E1ビザ駐在員がEB1-Cカテゴリでグリーンカード取得を目指す話 その3
前回グリーンカードを取得したいと思うようになった心境について書きました。
今回は、どのようにしてそれを実現していったかについて。
当初私は、なんとか自力で(会社に黙って)グリーンカードを取得しておいて、帰任命令が出た時はゴネるかサヨナラするつもりで考えていました。
グリーンカードの抽選に応募
まずは定番。
運を天に任せて、毎年10月頃に募集があるグリーンカードの抽選(Diversity Visa, DV Program) に3回ほど応募しました。
写真をアップロードし、名前や住所、パスポート情報などを登録するだけのお手軽プロセス。
翌年5月頃に当選結果が発表されますが、どれもダメでした。
なかなか当たらないものですが、当選日にTwitterをみると割と当選した!というツイートは見かけるので、案外当たるようでもあります。
日本にいて、特にスポンサーの当てもなく、なんとなくグリーンカードに興味がある人は試す価値がある制度と思います。
応募にお金はかからないし。
どさくさに紛れてE1ビザを延長
抽選に外れ続けているうちに、最初に取ったE1ビザの期限が残り1年を切ってきました。
このままだとそろそろ帰任の話が出てしまう。
幸いというか、当時(今もですが)私は日本本社の中でもデカいプロジェクトの初期調査をアメリカで担当していて、候補地やらパートナー企業探しをやっていました。
ところがCOVIDの影響で出張もできなくなり、パートナー候補の動きも鈍くなったりでプロジェクトの進捗が遅れていたのです。
また、COVIDの影響で日本にあるアメリカ大使館の手続きも遅れており、新規駐在員がなかなかビザを取れないという状況もでてきていました。
そこでこちらの現地会社社長に、残る・残らないは別として念の為ビザ更新した方が良くない?と打診して見たところ、自分もそう思ってたのでちょうど今週日本側に提案したところだ、との嬉しい回答。気が利くじゃないかお前さん。
日本側も同意して、無事にE1ビザを延長できたのでした。
今になって思えば、この時延長しておいて本当に良かった。
グリーンカード申請中にビザが切れてめんどくさいことになっている事例がいくつもネット上に落ちています。
自力でEB1-Cで取れないか調査
数年間グリーンカード抽選にトライしつつ通常申請についても情報を集め、Eビザ・Lビザ保持者は雇用ベースの中でも第一優先枠であるEB1-Cというカテゴリで取りやすいということを知ります。
第一話で記載しましたが、EB1-Cだと第一ステップのPERMプロセスをスキップできるのですが、PERMは必ず雇用者側(会社側)が費用を負担して求人広告を出したりしないといけません。
残り2つのステップの費用(申請費用や弁護士費用)は、会社側が出しても申請者本人が出しても良いようなので、EB1-Cなら会社に黙って全て自腹でいけるのではと考えたのです。
そこで、会社とは関係のない移民弁護士事務所にメールで無料相談。
何度かやり取りをしたものの、その弁護士からはEB1-Cでイケるという強い確証が得られず、PERMが必要となる第二優先枠のEB2を推奨されたためそのままフェードアウトしました。
結局今になって思えば、PERMをスキップできても次のI-140の審査は会社側の審査なので会社から色々資料や情報を出してもらわないといけないし、日米両方の上司からサポートレターのサインなどももらわないといけなかったので、どっちみち会社に知られずに取得するというのは無理でした。
他の方法としては、私は修士卒なのでムリっぽいですが、博士卒の人で論文をいっぱい出して引用数も多いような人やアメリカにとって有益と判断されるような研究をしている人は、同じ第一優先枠内のEB1-B Outstanding Professors and Researchers(著名な教育者・研究者)カテゴリで申請するとか、EB2でもNIW (National Interest Waiver) 申請を行うことで、PERMプロセスをスキップした上に雇用者のスポンサー無しに自力で手続きも可能なようです。
会社の了承をとってオフィシャルに手続き
結局はこれです。
上のダマテン作戦が不発に終わってしばらくは放置していたある日、現地会社社長との One on One ミーティングがありました。
彼はヨーロッパの姉妹会社から出向で来ていて、初の日本人駐在員でない社長でしたが、ローカル社員が相変わらずすぐ辞めてしまい、レジェンド社員が育たないことを懸念していました。
そこで冗談半分に、じゃあ私のグリーンカードをサポートする気はない?と聞いて見たところ、それについては自分はポジティブだとの回答。
長年この会社での経験がある人がローカルで残るのは良いことだし、この先プロジェクトの事を考えても良い事だと。
まずは社長本人の考えとして、日本にいる私の上司に伝えてみようということになりました。
これ、従来通り日本人駐在員が社長やってたら多分うやむやにされてたと思います。前例が無いとか言って。
ヨーロッパ人の社長だから、本社側のお偉いさんにもあまり遠慮なく聞いてみてくれたと言えます。
さあ、いよいよ本社の上司との対決!
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?