『ペレのあたらしいふく』 エルサ・ベスコフ さく・え おのでら ゆりこ やく 福音館書店
こひつじを飼っている男の子、ペレ。
こひつじも大きくなって、ペレも身長が伸びて、洋服も縮んできました。
こひつじのふわふわの毛を刈り取ったペレは、、
おばあちゃんの所へ、刈った毛を持っていき、
“すいてくれない?”
とお願いすると、
“いいとも。その間、にんじん畑の草取りをしてくれるならね。”
そうして、すいてもらった毛は、もう1人のおばあちゃんのところにいって、糸に紡いでもらいました。その間、おばあちゃんの牛の番をしたペレ。
誰かの手を借りながら、できていく洋服。自分には出来ないけど、出来る人に頼む。そして、その代わりに、自分が出来ることをする。
おじさんのお手伝いをして、お駄賃で染め粉を買って、自分で糸を染めた、ペレ。
そうして、仕立て屋さんに持っていったペレの元に、出来上がった洋服がきた。
みんなの協力で出来上がった洋服は、きっと大切にするだろう。着るたびに、みんなの顔が浮かぶから。
そして、自然を大切にもするだろう。
ひつじが元気に暮らせるように。
サスティナブルと言われる今の世の中に、1976年のスウェーデンの営みが、なんとも必要なものがぎっしり詰まっている気がしました。