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【さいごの恐竜 ティラン】   村上由香 作        広瀬弦 絵        

沖縄の民具に唄三線と絵本の世界という、
大分での催しをした時に出会った、
図書館を作るプロジェクトに携わっている方から
教えていただいたのがこの絵本。
その方のおすすめの絵本だそうで、イベント後に写真付で連絡してくださいました。
こうして絵本が繋いでくれた縁。

自分の頭くらいの大きさの卵を5つ産んだお母さんは、お父さんと一緒に子供を育てます。
ある日、食べ物を探しに出たお父さんが、いつも戻る時間に帰ってこない。
次の日も待っても帰らない。心配したお母さんは、探しに出かけます。誰にも見つからないように、大きな葉を子たちに被せて🌿

泉のそばに、ティラノサウルスにやられた
お父さんが、、骨になってもお母さんはわかる。
泣きながら家路に向かうと、子たちも食べられてしまってる結末。

こんな悲しいことがあるのか。。
弱肉強食の世界。
私の飼っていた鶏も食べられた。
穴熊かイタチか、、強いものには喰われてしまうのか。。

途方に暮れていたお母さんが道で見つけた大きな卵🥚それは、お父さんをやったティラノサウルスの卵。でも、このままでは、誰かに食べられてしまう、、、お母さんは、その卵をあたためて孵します。生まれたティラノサウルスを“ティラン”と
名付けて、自分のことして育てるのです。

そして、自然界に災難が起き、食べ物も無くなっていき、年老いて動けなくなった母は、肉食恐竜の恰好の餌食に。

“他の恐竜に食べらるくらいなら、ティランが私を食べて生き延びなさい。”

母の優しさわかる。私ならそういうのか。
でも、この立場なら母を食べられるか。
できない、、戦時中は人の肉も食べた人もいるとか。そんな状況になれば、気持ちは変わるのだろうか。

最後まで戦い母を守ったティランは、母の横に横たわって一緒に眠りにつきます。

血が繋がっていなくても、愛情は変わらない。
母ってこんなものだろうか。
そして、自然界の摂理に抗っても仕方ないような出来事も、自分ごとに置き換えると、
なんとも処理できない気持ちの部分に、
何度も読み返してみたくなります。

小学2年の息子も、寝そべってみていたけれど、途中から正座になって真剣に聞いてみていた。
感想はなかったし、私からも聞かなかったけれど、お互いに感じるものがあったのは、
言葉にせずともわかりました。

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