Twitterで見る、アゼルバイジャンとアルメニアの2020年ナゴルノ・カラバフ紛争
数日前、長男と、ローランド・エメリッヒさんの映画、「ミッドウェイ」を観た。
戦争映画の悲壮感はそんなになく、表現がふさわしくないかもしれないけど、アクション映画として楽しめた。
今日、停戦の合意があったばかりだけど、その日の夜、なんとなくアゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフ紛争が気になって、眠れなくなった。
アゼルバイジャンの国とされている、「ナゴルノ・カラバフ」という地域にアルメニア人が住んでて、9年前に「アルツァフ共和国」という名前で独立を宣言した。この共和国については、ほかのどの国もまだ国家として認めてないみたいだけど、アルメニア人が住んでいるということで、アルメニアは肩入れしているみたい。
その土地を巡って、争っている。ミサイルを撃ち合って、民間人にも死人が出ている。今日の停戦までに死者は400人と報道されている。
ニュースは、各国の政府レベルの話ばっかりだったから、なんとなく、SNSでどうなっているのか知りたくなった。
とりあえず、Google翻訳を使って、アゼルバイジャン語での「アルメニア(Ermənistan)」と、アルメニア語での「アゼルバイジャン(Ադրբեջան)」を調べて、お互いにどんな風に言ってるのかTwitterを検索してみた。標準で備わってる、「高度な検索」を使えば、「いいねの最小件数」を指定したりもできる。便利。
アゼルバイジャンは、通信制限がかかっているというニュース(ロシア語)があった割には、結構ツイートが引っかかった。アルメニア側もそうだけど、双方、紛争についてのつぶやきが、今年取得したばかりのアカウントからのものが多いから、情報操作を目的にしたものも多いのかもしれない。中には、安全情報を得るために、慌ててアカウントを取得した人もいるんだろうけど。
その中でも、使用年数が比較的長くって、紛争以外の日常的なツイートをしている人に絞って、Google翻訳の力を借りながら読んでみた。そんなアカウントでも、紛争を煽るようなツイートが、まぁまぁ目立つ。
アルメニア側で結構支持されている動画「WE WOKE UP TO A WAR」(私たちは戦争に目覚めた)という訳で合ってるだろうか。全体的に言っていることは、抑えが利いていて、煽っている感じはないけど、タイトルはなかなかショッキングだ。
このツイートにも使われている、「#StopAzerbaijaniAggression」(アゼルバイジャンの侵略を止めろ)は、アルメニア側でよく使われている。「#ArtsakhStrong」(アルツァフ強い)も多い。アルツァフというのは、今回舞台になっている土地の、未承認国家のこと。
対して、アゼルバイジャンは、紛争地域が、国際的には自国のエリアであることを指して、「どっちが侵略者よ!」という、赤い背景の地図を使うツイートがいくつか出回って、彼ら側で支持されている。
このツイートでは使われてないけど、「#DontBelieveArmenia」(アルメニアを信じるな)のハッシュタグは、アゼルバイジャン側でよく見る。
いずれの国の人たちも、国際的な目をかなり意識したような感じだから、あんまり口汚い様子はないけど、自分たちの正当性を主張して、争うことは致し方ないでしょという雰囲気は、ひしひしと感じた。
ひるがえって、日本。
戦後75年が経過して、戦争体験者の高齢化が問題になったりする。もう、戦争について語る人がいなくなる、みたいな危機感がある。一方で、ナゴルノ・カラバフみたいな殺し合いは、今でも、どこかで続いている。
自国の歴史を顧みて、考える機会は重要だと思うけど、せっかくインターネットで世界中の人と繋がってるんだから、同時代の戦争体験者の声も拾い上げながら、平和を考えたい。
戦争は、「負けたら」悲劇。という言葉を聞いたことがある。日本人として太平洋戦争だけを見たら、そう見えるのかもしれない。
勝てばハッピーな時代もあったのかもしれない。今もそうなのか、同時代の戦争を見守りたい。