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コロナ禍で、台風の直撃を受けた大学合同公演

運が悪いんじゃない。

映画「スピード」では、「異常な経験に基づく関係は絶対にうまくいかない」とか言ってたりしてたけど、一緒に試練を乗り越えると、絆が深まるというのを逆説的にとった、ギャグだったはず。そう信じたい。

新型コロナの感染症拡大防止については、十分すぎるくらいに対策をとっていたけれど、ここに台風による施設の休館という事態がかぶさってきた。とんでもない災難なんだけど、絆は深まったはず。

それどころか、感染症対策はこうやる、急な天災に対してはこうやる、というのに対する集合知が複数の大学で共有されたということは、とてもよかったことなんじゃないかと思う。

同じアパートに住む四組のカップルが、どっぷり絡み合う、ちょっと大人なお話を、飄々と演じていたから、最近の大学生は進んでるなぁと思った。

セットもしっかり組んで、音響と照明もしっかり入っているし、役者の動きもかなり入っているから、これ、リーディング(台本を持っての演技)にする必要ないんじゃない?普通に公演すればいいんじゃない?という声もあったが、コロナ禍での稽古時間では、ギリギリというところだったと思う。

客席が200を超えるような大き目の会場になると、なんだか、疎外感というか、舞台上の事柄から距離を感じるようなことが多いのだけど、コロナ禍で、あんまりそういう贅沢を言えなくなってきた。

前後左右と一人分外されて、スカスカで広めの会場で観劇せざるを得ない状態になっている。

なぜライブがいいのかというのを、井上ひさしさんが話されていて、表現者とお客さんとの相互作用に加えて、お客さん同士の相互作用があるということだった。

それはきっと、お客さん同士が近いほど効果があるものなのだと思う。寄席とか、山笠とか、オールスタンディングのライブとか。そういう密着度の高い相互作用が全くなくなってしまったのだけど、こんな世の中だから、自分でその辺は補完しないといけない。

そんなこんなで、お客さん同士が笑いあえるような機会は、何度か逃してしまったところはあるのだけど、逆にプライベートゾーンをたっぷりと取った、ごく私的な感じで観劇をしているという感覚を持った。

特に、人の暗部を楽し気にほじくり返すような話だから、逆にストレートに心に刺さるような感じもした。

大学生のみんなはどんな感じで演じたのかな~。こういうのって、打ち上げでいろいろ話が聞けたりするのに、今回はそうもいかない。Zoom飲み会をしたらいいのかな。

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