『いろいろへんないろのはじまり』アーノルド・ローベル 作 まきたまつこ 訳 冨山房
色のない世界。
想像してみると、なかなかキレイでもあるかもしれない。一面、雪景色の世界だと、白だけなのか。いや、そうでもない。
色のない国の魔法使いが、魔法の薬を使って、妙なものを作りました。まず、出来たものは、
“あお”
というもの。家を塗り、畑を塗り、周りのみんなにも分けて、こんな街になりました。
青だけの世界。みんな、どんどん悲しくなりました。憂鬱な気分の人が増えました。
魔法使いは、次に考えた色は、
“黄色”
明るくなりました。でも、目が痛くなりました。ぶつかったりして、事故になりそうでした。
これではいかん!
“赤”
を作りました。みんな、赤ばかり塗って、怒りっぽくなりました。ケンカが増えました。
魔法使いは、あふれる絵の具を前に頭を抱えました。どの色の世界もダメだ。
でも溢れ出して、混ざりあった色を見て、魔法使いは閃きました!
そうだ!
色んな色を使うことを。
あれとこれを混ぜて、色を作る。どんどん、生み出される色たち。
こうして、色の国ができあがりました。
みんなみんな、好きな色を作っていくのです。
私たちの世界も、自分の世界の色を自由に作っていけるのです。
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