丁寧な暮らし2.0 〜万年筆とあん肝〜
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今はもう亡くなってしまった恩師に
その昔(かれこれ25年も前のこと)
「お祭りの縁日の風景と雪景色は似ていると思います」
と、ふと思ったことを伝えたところ
「そういう感覚、いいと思うよ。大切にして」
と思いがけず褒めていただき、
それがずっと心に残っている。
意味がわからないよ、
と言って笑われると
思っていたので驚いたのだった。
あれから、ずいぶん時間が経った今
果たして先生がおっしゃったように
私はあの時の感覚を
維持できているだろうか。
かなりあやしい。
と、日々こんなことを
自問しているのですが
先日、ふと、ひさしぶりに
「万年筆とあん肝は似ている」
と思ったりした。
先生にこれを伝えたら
何とおっしゃるだろうか。
先生が亡くなって今年で10年になる。
私は一昨年妻にプレゼントしてもらった
先生と同じ型の万年筆を使用して文字を
書いたりしている。
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話はあまりにも大きく変わるが
以前モグライダーのともしげさんと
一緒に主催ライブのタイトルを
考えたことがあった。
その時、ともしげさんが私に
「好きな食べ物は何ですか?」
と質問したので、白子です。と答えた。
ともしげさんはニンニクラーメンが好きだと言って
主催ライブのタイトルは
「白子とニンニクラーメン」になった。
縁日と雪景色。
万年筆とあん肝。
白子とニンニクラーメン。
日々は後ろに過ぎ去っていく。
(了)