータを受け入れるフェミニストもいれば、敵視するフェミニストもいた。このあたりを中心に書いても、それなりに面白くなるはずだ。

たぶん本しゃぶりで記事を書くならそのネタを使っただろう。はてブを中心にネットではフェミニズムネタは人気だし、真面目に性的なネタを扱うのもウケやすい。コメ欄は賛否両論となるだろうが、活性化するのは間違いないはずだ。

しかし今回書くのは週プレ向けである。はてブと年齢層は被っているけれども、男性比率は圧倒的に週プレが上だ(はてなが約70%に対して、週プレは98%)。他の記事を見ても、はてブほどフェミニズムネタがウケるようには思えない。

そこで今回は異性愛者の男性向け、それも恋人や夫婦関係を取り持つためのディルドに焦点を当てた記事とした。ディルドやヴァイブレータというと女性と一部の男性の自慰行為に使うものだと思われがちだが、アメリカでは夫婦で使うものから浸透していったのだ。

なぜこのような広まり方をしたのか。これは技術的な理由と社会的な理由がある。

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